[増補新版]活眼 活学

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出版社
定価
1,650円(税込)
出版日
2020年10月08日
評点
総合
4.3
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

未曾有の危機と不安が渦巻く2020年、多くのリーダーたちに愛され続けてきたロングセラーである『活眼 活学』が、35年の時を経て増補新版となり、装いも新たに刊行された。本書は、多くの要人から厚い信頼を寄せられていた安岡正篤氏の生前の講義を増補してまとめられたものである。

著者は、戦前、戦後を通じて、東洋思想の研究、教育に携わり、政財界に広く影響を与えた人物だ。本書を読むと、なぜ多くの人が著者の言葉に感銘を受け、説話を求めたのか、その理由を知ることになるだろう。豊富な引用に基づいた説得力を伴いながらも、わかりやすく温かい語り口は、誰にとっても受け入れやすく、納得しやすい。本書の主要なテーマである「活眼 活学」を備えることの重要性についても、単なる抽象的な概念や理論にとどまらず、実践をともなって人物を修めていく過程が容易に想像できる。

儒学、老荘思想、仏教、神道などの古典から縦横無尽に言葉を引き出す本書は、これまであまり触れる機会のなかった考え方、言葉との出会いを数多くもたらしてくれる。古来、中国を始めとした東洋思想を思想、文化の源泉としてきた日本に暮らしていても、現代では東洋の古典に触れられる機会はあまり多くない。本書の講話がなされた時代と同様、現代の私たちにとっても「故きを温めて新しきを知る」ための一冊となるだろう。著者の声が聞こえてきそうな、生き生きとした文体でつむがれる本書の内容は、要約にとどまらず、ぜひ書籍でお楽しみいただきたい。

ライター画像
大賀祐樹

著者

安岡正篤(やすおか まさひろ)
1898年、大阪府に生まれる。幼少期より四書五経の素読を始め、『大学』などを全て暗誦し、10 代ですでに陽明学も学んだという。1922年、東京帝国大学法学部を卒業。その後、「東洋思想研究所」「金雞学院」「日本農士学校」等を設立。1945年の太平洋戦争終戦にあたり、「終戦の詔書」の原案の刪修に関わったとされる。戦後は全国師友協会会長や、松下幸之助が創設した松下政経塾相談役もつとめた。思想家・教育者として、さらに日本の復興を支える政財界の精神的支柱として、多くの敬仰者を持ち、歴代総理の指南役ともいわれた。1983年に逝去。著書に『人物を修める』(致知出版社)、『[新装版]運命を開く』(プレジデント社)、『人生と陽明学』『論語に学ぶ』(以上、PHP文庫)など多数がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    人間は、肉眼だけでなく心眼で物事を見なければならない。心眼を開き、内面の潜在エネルギーを高めれば、豊かな精神に根付いた確かな自我を養うことができるだろう。
  • 要点
    2
    ただ知っているだけの知識ではなく、実際に物事を解決しようとする見識、さらには抵抗にあってもやり抜く強い意志に基づいた胆識を持つことが大切だ。
  • 要点
    3
    動かせない宿命ではなく、自分の修養次第で動かせる「命」は、運命と呼ばれる。
  • 要点
    4
    縁が結ばれることで、因が果、報に導かれる。果報者になるために、縁を大切にしよう。

要約

【必読ポイント!】 人物を修めるための活眼・活学

心眼を開く
SAND555/gettyimages

人間にとって目は大切なものだが、肉眼だけでは目先しか見ることができない。私たちは外と同時に内を、現在と同時に過去と未来を、そして現象の奥に本体を見なければならない。仏教では、肉眼、天眼、慧眼、法眼、仏眼が「五眼」として説かれる。ここでは、肉眼以上のものを「心眼」と呼ぼう。

私たちのエネルギーには、体格や肉づきのような顕在エネルギーだけでなく、外側には現れない潜在エネルギーがある。氷山は水面下に隠れている部分の方が大きいのと同じように、潜在エネルギーの方が遥かに強い力を持っているものだ。見てくれは堂々としている人間でも、潜在エネルギーは案外貧弱な人が少なくない。一方、見かけは弱そうでも、何かをやらせると非常に精力的で不屈不撓の人、顕在エネルギーは貧弱でも潜在エネルギーが旺盛な人もいる。忠臣蔵で有名な大石内蔵助や、『三国志』に登場する曹操のような歴史上の英雄であっても、さほど風采は上がらなかったそうだ。しかし、見る人が見ればわかる。つまり、心眼で見ればわかるのである。

この潜在エネルギーを培養するために、心眼を開き、精神の土壌や根の部分からしっかりと培養して、精神生活を豊かにしなければならない。俺は銀行人だから、銀行のことさえ考えればいい、銀行に関する知識や技術の書物に親しめばいいという考えは危険だ。仕事をしていると、思いがけない示唆やヒントによって活気を得られることがある。現実の生活に忙しくても多面的な良い付き合いを持ち、教養を高める読書をし、精神活動を豊かにすべきだ。

近代文明、物質文明が発達するほど、個人は集団生活の中に呑み込まれ、集団心理の支配を受けて個性を奪われていく傾向にある。文明が発展するほど、個人は無内容になっていくという恐ろしさがある。個人が私生活や内面的自我を喪失すれば、やがて自己のすべてを失い、肉体も人格も崩壊するだろう。文明は没落し、やがて滅びてしまうかもしれない。

現代では、世界的に目先のことに追われ、心眼が衰えてきている。文明が進歩すればするほど、私たちは心眼を開いて、内面的自我をもっと健全にしながら、本当に理性的で、道徳的、堅実な社会生活を持つようにしなければならない。

見識と胆識を身につける
franckreporter/gettyimages

知識は、それ自体では力にならない。

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