仮想空間シフト

未 読
仮想空間シフト
ジャンル
著者
尾原和啓 山口周
出版社
エムディエヌコーポレーション 出版社ページへ
定価
980円(税込)
出版日
2020年08月11日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
3.5
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仮想空間シフト
仮想空間シフト
著者
尾原和啓 山口周
未 読
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出版社
エムディエヌコーポレーション 出版社ページへ
定価
980円(税込)
出版日
2020年08月11日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、物理空間から仮想空間へのシフトが顕在化しつつある。

本書は尾原和啓・山口周両氏が、わたしたちの働き方や社会はどう変わるのかを論じたもので、この対談も終始オンラインで行われたという。

著者たちのいう仮想空間へのシフトは2020年3月以降、東京などの都市圏における在宅ワークの導入というかたちで始まった。ミレニアル以下の世代にとってはすでに親しいものであった仮想空間が、その上の世代にまで広まったのだ。とはいえ、これはいずれそうなるはずだった未来の姿が、少し早く立ち現れたにすぎないという。「リアルファースト」から「仮想空間ファースト」への価値観のシフトは遅かれ早かれ不可避であった、というのが両氏の見方だ。

たしかに今はまだ、「仕事のやり方が変わった」という段階に過ぎないかもしれない。しかし今後、仕事→暮らし→社会→人生→国家(行政)という具合に、仮想空間シフトの波紋が広がっていくことが期待される。これまで掛け声倒れに終わっていた「働き方改革」も、大きく後押しされるだろう。

いずれは30年来の懸案であった「東京一極集中」が解消に向かい、インターネットという「知の高速道路」に乗り、より高度な教育が安価かつ世界中で受けられる未来が、著者たちの予想通りにやってくるかもしれない。そのとき、わたしたちのアイデンティティや自由という概念はどう変わるのか。

本書は、明るい未来に舵を切るための啓蒙の書だ。新しい社会の到来が待ち遠しいという方にこそ、ぜひお読みいただければと願う。

ライター画像
しいたに

著者

尾原和啓(おばらかずひろ)
1970年生まれ。フューチャリスト。京都大学大学院工学研究科応用人工知能論講座修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、グーグル、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業に従事。経済産業省対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザーなどを歴任。著書に『アフターデジタル』(日経BP)、『ネットビジネス進化論』(NHK出版)、『モチベーション革命』(幻冬舎)、『どこでも誰とでも働ける』(ダイヤモンド社)など。

山口周(やまぐちしゅう)
1970年東京生まれ。独立研究者、著作家、パブリックスピーカー。慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ、コーン・フェリー等で企業戦略策定、文化政策立案、組織開発等に従事した後に独立。現在は「人文科学と経営科学の交差点で知的成果を生み出す」というテーマで活動を行う。株式会社ライプニッツ代表、一橋大学大学院経営管理研究科非常勤講師、世界経済フォーラムGlobal Future Councilメンバーなどの他、複数企業の社外取締役、戦略・組織アドバイザーを務める。著書に『ニュータイプの時代』(ダイヤモンド社)、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 』(光文社)、『武器になる哲学』(KADOKAWA)など。

本書の要点

  • 要点
    1
    仕事のベースがオフライン(リアル)からオンライン(仮想)に移ると生産性が上がることに、多くの人が気づいた。
  • 要点
    2
    私たちの社会は、仕事に意味合いや目的を求めるデジタルネイティブ世代の価値観に近づきつつある。
  • 要点
    3
    働く個人としての観点だと、どのような仕事をして、どのようなバランスで収入を得るかという仕事上のポートフォリオが非常に重要になる。
  • 要点
    4
    仮想空間シフトがもたらす明るい未来に舵を切るためには、いま主流となっている考えや価値観を入れ替えなければならない。

要約

【必読ポイント!】 働き方の変化が始まる

物理空間から仮想空間へのシフト

東京でオンラインによる在宅ワークを導入している企業は、2019年の段階では2割に満たなかった。しかし現在(2020年6月執筆当時)は、6割ほどまでに増加している。まさに新型コロナによる強制進化によって、オンラインとオフラインの主従関係が逆転したかたちだ。

その結果、多くの人が仮想空間(在宅やサテライト)でも仕事はできると気づいた。実際、日本生産性本部が20歳以上の雇用者約1100人を対象に調査をしたところ、全体の6割程度の人が「新型コロナ収束後も、このまま在宅ワークを続けたい」と答えている。

わたしたちの仕事と生活の空間は、リアルな物理空間から仮想空間へと着実にシフトしつつある。

1時間という単位からの解放
gremlin/gettyimages

物理空間上での仕事は、参加者全員が同じ時間かつ同じ場所に集まることを前提にしている。打ち合わせはその代表例だ。その結果、集まる時間を調整したり、移動の時間を確保したりする必要が生じてしまい、1時間という時間の単位が社会を同期させるためのリズムになっている。

仮想空間は、この1時間という単位から私たちを解放してくれる。これからは打ち合わせの中身も、事前にチャットなどで意見交換をして、どうしても必要なことだけ仮想空間上で会議すればいい。いきなり本質的な話に入る「ホットスタート」を切ることができるだろう。また、有益な意見を出さない「ただ参加しているだけ」のような人がいなくなるので、どんどん話し合って物事を決めていけるようになるはずだ。

このように、仮想空間へのシフトは、仕事の生産性をはるかに上げてくれる。

課題はこれから顕在化してくる

仮想空間では、雰囲気や細かなニュアンスなど、どうしても伝わりきらない部分も出てくる。そのような状況で的確に意思決定を行うためには、ベースとなる人間関係が重要になる。

現在、仮想空間でうまくいっているケースも、これまでの人間関係の蓄積があったうえで、物理的な制限がなくなったぶん効率的になっただけなのかもしれない。言ってしまえば、今までの物理空間で築き上げてきた「貯金」で食いつないでいるだけの可能性がある。

したがって、この「空気が読みにくい」というコミュニケーション上の問題が顕在化してくるとしたら、徐々に人間関係が希薄になっていく来期以降だ。オンラインによる仕事を定着させるためには、しばらく注意が必要だろう。

来るべき仕事

デジタルネイティブの価値観
GeorgeRudy/gettyimages

急速な仮想空間へのシフトは、社会の仕組みがミレニアル世代(1981年生まれ~)やZ世代(1996年生まれ~)のようなデジタルネイティブの価値観に近づいたことを意味している。

こうした世代の若者について、「草食化している」とか「ハングリーさが足りない」などと上の世代の人は評価しがちだ。

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