読んでいない本について堂々と語る方法

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読んでいない本について堂々と語る方法
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読んでいない本について堂々と語る方法
出版社
定価
1,045円(税込)
出版日
2016年10月10日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

本の要約サービスを利用しているみなさんのような読書愛好家でも、読んでいない本についてコメントしなければならない場に、一度や二度は遭遇しているに違いない。友人や同僚との会話の中、あるいは顧客へのプレゼンテーションの中など、様々な場面で読んでいない本についてコメントする状況に遭遇する。そして、そのたびにやましさを感じる。なぜだろうか。読んでいないのだから、やましいのは当然かもしれない。

とはいえ本書で明らかにされるように、「読んだ」と「読んでいない」の区別は簡単ではない。私たちは「読んでいない」ことを過度に気にしているのではないか。本書の中に引用される文学作品の登場人物、あるいは作家たちの考えを読むと、読書について当たり前と思っていたことが、じつは思い込みに過ぎないのでは……と気付かされる。本を読んでいなくとも、その本について語ることは、当然できるのだ。

ただし本書は、本を読まないことを単に推奨しているのではない。テクストが秘めているものを深いところから汲み取るために、本を読んでいない状況を活かすことができると主張しているのである。そのためにはどういう認識、心構えが必要なのか。流し読みでも飛ばし読みでも構わない、本要約と本書を読んで、ぜひ考えてみていただきたい。そこに自己発見と創造への道がある。

著者

ピエール・バイヤール (Pierre Bayard)
1954年生。パリ第八大学教授。精神分析家。文学をめぐる様々なパラドックスに着目し、創造的批評論を展開する。20タイトルに及ぶその著書は、各国語に翻訳されている。邦訳として本書以外に『アクロイドを殺したのは誰か』(大浦康介訳、筑摩書房)、『シャーロック・ホームズの誤謬』(平岡敦訳、東京創元社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    読んでいない本について語るとき、人々が感じるやましさを解消することが本書の目的である。
  • 要点
    2
    「読んでいない」という状態は単純なものではない。「読んだ」状態との区分けも簡単にできるものではない。
  • 要点
    3
    読んでいない本について語る「状況」について具体的に検討することで、本について語ることの意味が見えてくる。
  • 要点
    4
    読んでいない本について語る際に注意すべき点を意識すれば、そうした状況を活用し、創造に向かうことすら可能である。

要約

「読んでいない」とはどういう状態か

読書についての規範

読書をめぐって、強い影響力を持つ規範はいくつもある。その中でも以下の3つは決定的なものだ。第1は、「読書義務」とでも言うべきもので、「重要な本は読んでいるべき、読んでいないことは許されない」という規範である。第2は「通読義務」とでも言うべき規範であり、「本を読む際は流し読みや飛ばし読みをしてはならず、すべてを読まなければならない」という規範である。第3に、本について多少なりとも正確に語るためには、その本を読んでいなければならないという規範である。

こうした規範のしがらみを解消した上で、本書は読んでいない本についてコメントを求められたときのテクニックを提案する。さらにそうした状況の分析にもとづいて、ひとつの読書理論の構築を行う。

ぜんぜん読んだことがない
georgeclerk/gettyimages

「読まない」ことの究極の状態は、本を一冊も開かないことだろう。しかしこれは、あらゆる読者がおかれた状態に近い。なぜならば、存在するすべての本を読むことは不可能であり、どれほどの読書家でも読める本には限りがあるからである。

ゆえに教養があるかどうかは、なによりも自分を方向づけられるかどうかにかかっている。教養ある人間はこのことを知っているが、不幸なことに無教養な人間はこれを知らない。教養があるとは、全体のなかで自分がどの位置にいるかがわかっているということである。それはすなわち、諸々の本はひとつの全体を形作っているということを知っており、その各要素を他の要素との関係で位置づけられるということである。教養ある人間は、特定の本を読んでいなくても別にかまわない。内容は知らないかもしれないが、その位置関係はわかっているからだ。ある文化の方向性を決定づけている重要書の見取り図を描けるかどうかが、書物について語る際には決定的に重要なのである。

ざっと読んだことがある

本をまったく読まないとまではいかなくても、ざっとしか読まない人は少なくないだろう。そのように流し読みしかしていなくても、本について語ることはできる。それどころか流し読みは、本をわがものとするもっとも効果的な方法かもしれない。

書物を読むとき、そこには他者に従属する危険性がある。教養というものは、他人の書物にのめり込む危険をはらんでいる。そしてみずから創造する者としてふるまうためには、この危険を回避しなければならない。

文学について考察しようとする真の読者にとって、大事なのはある特定の本ではなく、他のすべてを含めた全体像である。単一の本にばかり注意を向けていると、この全体を見失う危険が出てくる。あらゆる本には、大きな法則や観念に関係する部分がある。それを見逃すと、その本自体を深く捉えることもできない。

読んだことはあるが忘れてしまった
CasarsaGuru/gettyimages

読書は時間のなかで推移する。つまり読書を始めた瞬間から、読者は読んだことを忘れはじめる。この場合、「ある本を読んだ」と言うことは、ほとんどひとつの比喩である。

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