世の中には、個人の力だけでは達成できない物事が多いものだ。だから私たちは、「チーム」をつくって他者とつながり、タスクをつなげている。ここでいうチームとは、「目標を共有しつつ、相互作用をしながら、物事を達成する社会集団」を指す。
本書の重要なキーワードは、「チームワーキング(TeamWorking)」である。この言葉は、「チーム(Team)」に「ワーキング(Working:物事がダイナミックに、常に動いている状態)」を付け加えたものだ。「チームワーキング」とは、チームメンバー全員参加で、チーム全体の動きを俯瞰的に見つめ、相互の行動に配慮し合いながら、目標に向けてダイナミックに変化し続けつつ成果創出をめざす状態を指している。
今や、優秀なリーダーが一人いるだけでは、チーム運営はうまくいかない時代だ。チームメンバー全員の賢さと振る舞いこそが、チームの成果を決める。だからこそ、現代のチームの理想の状態は、チームメンバーが「全員参加」し、ダイナミックなチームの動きを創出することで生まれる「チームワーキング:チームがダイナミックに動いている様」である。
成果の出るチームと出ないチームの違いは、チームの捉え方にある。成果の出ないチームは、チームを「一人のリーダーが率いるもの」「一度定めた目標に向かってまっすぐ進んでいくもの」と見立てがちだ。そのため、チームワークを「リーダーが中心となってチームの目標と各自の役割を設定し、それに従って各メンバーが与えられた役割を着実に行うこと」だと捉えている。
成果が出ないチームで最重要視されるのは「初期のアクション」だ。初期に綿密な戦略を立て、役割分担することに重きを置く。
一方、成果の出るチームは、
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