対話型OJT

“主体的に動ける部下”を育てる知識とスキル
未読
日本語
対話型OJT
対話型OJT
“主体的に動ける部下”を育てる知識とスキル
未読
日本語
対話型OJT
出版社
日本能率協会マネジメントセンター

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定価
1,980円(税込)
出版日
2020年12月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

組織で働くビジネスパーソンの多くは、新しい職場に入ったときにOJT(On the job Training)を経験するだろう。しかしOJTという言葉から連想するものは、人によって相当に異なる。知識習得とロールプレイングを繰り返した上で客先へ同行するといった、研修のように懇切丁寧なOJTもあれば、「手伝って。わからないことは聞いてね」と言われるだけのOJTもある。

しかし手取り足取り行うOJTも、「背中を見せる」だけのOJTも、いま根本的に見直しを迫られている。その理由の一つは言うまでもなく、新型コロナウイルスの感染拡大の影響だ。多くの職場でリモートワークが当然のものとなったとき、部下・後輩をどのように育成すればよいのだろうか。この危機を乗り越えても、次がどのような時代になるのか、誰にも見通せない。私たちはいわば「正解のない時代」に生きているのだ。

もはや指導する側の先輩・上司が持っている正解を部下・後輩に教える「導管型OJT」は有効性を失い、代わりに教える側と教えられる側が対話し、ともに答えを探す「対話型OJT」の必要性が増していくと著者はいう。本書はこの「対話型OJT」の進め方の指南書である。

著者によると、対話というプロセスから得られる効果は2つある。一つは新たな発想やアイデアのヒントが見つけられることで、もう一つは「とりあえず〇〇をやってみよう」というお互いの納得感が得られることだ。本書を読めば、リモートワークの環境下でも、これらの効果を得られる手法が身につくだろう。

ライター画像
ヨコヤマノボル

著者

関根雅泰 (せきね まさひろ)
株式会社ラーンウェル・ときがわカンパニー合同会社 代表
1972 年埼玉県鴻巣市生まれ。州立南ミシシッピー大学卒業。
東京大学大学院学際情報学府卒業、修士号(学際情報学)取得。
学習教材の訪問販売会社、研修ベンダーを経て、2005 年に独立。「学び上手・教え上手」を増やすために(株)ラーンウェル(Learn-well)を設立。2010 年、自らの経験整理と学術知見獲得のため、東京大学大学院 中原淳准教授(現在、立教大学経営学部教授)の研究室に参加。研究領域は「OJTと組織社会化」。企業教育での専門は「現場OJT支援」と「研修転移」。2017年、移住した埼玉県比企郡ときがわ町で、ミニ起業家育成のための「比企起業塾」を仲間と共に開講。現在、「比企起業大学」設立に向けて奔走中。4児の父。
主な著書に『オトナ相手の教え方』(クロスメディア・パブリッシング)『これだけはおさえておきたい仕事の教え方』(日本能率協会マネジメントセンター)。

林博之(はやし ひろゆき)
ラーンフォレスト合同会社 代表社員
行政書士
1971年東京都葛飾区生まれ。俳優として十数年活動後、会社勤務を経て、行政書士林博之事務所を開設。「知的資産経営」を通じて中小企業の経営者に寄り添う活動を実施。2018年にラーンフォレスト(同)を設立。俳優時代の演技経験から「非言語メッセージ」の受発信を意識する「フィーリング・コミュニケーション」を提唱。演劇的手法・インプロ(即興劇)を駆使した「OJTメンター研修」や「仕事の教え方研修」を行っている。認定 SP(サブパーソナリティ)トランプファシリテーター。「比企起業塾」にはサブ講師として参加。2児の父。

本書の要点

  • 要点
    1
    自律型人材を組織につなぎとめておくためには、「成長環境」を提供できなければならない。そのためのひとつの手法が「対話型OJT」だ。
  • 要点
    2
    対話型OJTの実践においては、「あたたかさ」と「したたかさ」が必要だ。
  • 要点
    3
    部下・後輩に教えるべき仕事は、「助けがあればできること」だ。ここでは、「スキャフォルディング」という考え方がヒントとなる。一から十まで教えるのではなく、その基本的な方向性や要点を示すとともに、適切なポイントでフィードバックの機会を設け、部下・後輩の内省を促していく。

要約

「自律型人材」とは

自律型人材が求められる3つの理由
recep-bg/gettyimages

本書では、「自律型人材」を「自ら考え行動できる人材」と定義する。このようなタイプの人材は今、次の3つの理由から、あらためて求められるようになっている。

1つ目は「時代環境」である。変化の激しい現代においては、指示待ちの「問題解決型人材」ではなく、自ら問いを立て、解決すべき問題を見つけていく「問題発見型人材」が求められる。寿命が延び、「教育・仕事・引退」というモデルがなくなる時代でもあるため、自らステージをつくる力が必要だ。

2つ目は「業務内容」である。定型的な業務が機械化され、多くの人が非定型の分析・対話型業務に携わる中で、自律型人材が求められることは言うまでもない。

3つ目は「リモートワーク」である。監督者の目が届きにくい環境においては、自ら考え行動する力をつけなければならない。

自律型人材の3つの行動

自律型人材は、3つの行動によって周囲からの信頼を得ていく。

まず「やることを決める」。指示されなくても、自分がやることを決められる。

次に「決めたことをやる」。そして、決めたことができなかったとしても、言い訳をせず改善につなげる。

最後に「チームとして働く」。周囲を気遣い、報告・連絡・相談を欠かさず、協力して仕事を行う。

自律型人材の最たるものとして、ミニ起業家である「一人社長」や、副業・兼業を行う人が挙げられる。自ら考え、動きたいと希望しているこうした人材を育てることも、これからの組織に求められることだ。

自律型人材を育てるための3つの軸
alvarez/gettyimages

ミニ起業家や複業・兼業が増えるのは、日本社会から見ればいいことであるはずだ。だが一方で、自分の部下・後輩が副業・兼業をしていたり、起業を希望していたりする場合、「正直なところやりづらい」と感じる人も多いかもしれない。

自律型人材や副業・兼業者、起業希望者が増えたり、リモートでも仕事をしたりする状態は、組織において、外に向かう力(遠心力)が働いている状態だ。社員をつなぎとめておきたくても、物理的な場所や気持ちが離れていってしまいかねない。実際に、組織を離れ、転職や独立をするケースもあるだろう。

このような状況において、どうすれば「求心力」を保ち、人材を組織につなぎとめておけるか。重視すべきは「成長環境」だ。この組織に所属していれば成長できる、この仲間と一緒にいれば成長できると感じさせることが、組織の求心力となる。

そのような「成長環境」を提供するためのひとつの手法が「対話型OJT」をはじめとした育成の方法論だ。人は「ヒト・コト・トキ」を通じて育っていく。背伸びが必要な「ストレッチ経験」(コト)が多く、職場メンバーの「関わり」(ヒト)の量が多いほど、その職場は成長環境であるといえる。この2軸に「時間」(トキ)の概念を追加したのが、自律型人材を育てるための3つの軸である。

部下・後輩に「経験」させる

どんな経験を積むのか一緒に考える

かつて人材育成においては「経験・他者・研修」それぞれから得る学びの割合は「70:20:10」だと言われていた。しかし近年、大規模かつ科学的な調査により「55:25:20」という数字が示されるようになった。数字は変わっても、やはり経験が一番重要であることに変わりはないのだ。

部下・後輩にどのような経験をしてもらえばいいかを考える際にヒントとなるのは、

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