他人とうまくやっていく

未読
他人とうまくやっていく
出版社
サンマーク出版

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出版日
2020年04月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

コミュニケーション能力が抜群に高い、カリスマ性のある人を見て羨ましく思ったことはないだろうか。初めて会った人とでもすぐに打ち解け、人々の心を動かし、行動を変える。その能力はビジネスシーンでもプライベートでも抜群の効果を発揮する。多くの人は、そんなカリスマを天性の才能だと思っていることだろう。

しかし、あのベストセラー『話を聞かない男、地図が読めない女』を生み出したピーズ夫妻によれば、カリスマとは後天的な才能なのだという。だとすれば、正しい知識さえ身につければ、私たちは人を動かす力を高めることができるということになる。

本書では、人間の本質にもとづいて、人の心をとらえコミュニケーションを円滑にするための28のルールが紹介されている。アメリカ文化を下敷きにしているため、日本の読者が実行する際にはアレンジが必要となる部分はあるものの、実践的で明快なテクニックの中には、すぐにでも行動に移せるものが多数含まれている。

著者のつきつける人間の本質を受け入れがたく感じる人もいるかもしれない。それでも、ルールの背景にあるその本質を理解したうえで、自分のコミュニケーションのあり方を見直すことができれば、相手からポジティブな反応を引き出せるようになるはず。日常会話からビジネス会話まで、自分のコミュニケーション能力を磨きたいと思っている方にとって、ヒントになる情報が満載だ。

ライター画像
池田友美

著者

アラン・ピーズ
アラン・ピーズはボディ・ランゲージの世界的権威。妻バーバラとの共著『話を聞かない男、地図が読めない女』(主婦の友社)は、55の言語に翻訳される大ベストセラーに。ヒューマン・コミュニケーションをテーマに世界各地で講演を行っているアランは、妻バーバラとともに『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』(サンマーク出版)など18冊のベストセラーを生み出しており、その著書の累計は3000万部を超える。また、自身が出演するテレビシリーズは1億人を超える視聴者から愛されている。

バーバラ・ピーズ
バーバラ・ピーズは、ピーズ・トレーニング・インターナショナルのCEOとして、各種ビデオの制作やトレーニング講座の運営、世界各国の企業・政府向けセミナーの開催などを手がけている。夫アランとの共著『Why Men Don’t Have a Clue and Women Always Need More Shoes(未邦訳)』は世界的ベストセラーに。夫妻は毎月、人間関係にまつわるコラムを共同で執筆しており、2000万人を超える愛読者を獲得している。

本書の要点

  • 要点
    1
    コミュニケーション能力をみがくためには、人間の3つの本質を理解し、それを受け入れることから始めなければならない。
  • 要点
    2
    人が抱くもっとも大きな衝動は、自分が重要だと思いたいということだ。相手に自分が重要な人間だと思わせられる人は、相手からポジティブな反応を引き出すことができる。
  • 要点
    3
    私たちは、これまでの人生で他人から「できない」という条件つけをされていることが多い。古い条件づけを追い出し、自分の「できる」習慣を身につけよう。

要約

【必読ポイント!】 人間の3つの本質

自分は重要な存在だと思いたい
Wavebreakmedia/gettyimages

コミュニケーション能力は先天的なものだと思われるかもしれないが、人間の本質を知り、テクニックを学ぶことで、誰でも後天的に他人と打ち解ける能力を高められる。そのためには、まずは人間の本質について知らなければならない。著者によれば、人間は誰しも3つの衝動を抱えており、それに突き動かされているのだという。

まず知るべき人間の本質とは、「自分は重要な人間だ」と思いたいということだ。認められ、感謝されたいというこの欲求は、絶えず湧き上がるもっとも強い衝動である。空腹のように満たされることがないので、生理的な欲求をも上回ると言われている。裏を返せば、相手に「自分は重要な人間なのだ」と思わせられれば、相手からポジティブな反応を引き出すことができるということである。

興味の対象は「自分自身」

2つめの本質とは、興味の対象は何よりも「自分自身」だということだ。相手が関心をもっているのは、あなたではなく相手自身と相手の利益になることである。つまり、対話のなかで優先すべきことは、相手について話すことだ。向こうに聞かれない限り、あなた自身について話すことは避けた方がよいだろう。相手があなたについて聞いてこないということは、あなたに関する事柄に興味はないということなのだから。

この本質について知ると、見返りを求めずに相手に尽くすことを美徳と考える人は失望するかもしれない。しかし、無私無欲に見える人であっても、すべての行動の根幹には自分の利益があるものだ。見返りなく匿名で利他的な寄付をしたとしても、それを行うことによって本人が満足感を得ているのであれば、やはり自分に利益が回ってきたということになる。

だから、自分の利益を優先せずに行動することを他人に求めるのは、不合理である。他人と関わりながら何かを成し遂げようとするならば、人は誰でも自分自身の利益を最優先するものだと理解しなければならない。

返報性の法則

3つめの本質は、何かをもらったら同等のものを返したいという「返報性の法則」だ。こちらが年賀状を出していない相手から年賀状を受け取ったら、すぐに返事を出したくなる。こちらが力を貸してあげたときには、たいていの相手はお返しの機会をうかがう。こちらが称賛の言葉を贈れば、相手もほめ言葉を返そうとする。反対に、こちらがよそよそしい態度をとれば、相手も愛想の悪い態度をとるだろうし、相手が侮辱されたと感じたら、「いつか仕返しをしてやろう」と思ってもおかしくない。

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要約公開日 2020.06.23
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