管理しない会社がうまくいくワケ
自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇

未 読
管理しない会社がうまくいくワケ
ジャンル
著者
中西真雄美(訳) アービンジャー・インスティチュート
出版社
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2017年09月05日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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自分の小さな「箱」から脱出する方法 ビジネス篇
著者
中西真雄美(訳) アービンジャー・インスティチュート
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出版社
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2017年09月05日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
3.0
応用性
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レビュー

個人がそれぞれのニーズやチャンスなどを追求しすぎた結果、組織全体の成功につながらず行き詰まるというのは、誰もが経験したことがあるだろう。

本書はこういった現象を回避するために必要な考え方「外向き思考(アウトワード・マインドセット)」について述べたものだ。この考え方がどういったものなのか、身につけた時にどういったメリットがあるかが紹介されると同時に、どうしたら「外向き思考」を実践できるかも丁寧に書かれている。特に強調したいのが、実践するために必要なことが、ステップバイステップで説明されている点だ。個人における実践だけでなく、組織で「外向き思考」の文化をつくっていく方法についても言及されているのがありがたい。

本書を著したのは、数々の有名大企業や政府機関などに対して、コンサルティングやコーチング、トレーニングを行なっているアービンジャー・インスティチュートだ。その膨大な知見を生かし、随所に多くの実話が紹介されているので、読んでいて非常に納得感のある内容となっている。

名著『自分の小さな「箱」から脱出する方法』の第2弾に当たる本書だが、本書だけ読んでも十分に理解できる。前著と比べると、実在する個人や企業が例として数多く扱われているので、より実務面を想定しやすいという向きもあるだろう。自分と組織を変えたいなら、読むべきはこの本である。

河合美緒

著者

アービンジャー・インスティチュート (The Arbinger Institute)
アービンジャー・インスティチュートは、トレーニング、コンサルティング、コーチングといったサービスを提供するとともに、個人および組織のマインドセットに変化を起こし、イノベーションを推し進め、対立を解決し、継続的に成果を向上させるためのデジタルツールの提供も行なっている。
2000年に刊行された著書『Leadership and Self Deception』(『自分の小さな「箱」から脱出する方法』2006年、大和書房)の世界的なヒットによって、アービンジャーのアイデアは広まった。本書は現在30以上の言語に翻訳されている。
2016年には、本書『The Outward Mindset』を刊行し、個人、チーム、組織を内向き思考から外向き思考へと変化させるための方法を詳細に紹介している。
35年におよぶ実績により、アービンジャーはいまやマインドセットの変革、リーダーシップ、チームの育成、対立の解決、危機管理、企業文化の変革などの分野で世界をリードする組織として知られるようになり、クライアントは、個人から世界中の多くの大企業および政府機関まで多岐にわたっている。

本書の要点

  • 要点
    1
    行動ではなく、マインドセットに着目するべきだ。マインドセットが変わると自然と行動が変化する。しかも単に行動を変化させるよりも臨機応変だし、その変化は一時的なものではなくずっと続く。
  • 要点
    2
    「外向き思考」は「集団的成果が向上するかどうか」を判断基準とする思考だ。外向き思考になればなるほど、組織の価値は向上する。
  • 要点
    3
    外向き思考を身につけるうえでは、「自分が関わっているかぎり、問題は自分にある」ということを忘れないことが非常に重要である。

要約

マインドセットが重要

問題は「人材」ではなく「リーダー」にある

優秀なリーダーに必要な要素、それは謙虚さだ。成功を収めるリーダーは、自らの利益を超えて、部下や従業員の能力や手腕を見抜く。企業が業績をあげるための条件は、「自分の利を超えて他者のことを考えられる」謙虚なリーダーがいることなのである。

「自分から動く部下」は、強権的なリーダーによる管理型マネジメントでは決して生まれない。リーダーがよくやる失敗は、ビジョンを示さずに、具体的な指示に終始してしまうことだ。たしかにいまできることを指示することも大切だが、優秀なリーダーの部下は指示されたことを実行するだけでなく、主体的に動き出すようになる。

行動そのものではなく、マインドセットを変える
taa22/gettyimages

自己啓発本や組織改革の本の多くは、成功者をロールモデルとして、「行動を変える」ように謳っているものが多い。これは「結果は行動で決まる」というシンプルな考え方に基づいている。この考え方はもっともに聞こえるが、「行動にのみ」焦点をあてると、実は問題が起きる。上司がパフォーマンスを上げるための行動を具体的に指示すると、多くの場合、部下はそれに反発を感じてしまう。また一時的に上手くいったとしても、その上司がいなくなった途端、元に戻ってしまうのがオチだ。

一方でマインドセットを変えると、自然に行動も変わってくる。ここでいうマインドセットとは、「物事をどう見ているか、人や環境、直面している問題、チャンス、責任といったものをどう捉えているか」を意味している。これが変化することによって、それぞれがその場に必要な行動を自分で考え、実行するようになる。

考え方が変化するからこそ、行動は変化する。1つ1つ指示されたタスクをこなすのではなく、自分からやるべきことを探し始める。しかもそれは、一時的なものではなく、継続的な変化だ。

外向き思考はすべてを向上させる

内向き思考と外向き思考

マインドセットには、内向き思考と外向き思考の2つのタイプがある。

内向き思考とは、「自分のためになるかどうか」を判断基準とする思考であり、外向き思考とは「集団的成果が向上するかどうか」を判断基準とする思考だ。組織において、全員がそれぞれのニーズやチャンスを追い求めると、チームや事業全体の成功が達成できなくなる。つまり内向き思考でいると、組織やそこに属する人が行き詰まってしまう。一方で、外向き思考になればなるほど、組織が提供する価値は向上する。

外向き思考で成功した例
nortonrsx/gettyimages

本書では「1億ドルのコスト削減」をする必要がある会社と、その経営幹部についての例があげられている。当初、幹部たちは自分の担当部門を残すことを考え、コスト削減の負担は他の部門に負ってほしいと考えていた。まさに内向きの思考である。そうして、「(自分の部門以外での)大量の一時解雇」以外に、コスト削減の手段はないと捉えていた。

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