FREE, FLAT, FUN

これからの僕たちに必要なマインド
未読
FREE, FLAT, FUN
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これからの僕たちに必要なマインド
未読
FREE, FLAT, FUN
出版社
出版日
2021年05月26日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

社員にリーダーシップを求めない会社はないだろう。ポジションや経験値により差はあれど、リーダーシップは、多くのビジネスパーソンにとって身近な概念であると思う。同時に、自分には関係ないものだと線引きをしている人も多いのではないだろうか。

本書を読めば、リーダーシップとは、会社や組織における立場に関係なく、すべての人にとって大切なものであることがわかるだろう。著者によると、リーダーシップの原点は「自分を知り、自分を導く」ことにあるからだ。Yahoo!アカデミア学長や武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長などを兼任し、これまで多くのリーダーを世のなかに輩出してきた著者、伊藤羊一氏が、「FREE, FLAT, FUN」をキーワードに、生き方についての思いの丈を綴ったのが本書である。

リーダーシップはすべて「自分を導く」ことからはじまる。自分を知り「譲れない想い」を持ってこそ、他人や社会を導くことができるのだ――著者はそう語る。本書で言及されているのは、いわゆる「リーダー」のための狭義のリーダーシップではない。生き方という高い抽象度からリーダーシップを俯瞰的にとらえ、幸せに生きる手がかりはいつも自分のなかにあるのだと教えてくれる。

会社や組織という狭い世界にあたっていた焦点を自分に引き戻し、視野を広げてリーダーシップをとらえる。そうすることで見える景色はガラリと変わると感じた。いまリーダーのポジションにいる人なら、メンバーへの接し方がおのずと変わることだろう。「自分の人生」を生きたい人は必読の一冊だ。

ライター画像
金井美穂

著者

伊藤羊一(いとう よういち)
Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長
ヤフー株式会社 コーポレートエバンジェリスト Yahoo!アカデミア学長
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長
株式会社ウェイウェイ 代表取締役
グロービス経営大学院 客員教授

東京大学経済学部卒。1990年日本興業銀行入行後、企業金融、債券流動化、企業再生支援などに従事。2003年プラス株式会社に転じ、ジョインテックスカンパニーにてロジスティクス再編、マーケティング、事業再編・再生などを担当後、執行役員マーケティング本部長、ヴァイスプレジデントを歴任、経営と新規事業開発に携わる。2015年4月ヤフー株式会社に転じ、現在Zアカデミア学長、Yahoo! アカデミア学長としてZホールディングス、ヤフーの次世代リーダー育成を行う。また株式会社ウェイウェイ代表、グロービス経営大学院客員教授としてリーダー育成を行う。若い世代のアントレプレナーシップ醸成のために、2021年4月より武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)を開設、学部長に就任。代表作『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』は52万部を超えるベストセラーに。

本書の要点

  • 要点
    1
    「FREE」とは、常識から解放されて自分が「こうありたい」と思う生き方をすることだ。一人ひとりが自由に生きる社会になれば、それぞれがリスペクトされる存在となり、「FLAT」な世の中になる。そして自分の意思で選択することが「FUN(楽しい状態)」をつくる。
  • 要点
    2
    リーダーシップの原点は、自分の「譲れない想い」を知って自分を導く生き方にある。そこからはじめなければ、他者を導くことも社会を導くこともできない。

要約

リーダーシップの根底にある3つの価値観

リーダーのあるべき姿

著者はリーダーを、「自分を導く(Lead the self)」生き方をする存在ととらえている。自分を導くとは、自らの意思で選び、決断する生き方であり、いわば自分に対してリーダーシップを発揮することだ。理想的なリーダーシップがどこかに存在するのではなく、すべてのリーダーシップの原点は「自分を知り、自分を導くこと」にあると考えている。

リーダーは自分を導いて生きるのと同時に、「他者を導く(Lead the people)」存在でもある。また、自分や自分のまわりだけでなく、多くの人々が笑顔で生きられる幸せな社会を創る、「社会を導く(Lead the society)」存在でもある。

これら3つのリーダーシップの根底にある「ウェイ(あり方・価値観)」が、「FREE, FLAT, FUN」だ。FREEとは、常識から解放され、一人の人間として自由に生きること。FLATは、一人ひとりが、異なる意思を持つリスペクトされるべき存在であること。FUNは、一人ひとりが意思を決めて生きられれば、楽しく幸せな社会になるということ。このように働き生きることができれば、個人も社会も幸せになるに違いない。

FREE, FLAT, FUNに生きる
AlexSava/gettyimages

新型コロナウイルスの感染拡大により、毎日通うのが当然だったオフィスは「必要があれば行く」場所になった。そして、リモートワークという表面的な働き方の変化以上に、オフィスで働く人たちの内面も変化を遂げた。

私たちはいま、これまでの「常識」から解放されてFREEになり、「こうありたい」と思える生き方ができる状態に変わりつつある。そうすれば、一人ひとりが自分のありたい姿を見つめる機会が増え、誰もが「ちがう」、つまりFLATな存在であることを認める社会に近づいていくはずだ。

今後私たちは、「リモート中心で働く」という選択肢を、自らの意思で選んでいくだろう。もちろん、リモートよりも対面を好む人もいるはずだ。それは一人ひとりの考え方や意思のちがいである。

この「意思に基づく決断」が「自分で自分を導く(Lead the self)」生き方につながる。多様な選択肢の中から自らの意思で選び決断することができたなら、どんどん「FUN(楽しい状態)」になっていく。逆に、自分の意思を持てなければ、苦痛を感じることが増えていくかもしれない。自分の意思で行動や人生を決められる人こそが、楽しく生きられるのだ。

リーダーシップの原点

自分の人生を生きるためには、「自分はなんのためにそれを選ぶのだろう?」と問いを立てて考え続けることがとても大切だ。自分が目指すゴールやありたい姿を明確にイメージできていなければ、他人の指示のままに生きてしまうことになりかねない。それはもはや他人の人生を生きているのと同じである。

自分の人生を生きるとは、自分が大事にしている想いを知り、目指しているゴールを見据えて「自分を導く(Lead the self)」ということだ。それこそがリーダーシップの原点であり、「他者を導く(Lead the people)」リーダーシップにつながる。そうして一人からチームになれば、一人では成し得なかったような大きなことができるようになり、「社会を導く(Lead the society)」リーダーシップが発揮できるようになる。

【必読ポイント!】 自分を導く(Lead the self)

自分を知り、マインドを鍛える
gece33/gettyimages

「仕事力」として求められるのは、なにより「アクション(行動)」だ。しかしそれは氷山の一角に過ぎず、水面下には他人からは見えない「スキル」と「マインド」が存在する。スキルがなければアクションを支えきれないし、特に有事(非常事態)の際には、土台としての確固たるマインドがなければアクションにブレが生じる。

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要約公開日 2021.09.10
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