不安と向き合う
不安を感じるのは、見通しが立っていないから
世界が大きく変わる中、不安を抱えている人も多いだろう。不安になるのは、未来の見通しが立っていないからだ。これからも想定外のことが起きそうだから不安になるのである。人はさまざまな不安を抱えるものだ。最近地震が多い気がする、会社が潰れてしまうかもしれない、今の貯金だけで老後の生活が成り立つだろうか、今まで友だちだと思っていた人が自分の悪口を言っているようだ、安定したパートナーと出会えそうにない……。しかし、先のことは誰にもわからないのだから、不安を感じるのは当然のことである。
自分の不安と向き合う

コロナ感染が広がっている今、不安でたまらない人がいる一方で、「自分は大丈夫だろう」と根拠なく思っている人もいる。こうした感覚の違いが、多くの人の精神状態をますます不安定にする。自粛警察やマスク警察と呼ばれる人たちは、マスクやステイホームをすることが「常識」と考え、それに従わない人たちに対して怒っている。彼らは自分の不安や恐れと向き合わず、ただストレスを吐き出して、相手を責めているのである。自分の中の不安を認識できない人は、気づかないうちに、不安を回避する行動をとっている。まずは不安と向き合う習慣をつけよう。そうでないと、知らない間に人生の可能性が制限されたり、心の平安を蝕まれてしまったりする。
不安は「自分を守るためのボディガード」
普段の生活では、どういうときに不安を感じるだろうか。家にひとりでいるときや何もすることがないとき、夜寝る前に不安を感じる人も多いだろう。不安は無防備な後ろからやってきたり、内面から湧いてきたりする。そして、なかなか消えてくれないものだ。不安には、「今いる場所にとどめておく力」がある。不安を感じると体が動かなくなり、頭の働きも止まってしまう。それらは本能によるもので、不安のおかげで不必要なリスクを取らずに済むようになっている。いわば不安は「自分を守るためのボディガード」なのだ。ボディガードが不必要なときは「大丈夫、今日は帰っていいよ」「今晩は一緒に来なくていいよ」と言えばいい。不安とおしゃべりできるようになると、不安を感じることも減っていくはずだ。もちろん、それでも不安が顔を出すこともあるが、ボディガードが来てくれたと思うと冷静になれるだろう。いてもらうのも離れてもらうのも、自分で選択すればいい。
人間関係の不安
人間関係を見直す
人生は、どういう人間関係を持って、何を体験するかで決まる。最高の人生を生きるために、愛にあふれる人間関係を築きたいものだ。愛にあふれる人間関係を築くための最初のステップは、「不必要な関係」を手放すことだ。多くの人は人間関係を大切にするあまり、新しい世界へ行くことを躊躇する。しかし、本気で自分の人生を生きるなら、不必要な関係は手放してしまおう。