リモートワークの達人

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おすすめポイント

新型コロナウイルスの影響でリモートワークになった人は多いのではないだろうか。突然の働き方の変化に戸惑っている人もいれば、「どうやってリモートワーク体制をうまく回そうか」と悩んでいる経営者もいるだろう。本書はそんな、リモートワークという働き方に課題を抱えている人におすすめの一冊だ。

本書の著者は、IT業界で非常に有名なプロジェクト管理ツール「ベースキャンプ」を運営している企業の創業者と共同経営者だ。同社は、1999年の創業以来20年にわたってリモートワークで経営されてきた。そしてベースキャンプは、世界中に数百万人ものユーザーがおり、業績は好調だ。

本書には、リモートワークで大きな成果を上げてきた経営者だからこそ語れるリモートワークのヒントが詰まっている。リモートワークのメリットはもちろん、リモートワークの落とし穴や、さらにはリモートワークを円滑に行うための人材採用術にまで言及している。リモートワークだとテキストでのやり取りがメインとなるため、ちょっとした言葉のあやで空気が悪くなりかねない。そのため、人柄に注目して社員を採用すべきだというアドバイスは、リアリティに溢れていた。

リモートワークは今後、日本でも浸透する可能性が高い。実践的なノウハウが詰まった本書を読んで、来るリモートワークの流れに乗ろう。

著者

ジェイソン・フリード(Jason Fried)
世界適に著名なソフトウェア開発会社「ベースキャンプ」(2014年に「37シグナルズ」から社名変更)の創業者・CEO。同社は1999年の創業以来20年にわたりリモートワークで業績を上げ続け、プロジェクト管理ツール「ベースキャンプ」は世界中で数百万のユーザーに愛用されている。ハンソンとの共著に本書のほか、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーとなり日本でもITエンジニア大賞(ビジネス部門)を受賞した『小さなチーム、大きな仕事』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)、『NO HARD WORK!』(早川書房)、Getting Realがある。

デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン(David Heinemeier Hansson)
ベースキャンプ共同経営者。オープンソースのウェブ開発フレームワーク「Ruby on Rails」の開発者。Ruby on RailsはTwitter、クックパッド、Hulu、Airbnbなど100万を超えるウェブ・アプリケーションに使用されている。

本書の要点

  • 要点
    1
    クリエイティブな仕事に集中したい人にとって、昼間の会社は最悪だ。会社は邪魔に満ちている。
  • 要点
    2
    リモートワークに対する誤解に、相手の作業内容が見えないというものがある。しかし現在、離れた場所にいる人どうしのコラボレーションを助けてくれるツールは多数ある。慣れると同じ部屋にいる感覚で作業ができる。
  • 要点
    3
    リモートワークでは良質なコミュニケーションが不可欠だ。トラブルを防ぐには、前向きな人や、人の気持ちを思いやり、雰囲気を盛り上げてくれるタイプの人が必要だ。

要約

リモートワークをすすめる理由

なぜ会社にいると仕事ができないのか
fizkes/gettyimages

本当に集中したい場合、あなたはどこへ行くだろうか? 「会社」と答える人はほとんどいないだろう。会社だとしても朝早くの誰もいないうちか、みんな帰った夜中、あるいは週末を選ぶはずだ。仕事をしたい人にとって、昼間の会社は最悪だ。

昼間の会社はまるでフードプロセッサのような場所だ。同僚に話しかけられたり、どうでもいいミーティングに呼ばれたりして、まとまった時間が取れなくなってしまう。クリエイティブな仕事にはまとまった時間が必須なのに、会社ではそれが不可能だ。

そこでリモートワークの出番である。会社の外にいれば、誰にも邪魔されることなく仕事に集中でき、生産性は格段に向上する。

もちろん家で仕事をするにしても、テレビの誘惑がある。カフェで仕事をするなら、隣の会話が気になって集中できないかもしれない。しかし、そうした要因は、避けようと思えば避けられるものばかりだ。隣の会話がうるさいならヘッドフォンで音楽を聴けばいい。

通勤は人生の無駄づかい

通勤時間は、誰にとっても苦痛なものだ。朝は早く起きなければならないし、帰ってくるのは遅くなる。平日の時間は通勤時間に圧迫され、こまごまとした仕事を片づけていたら、週末の半分は終わってしまう。朝の渋滞はイライラを引き起こすし、混みあった電車やバスに乗るのは最悪だ。

通勤が体に悪いことは、科学的にも明らかになっている。通勤時間の長い人は太りやすく、ストレスが多く、ゆううつな気分になりやすい。さらには肥満やストレス、不眠や肩こり、高血圧などストレス性の病気も引き起こす。心臓発作やうつ病のリスクが高まり、離婚率が上がることも判明している。

通勤時間はまた、ビジネスにもネガティブな影響をもたらす。片道45分かけて通勤している人の場合、1日に1時間半、1週間で7時間半もの時間が通勤に費やされている。1年で300時間から400時間が通勤のために消えるのだ。

著者が自社の主力製品「ベースキャンプ」の制作にかかった時間は、400時間だ。400時間が自由に使えれば、かなりのことができるだろう。

9時5時からの解放

リモートワークでは、働く場所が自由になるだけでなく、働く時間も選べる。

たとえばベースキャンプでは、平均労働時間を週に40時間とし、その時間配分は個々人に委ねている。

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要約公開日 2020.08.04
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