一億三千万人のための『論語』教室

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一億三千万人のための『論語』教室
出版社
河出書房新社

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定価
1,320円(税込)
出版日
2019年10月30日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

『論語』と聞けば、「有名な経営者が絶賛していたので一度は読んでみたいけど、なんだか難しそう」と思ってしまう人も多いのではないだろうか。

そんな方におすすめなのがこの本だ。作家である高橋源一郎氏が、尋常ならざる深読みをした『論語』の現代語訳版である。作家だからこそ書ける、孔子その人が目の前で語りかけているかのような文章に、ぐいぐいと引き込まれる。

『論語』は、孔子が主宰していた私塾での講義で語られていたものを中心に、その言葉をまとめたもので、全20篇からなる。2500年以上前に書かれた漢文であるため、翻訳する人によって内容が大きく変わる。本書は、いわゆる超訳でも、著者の創作でもない。これ以上はない、厳密な翻訳版であるのだ。なにせ、著者は一旦『論語』を読み始めたらその沼にはまってしまい、20年もかけて孔子という「センセイ」と語らってきたのだから。

今も色あせることない孔子の哲学は、ますます先の見えないこの時代を生き抜く上での指針になるのではないだろうか。家で引きこもるくらいであれば、ぜひ一度は目を通しておきたい一冊である。

また、『論語』を既に読んだことがあるという人も、著者の類いまれなる深読みと筆致によって、今までとは違った視点で『論語』と向き合うことができるに違いない。

就職相談、リーダーとしてのあるべき姿、人生の教訓、心がけておきたい生き方など、どのような背景の人が読んでも、心にしみる文章がきっと見つけられるだろう。

ライター画像
木下隆志

著者

高橋源一郎(たかはし げんいちろう)
1951年生まれ。81年、『さようなら、ギャングたち』で群像新人賞長編小説賞を受賞しデビュー。2002年『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、2012年『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎潤一郎賞を受賞。新書の著書に『一億三千万人のための小説教室』(岩波新書)、『ぼくらの民主主義なんだぜ』(朝日新書)、『ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた』(集英社新書)他多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    「礼」の本質とは、知らない人でも「その人がそこにいる、そのことだけで、リスペクトできる」と考えることにある。
  • 要点
    2
    親孝行で兄弟思いの人は、社会に出てからも目上の者に反抗することはない。まずは、親や兄弟を大切にする。
  • 要点
    3
    大切なことは、まずは、なんでもやってみることである。考えるのはあとでいい。まちがってもいい。
  • 要点
    4
    仁者とは、次の5つを実現した人のことである。すなわち、何事もおろそかにせず、寛容で、他人から信頼され、ときには直感で動き、ケチケチせずに人に恵むことである。

要約

最高の道徳「仁」

再頻出・最重要単語「仁」

『論語』の冒頭に登場する有名なフレーズとして、「子曰く、巧言令色には、鮮いかな仁」がある。これは、次のようなことを意味している。猫なで声で話す人とヘラヘラ笑っている人にだけは気をつけなさい。なぜなら、そのような人は「仁」を持ち合わせておらず、大体バカであるからだ。

『論語』において、「仁」は最重要かつ再頻出単語である。しかし、この「仁」という単語が論語の中で一意に定義されることはない。「仁」とは最高の道徳で、つまり人間主義、人間第一ということを表わしているのはわかるのだが、その先が掴めない。「仁」とは、人間についてさまざまな側面に触れている『論語』を読み込んでいくことで、初めてわかってくるものなのだ。

弟子たちも尋ねた「仁」
GCShutter/gettyimages

「仁」が何であるかは、孔子の弟子たちもさかんに質問をしている。弟子の顔淵に対して孔子は、「己れに克ち、礼に復えるを仁と為す。 一日、己れに克ちて礼に復えらば、天下仁に帰せん」 と答えている。この文章は、個人的な思いや感情、欲望という私心に打ち勝ち、普遍的な「礼」の精神で生きることを意味している。それこそが「仁」であるとする。そして、リーダーが私心を捨て去ることができれば、そのグループメンバーたちも同様に、他人を思いやることができるようになる。「仁」とはその人自身の心がけの問題であって、相手との関係の中でどうこうするものではないのだ。

この答えに対して顔淵がさらに具体性を求めると、孔子は次のように答えた。世の中には正しくない、くだらない、愚かな、最低なもの、つまり「非礼」が存在する。「礼」とは「非礼」なことを見ない、聴かない、言わないことなのだ、と。

そして弟子の仲弓に対しては「仁」について、「門を出でては大賓を見るが如く、民を使うには大祭を承くるが如くす」と例を挙げている。家から外に出てどんな人に会うときも、常に大事なお客を迎えたときのように深い敬愛の気持ちで相対する。人を使う立場になっても、傲慢な態度でなく、大きな祭祀を取り扱うようにうやうやしい態度で接する。

「己れの欲せざる所は、人に施すことなかれ」、つまり相手の気持ちになって、自分がその立場だったらイヤだと思うようなことはしない、ということだ。

また弟子の樊遅に対しては、「仁」とは人を愛することだ、とシンプルに答えている。

仁者になるための5つのこと
AntonioGuillem/gettyimages

弟子の中には「どうすれば『仁』を実現できたことになるのか」と尋ねた者もいる。それに対して孔子は、「次の5つのことが実現できれば、『仁者』といえる」と答えている。

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