Your Life as Art

自分の人生を創り出すレッスン
未読
Your Life as Art
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自分の人生を創り出すレッスン
未読
Your Life as Art
出版社
出版日
2020年07月21日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

どんなに努力しても、かならず成功できるとは限らない。うまくいきかけていても、思いもよらない事態に見舞われて成功を逃してしまうなんて、誰でも経験することだ。人間は一人で生きているわけではないので、自分だけの意志や行動で、人生が思い通りにいくわけではないのである。しかし、それでも人生の成功を掴んでいる人は、運だけではなく、何か別の要因も味方にしているのではないだろうか。

人生がうまくいくときとうまくいかないときには、それぞれ固有のパターンがある。本書は、どうすれば成功を逃すパターンから成功を掴むパターンへと変えられるかを、わかりやすく説明している。「自分の人生をアートとして創造することで、成功に向けて前進できる」と言われても、雲をつかむような話に聞こえるかもしれない。だが映像作家でもある本書の著者は、特別な才能に恵まれていなくても、誰もが自分の人生をアートにできると断言する。

アートとしての人生を創造するとはすなわち、置かれた状況に合わせて生きるのではなく、自身が望むような生き方を実現するということだ。なぜそれができる人と、いつも失敗してしまう人がいるのか。本書を読めば、それが構造的に理解できるようになるし、自分自身の人生において、どのように実践すればいいのかも明らかになるはずである。

ライター画像
大賀祐樹

著者

ロバート・フリッツ (Robert Fritz)
ロバート・フリッツ・インク社の創立者。ロバート・フリッツは、30年以上にわたる研究を通じて構造力学を発展させてきた。創り出すプロセスの領域から始まった取り組みは、やがて組織、ビジネス、マネジメントの領域へと広がった。ピーター・センゲ、チャーリー・キーファー、デイヴィッド・ピーター・ストローとともに、イノベーション・アソシエイツ社の共同創立者でもある。1970年代半ばに創り出すプロセスを個人の生産性向上のために役立てるトレーニングコースを開始。これまでにフリッツのコースを受講した人は、世界中で8万人を超えている。構造がいかに人間の行動に影響を及ぼすのかについて記した最初の著書「The Path of Least Resistance」(未邦訳)は世界的ベストセラーとなった。邦訳書には『偉大な組織の最小抵抗経路 リーダーのための組織デザイン法則』、ウェイン・S・アンダーセンとの共著『自意識(アイデンティティ)と創り出す思考』(ともに(Evolving)、ブルース・ボダケンとの共著『最強リーダーシップの法則―正確に原因を知れば、組織は強くなる』(徳間書店)がある。コンサルタントとしても多くの組織が構造思考を実践できるように支援しており、顧客企業はフォーチュン500企業から多数の中規模企業、政府団体や非営利組織にまで及ぶ。フリッツは映像作家でもある。監督として、また脚本家として、映画やドキュメンタリー、ショートドラマを製作しており、その映像作品は世界各地の映画祭でこれまでに90以上の賞を受けている。

本書の要点

  • 要点
    1
    自分の人生をアートとして創り出せるようになれば、「こんな人生にしたい」と思うことを実行し、そのとおりに生きられるようになる。
  • 要点
    2
    人生の創造プロセスが成功するために最も重要なのは、成功が持続する構造である。それは「創り出したい成果」と「いまの現実」の差が生み出す緊張によって成立する。緊張は必ず解消に向かう。その緊張が解消に向かうパワーが人生を前進させるのである。
  • 要点
    3
    「成功にふさわしくない」「成功すると何かよくないことが起こるかもしれない」といった観念は、揺り戻しパターンの原因となり、成功を失敗へと変えてしまう。観念や信念を捨て、やりたいことと現実の間で緊張状態をつくることで、成功に向けた前進ができるようになる。

要約

人生をアートとして創り出すために

アーティストのように人生を創り出す

自分の人生をアートとして見れば、アーティストがアートを創り出すように、自分の人生を創り出せるようになる。人生を構築するプロセスに対してもっと主体的に関われるようになり、人生経験の質も向上し、世界は一変する。「こんな人生にしたい」と思うことを、画家が絵画を描き出すように生み出して実行し、実際に生きることは可能なのだ。

人生が作品であるなら、あなた自身がその作者になれる。ところが残念なことに、私たちがアート作品の創造プロセスの基礎を学ぶことは少ない。そのすぐれたやり方をマスターし、人生を構築する基本習慣にするための方法を学ぶことが、本書のテーマである。

創造プロセスに必要なもの
ArtistGNDphotography/gettyimages

人生をアートとして創り出すために、あなたの道具箱に入れておくべき原理原則、実践方法がある。それは、創造プロセスの「手順」、クリエイターの「姿勢」、人生創造のディレクションに火を灯す「精神」だ。これらは創造プロセスにおいて、切り離すことができないものである。

創造プロセスの手順は、デザインと実行のふたつから成る。設計図なしに家を建てるのは難しい。長期的な目標のためには、とりわけ実行しやすい戦略が重要になる。簡単なステップからはじめ、次第に複雑で困難なことに進むとよい。

また、行動することではじめて現実がわかるし、間違いがあれば訂正できるので、行動することも重要だ。私たちは「状況にうまく対応するのが大事だ」と教えられているが、状況は出発点に過ぎない。本当に大切な姿勢は、自分がどんな人生を選択するかである。精神は、創造プロセスの最も深い源泉への扉を開くものである。人生をアートにしたいなら、自分自身の深いところにある生命力の源泉を無視してはならない。

緊張が前進を生み出す
Boonyachoat/gettyimages

創造プロセスで最も重要な力学のひとつが「緊張」である。これはストレスやプレッシャーのことではなく、ひとつの構造の中でふたつの要素が織りなすコントラストのことだ。緊張はかならず、ふたつの要素に差があって合致しない状態から、差が解消されて合致した状態へ向けた変化をもたらす。創造プロセスの初期段階では、創り出したい成果のビジョンと、その成果から見たいまの現実のあいだにコントラストが存在する。しかし創造プロセスの最後にはビジョンと現実が合致して、コントラストは消え、緊張が解消されることになる。アートにおいて、緊張は創作を前進させる最も強力なパワーであり、緊張が生み出されるとき、クリエイターは構造を創り出している。

人生をアートとして創り出すときに大切なことのひとつは、創造をサポートする構造を創り出すことだ。構造とは、複数の部分が相互に結びつき影響し合う単一の全体構造のことである。構造の中には、創造プロセスに向いたものもあれば、振り子が揺り戻すように元に戻ってしまうものもある。重要なのは、成功が逆戻りしない構造を打ち立てることだ。

人生をアートとして創り出すときの緊張は、構造的な緊張である。緊張構造を確立するために求められるのは、目標・成果・目的などのビジョンを定義して描くこと、いまの現実を観察して客観視することである。緊張構造を取り入れると、ちょうどいいチャンスが訪れたり、情報が飛び込んできたり、ぴったりな人物に出会ったりと、幸運な偶然が日常的に起きるようになる。

大切なのは、特別な出来事を美化することではない。平凡なことも幸運なことも同じように、すべてを自分の人生を創り出すために使うということだ。

緊張構造を生み出す

緊張構造を生むために必要なもの

インスピレーションが訪れるのは、わずかな瞬間だけだ。「創造プロセスはインスピレーションに頼るものではない」ということを、クリエイターはよく知っている。

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要約公開日 2020.12.12
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