仕事の価値を高める会議

オフサイトミーティング

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オフサイトミーティング
出版社
同文舘出版

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出版日
2020年06月11日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

生産性や効率化という言葉が一般的なものになって久しいが、会議の生産性を考えたとき、いったいどのような会議が生産的といえるのであろうか。著者のひとりである若山修氏は、本書の序文で会議の生産性についてこう述べる。「会議の生産性とはすなわち『本当は話したほうがいい重要なことを話せること』なのではないでしょうか」

一方、日常の会議において、気にかかっている仕事のことや会社の未来などという「そもそも論」に立ち返ることはほとんどないであろう。ともすれば、そもそも論を投げかけた社員は厄介者扱いされてしまう。そうした事態を避けながら、顧客にとって重要な「価値」をつくり出していくために必要なのが、本書で扱われる「オフサイトミーティング」だ。

1990年頃から企業風土改革に向けた数々の話し合いを実施してきた著者らが、その実践のなかで体系化してきた知識やスキルをまとめたのが本書である。本書には会議の具体的な進め方や実践例に加え、準備物のイメージや、コーディネーターが押さえておきたいコツなどが多数掲載されている。日常の報告中心の会議とは別に、本当に重要なことを話す機会を設けたい読者にとっては、まさに指南書といえる一冊である。これまでコーディネーター経験のある読者にも、またオンラインでの実施を検討している読者にも、新たな発見があるに違いない。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

株式会社スコラ・コンサルト
1990年代、創業者・柴田昌治が日本企業の文化的特性を踏まえた変革手法のひとつとしてオフサイトミーティングを導入。企業風土改革のパイオニアとして、30年にわたり開発メーカー、サービス業、IT業、商社、自治体など幅広い業種800社以上に関わってきた。現在は日本発の組織開発として「挑戦文化への転換」を掲げ、その考え方と方法論(=プロセスデザイン)を実践の中で磨いている。
先の見えない時代、複雑に揺れる現実の中で、多様なメンバーが知恵を出し、現状を打開しながら自分たちの意思で未来をつくる。そんな当事者とともに企業の変化対応力を高める支援をしている。

対話普及チーム
対話は人を元気にする。
これが私たちのたどり着いた真実のひとつです。
話をじっくり聴くことで、共感が生まれ、視野が広がる。あるがままに話せる心地よさ、違う意見がぶつかり、ときに混沌とし答えが出ない苦しみ、乗り越えたときに新たな発想が生まれた喜び。
スコラ・コンサルトの有志メンバーによる「対話普及チーム」は、日本の津々浦々でそんな対話が当たり前に仕事の一部になることをめざしています。
チームメンバー:神田卓、木原玲子、高木穣、刀祢館(とねだち)ひろみ、若山修

本書の要点

  • 要点
    1
    オフサイトミーティングとは、日頃の当たり前や立場を離れて考えることができる会議である。リラックスした雰囲気でありながら、自分が大切だと思うことを口にできる「気楽でまじめな話し合い」だ。
  • 要点
    2
    コーディネーターは、ミーティング当日までに「目的」「ゴールイメージ」「進め方」の3点を設計する必要がある。
  • 要点
    3
    もっとも基本的なオフサイトミーティングのひとつが、仲間の人となりを知るための「ジブンガタリ」だ。ひとり30分ずつ自己紹介をし、聞き手が質問する。

要約

オフサイトミーティングとは

日頃の当たり前や立場を離れて考える
AzmanL/gettyimages

オフサイトミーティングとは、「Site(場所)」を「Off(離れる)」という言葉通り、場所を変えて会議を行なうことをさす。著者らは「オフサイト」という言葉の解釈を広げ、「場所を変える」ことよりも、「日頃の当たり前や立場を離れて考えること」に重きを置いている。

オフサイトミーティングの第一のコンセプトは、「気楽でまじめな話し合い」ということだ。リラックスした雰囲気でありながら、普段話さないような言いにくい話やまじめな話などの「自分が大切だと思うことを口にできる場」をめざす。

もうひとつのコンセプトは、オフサイトミーティングは「道具」であり、「手段」であるということだ。組織やチームが実現したい成果によって、さまざまなシーンでの活用が可能である。

経営方針の背景情報、現場の最前線で働く人が感じとる感覚情報、ふだんは言いにくい問題意識……人の集まるところには、文字で文書に表しにくい「非データ系情報」があふれている。データ系情報をしっかり扱えば、組織の知的資産が豊かになる。

だからオフサイトミーティングでは、ライブ感を重要視し、あまり仕切りすぎないようにすることが重要だ。あらかじめ落としどころを決めず、その場で出てきた意見の積み重ねを大切にする。何が起こるかわからないドキドキ、予想もしなかったようなことが生まれるかもしれないワクワク。そういったライブ感を思い切り楽しめば、話し合いはより楽しく、意味あるものになる。

「移動」で非日常感を演出する

本書では、著者らが従来型の会議とは違った雰囲気をつくり出すためによく使っている5つの工夫が紹介されている。そのうち本要約では、「『気楽さ』の演出」を取り上げる。

日常業務から離れ、いつもの業務遂行モードから離れた思考をするには、非日常感を演出する「移動」や「転地」が効果的だ。予算がある場合には、自然あふれる場所を選ぼう。海が見えるところや森の空気が吸えるところ、焚き火を囲んで話し合えるところもいい。

遠くに行けないなら、

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要約公開日 2020.12.08
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