人は話し方が9割

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人は話し方が9割
出版社
出版日
2019年09月14日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「もっとうまく話すことができたなら……」と、話し方にコンプレックスを抱くビジネスパーソンは少なくないだろう。世の中に「話し方」についてのビジネス書が溢れていることからも、それがわかる。

その中でも本書は、営業マン向けでもなければ、プレゼンテーションのコツを題材にしたものでもない。「大切なことを適切なタイミングで話せる人になりたい」「思っていることを正直に言えない」「沈黙の時間が怖い」などといったリアルな悩みを解決してくれる一冊である。

本書の著者が提案する方法のひとつは、「苦手な人との対話を避け、好きな人と話す時間を増やす」ことによって、コミュニケーションが上達する好循環を作り出すというものだ。好きな人と会話すれば、会話が弾む。その結果、徐々に自信がつき、「話しづらいな」「苦手だな」と感じることが減り、より多くの人と話せるようになる――というわけだ。

本書で取り上げられるのは、特別なシーンにおける話し方ではない。上司や家族、友人などといった身近な人たちとのコミュニケーションを円滑にするコツだ。その理由は、人前でプレゼンテーションする機会はそう多くないが、日常的なコミュニケーションは1日に何度も繰り返すものだからだという。

本書で紹介されるメソッドは、どんな立場の人にも大きな効果を発揮するだろう。話し方に悩んでいる人は、ぜひ読んでみてほしい。ビジネス書の選手権「タマダービー」で第1位にも選ばれた、実力派の一冊だ。

ライター画像
狩野詔子

著者

永松 茂久(ながまつ しげひさ)
株式会社人財育成JAPAN代表取締役。
永松塾主宰。知覧「ホタル館富屋食堂」特任館長。
大分県中津市生まれ。「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で数多くの講演、セミナーを実施。「人のあり方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累積動員数は延べ40万人にのぼる。
経営、講演だけではなく、執筆、人材育成、出版スタジオ主宰、イベント主催、映像編集、経営コンサルティング、ブランディングプロデュース、自身のセオリーを伝える『永松塾』の主宰など、数々の事業を展開する実業家である。また、鹿児島県南九州市にある、知覧「ホタル館富屋食堂」の特任館長をつとめ、「知覧フォーユー研修さくらまつり」など、自身が提唱する「フォーユー精神」を培う研修を行っている。2019年4月、東京に自社のセミナールームである「麻布『翔』ルーム」をオープン。同時に、自身の実業・出版・講演の経験をベースに、ここから飛び立つ人たちのコーチングプログラム「NEXT」をスタート。著書には、『影響力』『言葉は現実化する』『人生に迷ったら知覧に行け』『男の条件』『心の壁の壊し方』(いずれも、きずな出版)、『いい男論』(クロスメディア・パブリッシング)、『黙っていても人がついてくるリーダーの条件』(KADOKAWA/中経出版)、『感動の条件』(KKロングセラーズ)、『図解言葉は現実化する』『図解うまくいく人だけがやっている38の習慣』(いずれも、PHP研究所)、『人生に迷う君に送る24の手紙』(プレジデント社)など多数あり、累計発行部数は200万部を突破している。

本書の要点

  • 要点
    1
    コミュニケーションがうまい人は、「拡張話法」を使っている。拡張話法は、感嘆→反復→共感→称賛→質問の5ステップで相手の話を広げるテクニックだ。このテクニックを使えば、相手は気分をよくし、次々と話を展開させていく。
  • 要点
    2
    話題がないなら、無理に話す必要はない。それよりも、話しやすい人と話して会話力を高めよう。
  • 要点
    3
    「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」の「4Dワード」を口にする人、つっこんだ男女関係や下ネタを話す人、相手の話を奪う人は嫌われる。

要約

【必読ポイント!】人生は「話し方」で9割決まる

自己肯定感で話し方はうまくなる

「人前で話した時、急に頭が真っ白になってしまった」「何を言っているのかわからない、と言われて自信をなくした」「声が小さい、と言われてどうしていいのかわからなくなった」など、過去の経験がきっかけとなり、話すことへの苦手意識が芽生えてしまう人は少なくない。これは、自己肯定感が失われてしまっている状態だ。そんな人も、自分を肯定できれば、確実にうまく話せるようになっていく。

話すことを通じて失ってしまった自己肯定感は、話すことで取り戻すのが望ましい。ここでキーワードになるのが「全肯定」だ。お互いを否定しない空間に身を置くことで、自然と自己否定感が薄れていく。相手を肯定すると同時に、あなた自身が否定されることのないようにするのだ。

話し方がうまくなる「3つのコツ」
matdesign24/gettyimages

普通の人が「話せる人」になるためには、3つのコツがある。

まず「否定禁止」だ。会議では、誰かが何かを言った時に「そうは言っても」「それは、違うだろ」という空気が流れることがある。そうなると、誰もそれ以上話せなくなってしまう。意見や感想がどんどん出てくる場を作るためには、「とにかく正解を出さなければいけない」という思い込みを捨て、質より量を重視してどんな意見でも受け入れる雰囲気にすることだ。

次に「笑顔でうなずく」ことだ。うなずきながら聞いてくれる人がいると、誰しも話しやすくなる。安心感が話す力を引き出すのだ。

最後に「プラストーク」だ。プラストークとは、「人をほめること」「感動した話をすること」「今の現状を良くしていこうとすること」を指す。ネガティブな話、否定的な話は、話す人と聞く人、双方のエネルギーを奪ってしまう。プラストークによって明るい空気を作るようにしよう。

コミュニケーションの三大原則

コミュニケーションが得意な人は、次の3つの原則を守っている。

まず「人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味がある生き物である」ということだ。一番興味がある「相手自身」のことを主役にすれば、相手の感情は高まり、あなたのことを好きになってくれる。

次に、「本来、誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと熱望している」ということ。そして最後に「人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになる」ということだ。

話し方は「聞き方が9割」
franz12/gettyimages

話し方において一番大切なことは、「聞くこと」である。前の項で紹介した通り、人は誰しも自分に関心を持ってほしい、他人に認めてほしいと感じている。そんな相手の自己重要感を高めるために最も有効なのが、「聞き方」をマスターすることだ。

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要約公開日 2020.03.19
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