未来企業
レジリエンスの経営とリーダーシップ

未 読
未来企業
ジャンル
著者
リンダ・グラットン 吉田晋治(訳)
出版社
プレジデント社
定価
2,000円 (税抜)
出版日
2014年08月07日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
4.0
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レジリエンスの経営とリーダーシップ
著者
リンダ・グラットン 吉田晋治(訳)
未 読
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出版社
プレジデント社
定価
2,000円 (税抜)
出版日
2014年08月07日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.5
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レビュー

日本では2012年に出版され、未来の働き方に対する新たな視点を提案し、「ビジネス書大賞2013」に輝いた『ワーク・シフト』。本書『未来企業』はその著者であるリンダ・グラットン氏が放つ、企業版『ワーク・シフト』である。これからの企業に求められる指針や社会的存在意義、導くリーダーが持つべき信念など今回も示唆に富む内容で、本書を読まずして21世紀の企業の舵取りは行えないと断言したい。

『ワーク・シフト』同様、本書の優れたところは、将来を見通すためになされた、変化の兆候に対する数々の分析にある。人がどこにいても仕事ができるクラウドソーシングの発達。その一方で起こる、優秀な人材の特定地域への偏在。過去には中程度のスキルでも十分に仕事が行えたため、若者はキャリアの足掛かりをそこで築くことができたが、いまでは労働の空洞化によってその仕事がますます少なくなっている現状。深い洞察によって導かれる結論は、他のビジネス書とは一線を画す衝撃を私たちに与えてくれる。

「企業」と「従業員」は「大人」と「子供」の関係から、「大人」と「大人」の関係になり、従業員がますます自立した存在になるからこそ、優秀な人材を集めるためには過去のように強欲で利己的な企業ではあり続けられない。これまでの会社経営の指針が通用しなくなる未来において、果たしてどのような企業運営が求められるのか。一人のビジネスパーソンとして優れた企業を見分けるにはどういう視点が必要なのか。経営層のみならず、全てのビジネスパーソンが本書を読むべきだ。そして、自信を持って『未来企業』の一翼を担おうではないか。

大賀 康史

著者

リンダ・グラットン
ロンドン・ビジネススクール教授。人材論、組織論の世界的権威。経営学界のアカデミー賞とも称されるThinkers50ランキングのトップ12に選ばれている(2011年)。フィナンシャルタイムズ紙では「今後10年で未来に最もインパクトを与えるビジネス理論家」と賞され、英エコノミスト誌が選ぶ「仕事の未来を予測する識者トップ200人」の一人。組織のイノベーションを促進するHot Spots Movementの創始者であり、仕事の未来を考えるグローバル企業のコミュニティ、「働き方の未来コンソーシアム」を率いる。シンガポール政府のヒューマンキャピタル・アドバイザリーボードメンバー。日本で2013年ビジネス書大賞を受賞した『ワーク・シフト』をはじめ、『Hot Spots』『Glow』など一連の著作は20カ国語以上に翻訳されている。
http://www.lyndagratton.com

本書の要点

  • 要点
    1
    「企業は強欲で邪悪な存在」という考えは誤っている。企業は本来人間の集まりであり、チームであり、コミュニティだ。正しい人材が正しく舵を取れば、世界的な問題に立ち向かうためのイノベーションを創出する役割を担うことができる。
  • 要点
    2
    内なるレジリエンスを高め、社内と社外の垣根を取り払い、グローバルな問題に立ち向かう企業こそが、「未来企業」として21世紀に発展できる。
  • 要点
    3
    これからの優れたリーダーは、資源を適切に配分して人々に影響を与え、思いやりを持って社会貢献する行動を支援し、様々なステークホルダーに壮大な取り組みへの参加を促す存在であるべきだ。

要約

はじめに

UmbertoPantalone/iStock/Thinkstock
企業へのラブレター

私たちはいま、世界中で深刻な問題に直面している。若年層の失業、先進国における収入格差や貧困、重大な気候変動の兆候などがそれに当たる。これらの問題は一国や地域にとどまらず、誰も責任を持って取り組まない事態が起こりかねない。だからこそ今、何らかの手を打たなければならない。

過去数十年間は、各国政府や、世界銀行などの国際機関が問題解決の主体となっていたが、近年はグローバル企業がこうした問題への影響力を高めている。

金融危機、原油流出、経営陣への過剰な報酬、敵対的買収などのマイナスの側面が公になった結果、人々は企業を強欲で邪悪、貪欲で利己的なものと考えている。

しかし、「企業は悪」という考えは、言うまでもなくその本質を見誤ったものだ。企業は本来人間の集まりであり、チームであり、コミュニティである。正しい人材が正しく舵を取れば、こうした問題に立ち向かうためのイノベーションを見出すうえでカギとなる役割を担うことができるのだ。

その中核にある、もっとも重要な能力は「レジリエンス」である。その元の意味は、「負荷がかかって変形したものが、元の形状に戻る力」のことだ。これが転じて、ストレスからの回復力、困難な状況への適応力、災害時の復元力という意味でも使われるようになった。

【必読ポイント!】変わり続ける企業と仕事

marekuliasz/iStock/Thinkstock
7つのトレンド

ますます複雑化する世界の中でも、変化に備えるための手掛かりがゼロというわけではない。これから数十年の間に企業と仕事のあり方に大きな影響を与えると思われる7つのトレンドを紹介しよう。

1. 商品と労働のグローバル市場のバランス変化

グローバルなリバランシングは、労働人口が集中する場所が変わることが起因となるだろう。先進国の労働人口は2010年から2030年までに8億3500万人から7億9500万人に減少するが、新興国では約10億人増えて46億人に達すると見込まれている。労働人口分布の変化に伴い、イノベーションや新しいアイデアが生まれる場所も変化する。中国やインドがイノベーションハブを形成しつつあることも見逃してはならない。

2. 人間と仕事が高度につながった社会

2010年時点で50億人が携帯電話を所有し、2020年には60億人を超える。どこからでもつながれる状況になり、有能な人材はグローバルの求人市場にアクセスし、イノベーションを起こす。すでにオーデスク、イーランス、グルといったプラットフォームが企業とスペシャリストの橋渡しをして、世界中からウェブデザイナー、ソフトウェアプログラマー、翻訳者などの仕事を探すことができるようになっている。

3. 有能な人材の偏在

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リンダ・グラットン 吉田晋治(訳)
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プレジデント社
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2014年08月07日
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