集中力を高めて効率的に学習に取り組むには、ポモドーロ・テクニックが有効である。
やり方は簡単だ。まず、スマートフォンなど学習の妨げになるものを身のまわりから排除する。次にタイマーを設定して25分間、作業に没入する。それが終わったら再びタイマーをかけ、5分間休憩する。これを繰り返す。
ポモドーロ・テクニックは、シンプルながらその有効性が科学的にも検証されている。なお、休憩時間にスマートフォンを使うと、頭脳の働きが効果的に回復しないことも検証済みのため、注意しよう。
ポモドーロ・テクニックを実践しているときは、1つのことに集中したほうがいい。なぜなら、別の新たな課題に取り掛かるたびに、脳内においてスイッチング・コストというエネルギーが使われるからだ。集中して学習したいときにマルチタスクは禁物である。
脳には、何かに集中しているときの「集中モード」と、そうではない「拡散モード」がある。シャワーを浴びているときや散歩しているときなど、拡散モードのときはとりとめもなく様々な考えが浮かんでいる。
計算問題などのやり方を知っている問題に取り組んでいるとき、脳は集中モードに入っている。すでに完成しているレールの上を走っているような状態だ。一方、新しいことに取り組んでいるとき、脳は拡散モードに入っている。これは頭の中に新しいレールをつくっている状態と言える。
それまでわからなかったものが突然理解できるようになるのは、拡散モードに入っている脳が、新たな結びつきを見いだせたときである。拡散モードによって新しい洞察が得られると、今度は集中モードがそれを強化してくれる。
このように、学習は集中モードと拡散モードを往復する作業なのである。集中力が切れたら、集中モードから拡散モードへの移行のときだ。歯を磨いたり散歩したりして、頭を気ままにリラックスさせよう。
何かを学習しているとき、脳の基本的な構成要素であるニューロン同士を結合する作業が行われている。
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