アート・イン・ビジネス

ビジネスに効くアートの力
未読
日本語
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ビジネスに効くアートの力
未読
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アート・イン・ビジネス
出版社
定価
2,200円(税込)
出版日
2019年12月15日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

近年のビジネスシーンでは、「アート」ということばを耳にする機会が増えつつある。「アートワーク」「アート・シンキング」「アートの発想」など、もはや教養としてアートを学ぶだけでは飽き足らず、アートをビジネスのなかで実践していこうという機運が高まっているのだ。しかし、本書の著者のひとりである若林氏によれば、あるビジネスパーソンのアートに関するアイデアがいかに素晴らしかったとしても、単発的な取り組みではアート効果を実感することはできないという。なぜなら、アート効果は中長期でじわじわと広がっていくものだからだ。そんななか、本書は、ビジネスにアートを取り入れていくために考慮しなければならない「問い」について、一つひとつ検討を重ねている。

本書は「アート・イン・ビジネス」、すなわちビジネスにアートを取り入れることの理論と実践に関するはじめての体系書である。「アートをビジネスに」と言われても、ピンとこないという読者もいるだろう。「アートは、自分の仕事には関係がなさそうだ」という人もいるかもしれない。しかし、本書を読み進めていくうちに、一見アートとは無縁そうな企業であっても、従業員がアートやアーティストの考え方に触れることによって、事業に良い変化がもたらされていくことがわかるだろう。ぜひ本書を読んで、「アートはビジネスに効くのか?」という問いの答えを探していただきたい。

ライター画像
池田明季哉

著者

美術回路
美術回路とは、アートパワーを取り入れたビジネス創造を支援するプロジェクトチームです。

本書の要点

  • 要点
    1
    アートパワーとは、アーティストが作品を創造し続ける活力の源泉のことだ。ビジネスでアートの効果を実感するためには、一人ひとりが「問題提起力」「想像力」「実践力」「共創力」という4つのアートパワーを内在化していく必要がある。
  • 要点
    2
    アートパワーを内在化できれば、長期的に「ブランディング」「イノベーション」「組織活性化」「ヴィジョン構想」の4つの効果が期待できる。
  • 要点
    3
    寺田倉庫は、アートを扱う事業を始めたことで、ブランディングを実現した。

要約

アート・イン・ビジネスとは

「アートパワー」と「アート効果」
SeventyFour/gettyimages

近年、ビジネスの分野でアートに注目が集まっている。しかし、アートの効果は見えにくく、短期的に成果が上がるものでもない。著者らの問題意識は、アートの数字に表れにくい効果を、多様な観点から明らかにすることだ。

まずは著者らの定義する「アートパワー」と「アート効果」について説明しよう。アーティストが作品を作り続けていく活力の源泉になっているのが「問題提起力」「想像力」「実践力」「共創力」の4つのアートパワーである。アーティストは内発的な問題提起や社会へのまなざしといった視点から(問題提起力)、想像力を駆使し、これまでに見たこともないようなコンセプトを立て、批判や孤独と闘いながら(共創力)アート作品として実践していく。

アートをビジネスに取り入れるには、一人ひとりがアートパワーを「内在化」する、つまり「アートパワーが私たち個人の思考や感性になんらかの影響を及ぼしている状況」にする過程が必要だ。この過程を通して、「ブランディング」「イノベーション」「組織活性化」「ヴィジョン構想」の4つのアート効果が期待できる。

これらのアート効果は、相互に影響し合い、さらなる波及効果を生み出す。アートを扱うことでブランディングし、新しいヴィジョンを実現できることもあれば、革新的なプロダクトが組織活性化につながっていくかもしれない。アートパワーがじわじわと浸透していくことで、企業としての個性がより強くなっていく。

【必読ポイント!】アート・イン・ビジネス実践企業

ブランディング:寺田倉庫

1950年創業の寺田倉庫は、いわゆる普通の倉庫会社だった。競合企業に先駆けてトランクルーム事業を始めたが、やがて価格競争に陥り、差別化できる特徴もなければ、一番と誇れる実績もなくなってしまった。しかし代表取締役に中野善壽氏が就任したことをきっかけに、倉庫業の枠を超えた新規事業を次々に生み出すこととなる。

その新規事業の中心とも呼べるのが、アートビジネスである。多くの顧客が倉庫にアートを預けていることに着想を得て、美術品保管にまつわる設備だけでなく、美術品を取り出して確認するためのビューイングルームや、展示を行うギャラリースペースも設けた。

また、アートを保管するだけでなく、輸送やギャラリースペースの提供など、付帯サービスにも目を向けた。輸送などの際に事故が起きたときのことを考え、保険などを提供するグループ会社も設立し、10年足らずで「美術品保管と輸送といえば寺田倉庫」という立ち位置を確立させた。

イノベーション:ヤマハ
FollowTheFlow/gettyimages

大手楽器メーカー、ヤマハ。同社のビジネスにもアートの視点が取り入れられている。ここでは、アーティストとの対話と思考から生み出された「TENORI-ON」について紹介する。

TENORI-ONは、ヤマハとメディアアーティストの岩井俊雄氏が「未来の楽器」というコンセプトで共同開発した電子楽器だ。

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