「普通」の人のためのSNSの教科書の表紙

自分の名前で仕事がひろがる

「普通」の人のためのSNSの教科書


本書の要点

  • SNS発信は、自分の仕事に興味がある人が自発的にやってくる「プルのコミュニケーション」を生む、現代のビジネスパーソンに必須のビジネスツールである。

  • 実名発信を始めるにあたって、上司には必ず話を通しておかなければならない。また、就業規則に違反しないこと、社外秘や仕事で知り得た情報を漏らさないことなどにも注意したい。

  • 文章力は必要ないし、有益な情報を発信しようと意気込む必要もない。ただ「自分のメモ」として淡々と積み重ねていけばいい。続けやすいテーマは「イベント」「ニュース」「本」の3つだ。

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ぼくはSNS発信に人生を救われた

「普通の会社員」が「プチ有名人」に

Urupong/gettyimages

SNSとは、個人間のつながりをサポートする会員制のウェブサービスを指す。厳密に言えばブログやTwitterはSNSに含まれないが、ここでは「Facebook」「Twitter」「ブログ」などのウェブサービスによる発信すべてを「SNS発信」とする。

著者は本書で、実名でのSNS発信を勧めている。なぜなら、著者自身、実名でのSNS発信によって人生が変わったからだ。

著者は新卒でNTTに入社した。支社勤務を経て本社のIR担当となり、会社への貢献を考えて懸命に働いてきたが、会社からは思うように評価されない。無力感を覚えることが増えていき、IT系のコンサルティング会社に転職することにした。しかしそこでもうまくいかず、再び転職。ここでも成果を出せず、クビの恐怖におびえていた。

そんな状況から抜け出せたのは、ブログを書いていたおかげだ。あるブロガーのイベントに参加したとき、隣に座っていた人が自分のブログの読者だったのだ。一度も会ったことのない人が自分のことを知ってくれている。著者にとっては、「革命」だった。

ブログの次は、SNSを始めてみることにした。すると、ネット業界の関係者の多くがSNSを通じてつながり、日常的にコミュニケーションをとっていることに気づいた。会社を越えた関係が、仕事にもつながっていたのだ。

そこで著者は、会社での残業をやめ、個人でSNS発信をしながら、ネットワークの構築に注力しはじめた。ネット界隈では、所属していた会社名よりも著者の個人名のほうが有名になり、所属している会社に興味を持ってくれる人も増えた。会社に貢献できるようになることで、クビへの恐怖感はいつしか薄れていった。仕事以外でも、本を出版したり、別の会社の創立メンバーとして声をかけられて社長をつとめるようになったりと、人生が大きく変わっていった。

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【必読ポイント!】SNS発信で「わらしべ長者」になる

発信の障壁となる「思い込み」

実名でのSNS利用を勧めても、ビジネスパーソンはいくつかの思い込みから、発信をためらいがちだ。ここでは、2つの思い込みを紹介しよう。

まず、「文章力が必要」という思い込みだ。ビジネスパーソンのSNS発信には、高度な文章力は必要ない。個人のSNS発信は、「おしゃべり」の延長だ。身構えず、気軽に発信してみよう。

次に、「自分には発信するようなネタはない」という思い込みだ。自分が持っている情報が有用なものかどうかは、自分で判断してはいけない。なぜなら、どんな立場の人のどんな情報であっても、それを求める人が必ずいるからだ。自分が持っている情報が誰かの助けになり、問題解決の糸口になる可能性は十分にある。

発信が仕事に役立つ3つの理由

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SNS発信は、ネットでのコミュニケーションだけでなく、リアルにもいい影響がある。ここでは、SNS発信が仕事に役立つ理由を3つ紹介しよう。

1つ目は「プルのコミュニケーション」ができることだ。

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要約公開日 2021.01.03
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