flier_logo
ゴールドプランなら4,000冊以上が全文読み放題! 7日無料体験はこちらから
プロセスエコノミー の表紙

プロセスエコノミー

あなたの物語が価値になる


本書の要点

  • アウトプットだけが重要だったこれまでとは違い、「なぜ、どうやってそこに至ったか」というプロセスが重視されるようになりつつある。

  • プロセスに価値が置かれるようになると、プロセスの公開が重要になる。積極的に情報を公開していくことで、「その商品/サービスでなければ」という代替不能な価値が生まれてくる。

  • プロセスにおいて大切なのは、「What」でも「How」でもなく、どのような哲学とこだわりをもってそこに至ったのかという「Why」である。一貫した「Why」が、熱心なファンを生み出す。

1 / 3

【必読ポイント!】 プロセスエコノミーとは

アウトプットエコノミーの限界

oatawa/gettyimages

「プロセスエコノミー」という言葉は、耳慣れないし、とっつきにくいものに聞こえるかもしれない。しかしこれは特別な概念ではない。多くの人が知らず知らずのうちに、この考え方を生活のどこかに取り入れているはずだ。

この言葉にはじめて言及したのは、クリエイターの制作現場をライブ配信する「00:00 Studio」(フォーゼロスタジオ)を立ち上げた、けんすう氏だ。けんすう氏のnoteでは、プロセスエコノミーはアウトプットエコノミーに対比されるものとされている。

アウトプットエコノミーとは、「プロセスで課金せずに、アウトプットで課金する」というモデルのことだ。これは普通の人が考える、一般的な商売の仕方である。音楽、映画、料理など、アウトプットのかたちはさまざまだが、いずれにせよ「出来上がったものを売る」という点では同じだ。お客さんから直接課金するケースもあれば、テレビのように広告モデルにするケースもあるが、アウトプットで稼いでいるという点に変わりはないのである。

こうしたアウトプットエコノミーにおいては、製品の品質や流通価格、マーケティングなどが重要になってくる。いいものを作り、安く提供し、適切に知ってもらい、適切に届ける。だが競争が進んだ結果、現在では品質にほとんど差がなくなってしまっている。

品質で差別化するのが難しければ、マーケティングや流通、ブランディングにお金をかけられるほうが強くなる。そのため勝ち組のプロダクトはより勝っていき、そうでないプロダクトはたとえ良いものでも陽の光を浴びなくなる、という格差が広がっている。

プロセスそのものが価値を持つように

こうした状況のなかで、相対的に重要になってきたのがプロセスだ。アウトプットエコノミーが一定の規模まで到達すれば、差別化するポイントはプロセスにしかない。たとえば洋服のプロに聞くと、「ユニクロの3990円のジーンズと、リーバイスの1万円を超えるジーンズ、品質に差はない」という言葉が出てくる。だからこそ洋服を作るプロセス、そしてそのプロセスにおける物語が注目されるようになっている。

プロセスに価値が置かれるようになっていった先にあるのが、「プロセスエコノミー」である。プロセスに価値が置かれるようになると、プロセスは差別化要因であることを超え、プロセスそのものが価値を持つようになる。その結果、単にプロセスを垂れ流ししているだけでも、課金されるような状況になりつつある。現にプロセスにまつわるコミュニケーションが強力なコンテンツとして機能することで、大きな収益を上げているサービスも多数出てきている。オンラインサロンやライブ配信サービスはその代表例だ。

プロセスエコノミーのメリット

プロセスエコノミーには、大きく分けて3つのメリットがある。

1つ目は「アウトプットを出す前からお金が入る可能性がある」という点だ。たとえば制作に1年かかる作品をクリエーターが出す場合、制作しているあいだの1年間は無報酬ということになりかねない。もしプロセスの部分に課金できるような仕組みがあれば、1年かかるような大きなチャレンジでも、生活を多少安定させることができる。それに応援してくれる人が多ければ、たくさんのお金を集めて、もっと大きなチャレンジに挑戦することもできるようになるだろう。

2つ目は「寂しさの解消」だ。クリエイターは、ひとりで作品に向かい合わなくてはならない局面も多い。プロセスを発信したりライブ配信をしたりして、少しでも見てもらったりコメントをしてもらえれば、孤独感が和らぎ、作品制作に集中しやすくなるかもしれない。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2678/4197文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2021.08.18
Copyright © 2026 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

考え方
考え方
稲盛和夫
ユーザー中心組織論
ユーザー中心組織論
金子剛並木光太郎
ストックセールス
ストックセールス
福井久美子(訳)神田昌典(監修)エリック・ピーターソンティム・リーステラーリブ・コンサルティング(監修)
職場学習論 新装版
職場学習論 新装版
中原淳
増補版 駆け出しマネジャーの成長論
増補版 駆け出しマネジャーの成長論
中原淳
生きのびるための流域思考
生きのびるための流域思考
岸由二
GENIUS LIFE ジーニアス・ライフ
GENIUS LIFE ジーニアス・ライフ
江口泰子(訳)マックス・ルガヴェア
新版 ミーニング・ノート
新版 ミーニング・ノート
山田智恵

同じカテゴリーの要約

ロレックスの経営史
ロレックスの経営史
ピエール=イヴ・ドンゼ
社長がつまずくすべての疑問に答える本
社長がつまずくすべての疑問に答える本
田中修治
「新」富裕層ビジネスの教科書
「新」富裕層ビジネスの教科書
岸田大輔
事業計画の極意
事業計画の極意
木村義弘
いい経営者は「いい経営」ができるのか
いい経営者は「いい経営」ができるのか
高家正行
ビジネスモデル3.0図鑑
ビジネスモデル3.0図鑑
近藤哲朗
キーエンス解剖
キーエンス解剖
西岡杏
心理的安全性のつくりかた
心理的安全性のつくりかた
石井遼介
軽自動車を作った男
軽自動車を作った男
永井隆
ユニクロ
ユニクロ
杉本貴司