考えることこそ教養である

未 読
考えることこそ教養である
ジャンル
著者
竹中平蔵
出版社
クロスメディア・パブリッシング 出版社ページへ
定価
1,518円(税込)
出版日
2021年03月11日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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考えることこそ教養である
著者
竹中平蔵
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定価
1,518円(税込)
出版日
2021年03月11日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
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レビュー

「教養がある」ことを、英語で「cultivated」と言うが、この言葉は土地や作物が「耕された」「栽培された」ことも意味する。「教養」という言葉には人間の内面が勉強や経験によって磨かれ、手をかけて育てられ、洗練されるという意味が含まれているのだ。

教養は、人間の心を偏見や固定観念から解き放ち、理性によって感情を制御する力を身につけさせ、「自由」な思考の源泉となる。自由な思考をできるようになった人間は、世間に流されることなく、自分自身の力で問題を発見し、解決できるようになるだろう。だから、教養を得ることは、単に知識をたくさん暗記して物知りになることではなく、自分で自由な思考ができるようになることを意味する。

本書は、世間に流布する「頭のいい人=知識をたくさん覚えている人」というイメージを払拭し、自分の頭で考えるという意味での教養を得るためにはどうすれば良いかを考えることを目指すものである。そのために、「川を上り、海を渡る」というような、イメージしやすい方法を提示し、実践的な問題を取り上げつつ、自分で考える力を身につける道筋が示されている。

小泉内閣で大臣を務め、菅内閣にも深い関わりを持つ著者の立場や主張は、ときに議論を巻き起こす。誰かの意見を批判するにしてもなぜ、どのような根拠なのか。著者が本書で求め、身につけるように促すのは、それを自分の頭で考えることの必要性だ。著者の様々な論点にふれることで、読者は実践的なレッスンを積むことができるだろう。

大賀祐樹

著者

竹中平蔵(たけなか へいぞう)
1951年、和歌山県和歌山市生まれ。一橋大学経済学部卒業後、73年日本開発銀行入行。81年に退職後、大蔵省財政金融研究室主任研究官、ハーバード大学客員准教授、慶應義塾大学総合政策学部教授などを経て、2001年より小泉内閣で経済財政政策担当大臣、郵政民営化担当大臣などを歴任。現在、東洋大学グローバル・イノベーション学研究センター長・教授、慶應義塾大学名誉教授、世界経済フォーラム(ダボス会議)理事などを務める。博士(経済学)。著書に『平成の教訓 改革と愚策の30年』(PHP新書)、『この制御不能な時代を生き抜く経済学』(講談社+α新書)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    今求められているのは、情報を単に記憶するだけのハードディスクのような知識の積み上げではなく、知識や情報を組み合わせて考えるCPU的なアタマのよさとしての「教養」である。
  • 要点
    2
    「川を上り、海を渡って」考え、自分の意見、結論を「マイ・ストーリー」として紡ぎ出すことが、自分の頭で考えるということである。
  • 要点
    3
    インターネットは情報へのアクセスを容易にしたが、知識の価値を急落させ、偏った情報ばかり与える環境を生み出した。だからこそ、「川を上り、海を渡って」自分なりの疑問を調べ、考えることが大切だ。

要約

【必読ポイント!】 自分の頭で考える力

教養とはCPU的思考
KENGKAT/gettyimages

学者は何でも覚えていて、頭がいいと思われがちだが、大量の知識だけを積み上げて記憶したハードディスクのような存在になりがちである。ハードディスクだけでは、価値は生み出されない。CPU(中央処理装置)がハードディスクの中にある情報を計算することで、はじめて「価値」が生み出されるのだ。

情報や知識をどのように使い、どのようにつなぎ合わせて活用するかという、CPU的な思考こそが、本当の意味で賢いということ、価値あることである。

今、求められているのは、CPU的なアタマの良さ、賢さである。インターネットやスマホが普及したことで、誰もが世界のあらゆる情報に、瞬時につながることができるようになった。その結果、「何でも覚えている」「よく知っている」ことの強みはなくなり、「知識」の価値は急落した。

一方、グローバリゼーションの進展やAI、ロボティクス技術の発展は、これまでの当たり前を変え、環境を激変させている。過去問をひもといても正解が載っていない世の中においては、過去の蓄積でしかない知識だけでは太刀打ちできない。知識や経験を組み合わせて考える、CPU的なアタマの良さが必要になっているのだ。著者は、このCPU的なアタマの良さを、考える力としての「教養」と呼ぶ。

促成栽培教育の功罪

かつては、「頭がいい」とは記憶力に長けた人のことを指す言葉だった。日本は、明治維新以後、欧米列強にできるだけ早く追いつく必要があったため、とにかく欧米の知識を詰め込む、暗記重視のコスパの良い促成栽培の教育が重視されてきた。これによって、大学教育の大衆化というメリットが生じ、大勢の知的労働者が生み出されることで、戦後の日本経済の成長につながった。

問題は、日本がそのまま、学びの形を変えられなかったことである。「覚えなさい」と言うのは、「考えなくていいですよ」と言っているのと、ほぼ同じだ。斬新でユニークな発想やひらめきを押し殺すことがこれまでの教育であり、今に続く「失われた三〇年」は、促成栽培が限界を迎えた証拠なのだ。

最近、「教養がブームだ」と言われているが、多くの人が身につけたいと思っている教養は、単に知識を詰め込んだ、旧来型の暗記教育に近いものではないだろうか。ネットで引き出せる薀蓄を教養と呼ぶのは、あまりにも無教養である。

ネットの弊害
Feodora Chiosea/gettyimages

インターネットは、情報を「覚えることの価値」を下げると同時に、「より強い偏向」を生み出す側面がある。グーグルやフェイスブックは、ユーザの興味や趣味、嗜好を探り出し、パーソナライズされた広告を表示する技術を持つ。この情報の最適化は、「考えない人間」をつくる仕組みとなるだけではない。自分と同じ思想、立場のニュースばかり覗く人に同じような情報を「オススメ」するようになることで、自分と同意見のインフルエンサーやフォロワーに囲まれる環境を作り出す。

著者の両親は、和歌山の商店街で小さな商店を営み、義務教育しか受けていなかったが、著者は大学まで行った自分よりも、よほど教養があったと感じている。それは、人としての正しい軸を持ち、自分の頭で考えていたからだ。

今のように情報があふれていなかったからこそ、自分の頭で考えざるを得なかった時代でもあった。裏を返せば、誰でも、どこにいても、自分の頭で考えて、これからを生き抜くための教養を身につけられるということではないだろうか。

マイ・ストーリーの作り方

著者が大学の授業で力を入れているのは、学生たちの「考える力」を伸ばすことだ。

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