ファンをはぐくみ事業を成長させる

「コミュニティ」づくりの教科書

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「コミュニティ」づくりの教科書
出版社
ダイヤモンド社

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出版日
2020年06月17日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

近年、「コミュニティ」に注目が集まっている。とりわけ企業主導の「ビジネスコミュニティ」は耳にする機会が増えてきた。嗜好が多様化している消費者の声を直接聞くことができるという点で、コミュニティは貴重な場だ。しかし、いざその運営を任されたとしたら、途方に暮れてしまうかもしれない。コミュニティ事業は短期で売上に直結するものではなく、社内で肩身が狭い思いをすることも多い。

本書は、コミュニティ運営のスペシャリストと呼ぶべき著者らのノウハウがぎっしり詰まった、コミュニティ運営に関わる人にとっての必読書だ。コミュニティの立ち上げから、運営、集客、イベント当日の動きや社内での調整に至るまで、具体的なステップに沿って要点が解説されている。本書が扱っているのはビジネスコミュニティが中心ではあるが、掲載されているノウハウは地域のイベント、自治会、オンラインサロンなどの運営にも応用可能だ。さらに、新型コロナウイルスの流行で急増しているオンラインイベントの運営についても具体的かつ詳細に言及されており、オンライン対応に悩む人にとっても大きな助けになるだろう。まさにコミュニティ運営の「教科書」にふさわしい内容だと言えるだろう。

感染症蔓延により人と人との物理的なつながりが持ちづらくなっている。しかし、そんな時世だからこそ、人が集まり助け合うコミュニティの重要性は、より一層増していくだろう。今だからこそ必要なコミュニティづくりに、本書をぜひお役立ていただきたい。

ライター画像
小林悠樹

著者

河原あず(かわはら あず)
Potageコミュニティ・アクセラレーター。富士通を経て、2008年からニフティが運営する(当時)イベントハウス型飲食店「東京カルチャーカルチャー」イベントコーディネーター就任。年間200本以上のイベント運営に携わる。2013〜2016年、サンフランシスコに駐在。帰国後、伊藤園、コクヨ、オムロンヘルスケア、サントリー、東急などと数多くのビジネスコミュニティをプロデュース。2020年春に独立し、ギルド制のチーム「Potage」を立ち上げ、コミュニティ・アクセラレーターとしてイベント企画、企業のコミュニケーションデザインなどを手掛ける。

藤田祐司(ふじた ゆうじ)
Peatix Japan株式会社共同創業者 取締役・CMO(最高マーケティング責任者)。慶應義塾大学卒業後、インテリジェンス(現パーソルキャリア)で営業を担当後、2003年アマゾンジャパン(現アマゾンジャパン合同会社)に入社。最年少マネージャー(当時)としてマーケットプレイス事業の営業統括を経て、Peatixの前身となるOrinocoを創業。国内コミュニティマネージャーチームを統括した後、営業、マーケティング統括を兼務。
2019年CMOに就任し、グローバルを含めたPeatix全体のコミュニティマネジメント、ビジネスデベロップメント、マーケティングを統括する。

本書の要点

  • 要点
    1
    コミュニティづくりは、「方向性を決める」「具体的な企画を立て、計画に落とし込む」「参加者を集める」の3ステップで進めよう。
  • 要点
    2
    イベントの企画も3ステップで進められる。まずはイベントの「トーン」を決め、次にアイデアを広げながら内容を詰め、最後に集客の施策を打とう。
  • 要点
    3
    コミュニティの効果を数値で測ることは難しい。KPI(重要業績評価指標)をうまく定めて、社内でのコミュニティ事業に対する評価を高め、仲間を増やそう。

要約

コミュニティを立ち上げる

コミュニティのつくりかた

著者らが考えるコミュニティの定義とは、「参加者が目的意識を持って能動的に関わっている」「参加者同士が相互にコミュニケーションできる」という2つの要素が備わった人の集まりだ。お客さんが受動的に観るだけのアーティストのライブやスポーツ観戦、講師が一方的に話すだけのセミナーはコミュニティとは言えない。本書では、参加者一人ひとりが主体的に動き、それぞれが目的を持ってつくる「場」をコミュニティと呼んでいる。特に取りあげるのは、企業が経済活動を活性化する目的でつくる「ビジネスコミュニティ」だ。本要約で単に「コミュニティ」と書いている場合は、ビジネスコミュニティのことを指している。

参加者との交流を通じて、自社の製品やサービスへの愛着を育み、魅力を高める。そんなコミュニティづくりのための、3ステップをご紹介しよう。

コミュニティづくりの3ステップ
gremlin/gettyimages

第1ステップは「方向性を決める」だ。コミュニティづくりは、「何のためにコミュニティを運営するのか」を決めることから始まる。具体的に自社の課題に関連した目的を端的な言葉で表現し、それをコミュニティの「ビジョン」とする。医療器具メーカーの消費者向けコミュニティであれば「自社の信頼感を武器に、楽しく健康的な体づくりのできるコミュニティをつくろう」といった具合だ。

ビジョンが明確になったら、「具体的な企画を立て、計画に落とし込む」という次のステップに移ろう。まずは「誰に向けた企画か」ということを考え、ターゲットが決まったら、コミュニティの構成要素である「イベント」と「コンテンツ」の実践に入る。

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要約公開日 2020.10.04
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