読書大全

世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊
未読
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世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊
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著者
出版社
定価
3,080円(税込)
出版日
2021年04月05日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

粉飾決算やデータ偽装など、日本では法令違反やコンプライアンス違反が後を絶たない。競争が激化する現代で新しいビジョンや戦略のないまま、無茶な数値目標を達成しようとすると、行き着く先は「いかさま」しかなくなってしまうのだ。

これまでは「分析」「論理」「理性」を主軸とした意思決定でビジネスを成功に導くことができたかもしれない。しかし複雑で不安定な現代においては、それらを重視するだけでは不十分だ。常日頃から良書に触れることによって、人間としての「洞察力」を鍛えておく必要がある。

本書は日本興業銀行(現みずほ銀行)、ゴールドマン・サックス、森ビルで働き、バブル崩壊とリーマンショックの金融危機を切り抜けてきた著者が、ビジネスリーダーをはじめ、働く多くの人が読むべき良書200冊を紹介している。

さらに本書では読書をする上で押さえておくべき時代背景、学問の系譜、宗教・哲学・経済学の進化の過程がまとめられている。こうした大きな流れが分かっていないと、名著や古典の理解度はどうしても下がってしまう。

新型コロナウイルスの世界的な蔓延など、現在はますます複雑で不安定な時代に突入している。現代を生き抜いていくための手引として、持っておきたい一冊である。

ライター画像
木下隆志

著者

堀内勉(ほりうち つとむ)
多摩大学社会的投資研究所教授・副所長(多摩大学大学院特任教授)東京大学法学部卒業、ハーバード大学法律大学院修士課程修了、アイ・エス・エル(ISL:Institute for Strategic Leadership)(SLP)修了、東京大学Executive Management Program (東大EMP)修了。1984年日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。興銀証券(現みずほ証券)、ゴールドマン・サックス証券を経て、2005年森ビル・インベストメントマネジメント社長に就任。2007年から2015年まで森ビル取締役専務執行役員兼最高財務責任者(CFO)。現在は、ボルテックス100年企業戦略研究所所長、社会変革推進財団評議員、川村文化芸術振興財団理事、アジア・ソサエティ・ジャパンセンター・アート委員会共同委員長、田村学園理事・評議員、麻布学園評議員、軽井沢ソーシャルデザイン研究所理事、ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ理事、アクアイグニス取締役会長、経済同友会幹事、書評サイトHONZレビュアーなどを務める傍ら、資本主義の研究をライフワークとして、多様な分野の学者やビジネスマンと「資本主義研究会」を主催している。著書に『コーポレートファイナンス実践講座』(中央経済社)、『ファイナンスの哲学』(ダイヤモンド社)、『資本主義はどこに向かうのか』(編著、日本評論社)。

本書の要点

  • 要点
    1
    読書をする理由は「知識を得る」という目的だけでなく、人間としての「洞察力」を高めるためでもある。
  • 要点
    2
    読書は人間が根源的に抱えている問いに対する道しるべとなる。根源的な問いとは「世界はどうしてできたのか、また世界はなにでできているのか?」「人間はどこから来てどこへ行くのか、なんのために生きているのか?」である。
  • 要点
    3
    学問は宗教や神話から始まり、哲学へと発展した。そして哲学から科学や経済学などさまざまな学問へ分化していった。

要約

【必読ポイント!】なぜ読書が必要なのか?

読書は人間としての「洞察力」を高めてくれる
NoSystem images/gettyimages

ビル・ゲイツ氏、孫正義氏、マーク・ザッカーバーグ氏など世界を代表する経営者で熱心な読書家は大勢いる。情報を瞬時に入手できるネット時代に、なぜ熱心に読書をするのか?

それは単に「知識を得る」目的だけではない。ビジネスリーダーや人間としての「洞察力」を高めるためなのである。

「会社は経営者の器以上には大きくはならない」と言われる。「ビジネスリーダーとして成功を収めていくには読書が欠かせない。困った時に手を伸ばす「ノウハウ本」ではなく、人間としての練度を高めるための「良本」の読書が必要になってくるのだ。

読書は人間の根源的な問いに対する道しるべ

「世界はどうしてできたのか、また世界はなにでできているのか?」「人間はどこから来てどこへ行くのか、なんのために生きているのか?」という問いが、全ての人間が抱いている根源的な問いである。そしてこの問いが経験・学習・読書する源になっているのだ。

自然科学がこの問いに関する手がかりを提供してくれることは決してない。私たちは自分自身を知るために、終わりなき旅を続ける旅人なのである。答えは誰かが教えてくれるものではなく、自分の力で旅をして、答えを探し求めるしかない。その旅の道しるべとなるのが読書なのである。

学問の起源

始まりは宗教や神話から

宗教的なものは人類の誕生と共に生まれたと考えられている。成文化された宗教の起源は紀元前6000年頃である。当時の人々は「世界はどうやって始まったのか?」「世界はなにでできているのか?」といった問いに対し、神話の中の天地創造などの物語として答えを導き出した。ユダヤ教やキリスト教であれば、神が創造の1日目に天と地を創ったという物語である。

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