失敗を語ろう。

「わからないことだらけ」を突き進んだ僕らが学んだこと
未読
日本語
失敗を語ろう。
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「わからないことだらけ」を突き進んだ僕らが学んだこと
著者
未読
日本語
失敗を語ろう。
著者
出版社
定価
1,760円(税込)
出版日
2021年06月28日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

利用者数1200万人以上の資産・家計管理サービスをつくり上げた、マネーフォワード創業者の辻庸介氏。だが本書で彼が赤裸々に明かすのは、清々しいまでの失敗談だ。

要約者として特に興味深く読んだのは、「こんなサービスなら喜んでもらえるのではないか、ウケるのではないか」と意気揚々でリリースしたサービスが、大滑りしてしまったというエピソードだ。リリースしたものの、ユーザーが集まらない、まったく使ってもらえない――ユーザーは「きっとこう思うだろう」という安易な決めつけはご法度だと、あらためて突きつけられた。

この失敗からマネーフォワードは、「User Focus」を指針として掲げるようになったという。徹底的にユーザーの声を聴き、ニーズを想像し、仮説を立て、その仮説をもとに機能をリリースし、ユーザーの反応を踏まえてまた改善する――こうしたサイクルを確立したところ、サービスは急成長していった。まさに「失敗は成功の母」といえる。

起業に限らず、何か新しいことに挑戦するならば、失敗は避けられないものだ。失敗するのが怖くて挑戦できず、前に進むのを躊躇してしまうこともあるだろう。だからこそ、辻氏の行動と考え方には、大いに勇気づけられるはずだ。すべての挑戦者に、心から一読をおすすめしたい。

著者

辻庸介(つじ ようすけ)
1976年大阪府生まれ。2001年に京都大学農学部を卒業後、ソニー株式会社に入社。2004年にマネックス証券株式会社に参画。2001年ペンシルバニア大学ウォートン校MBA修了。2012年に株式会社マネーフォワードを設立し、2017年9月、東京証券取引所マザーズ市場に上場(2021年6月14日、東証一部に市場変更)。2018年2月「第4回日本ベンチャー大賞」にて審査委員会特別賞受賞。新経済連盟幹事、シリコンバレー・ジャパン・プラットフォームエグゼクティブ・コミッティー、経済同友会第1期ノミネートメンバー。

本書の要点

  • 要点
    1
    「多くの人から求められない」というつらい事実から目を背けていては前進できない。失敗経験から学び、早期に軌道修正することで、ユーザーに支持されるプロダクトは生まれる。
  • 要点
    2
    サービスが存在し続けるための条件となるのが「ユーザー」だ。ユーザーにとっての「must have=なくてはならない」存在にならなければならない。「must have」のサービスをつくるには、徹底してユーザーの声を聴くことが必要になる。
  • 要点
    3
    ユーザーは「きっとこう思うだろう」という安易な決めつけは、サービスづくりにおいては厳禁だ。

要約

違和感、怒り、焦り、そして起業へ

大企業に対して抱いた失望

著者はもともと、大学の農学部でバイオの研究をしていたが、先輩が起業した塾を手伝ったことをきっかけに、「研究よりビジネスのほうが面白そうだな」と思うようになる。大学卒業後は「グローバルに活躍できるビジネスパーソンになりたい」とソニーに就職し、経理部に配属された。

しかし働いているうちに、大企業に対して抱いていた希望が徐々に失われていった。大企業も、最初は熱い志から生まれたスタートアップだ。しかし巨大化すると、意思決定のスピードが遅くなり、現場の声はかき消されていく。

ものづくりの現場や世界各国の最前線で奮闘している同期達の姿と、本社で議論している人たちの姿とのギャップに、「同じゴールを目指すはずの仲間なのにどうして」と不満を募らせるようになった。

もう一度、明るい日本を取り戻したい
Sushiman/gettyimages

そんなとき、「マネックス証券CEO室出向者募集」という社内公募が出た。元ゴールドマン・サックスの松本大氏とソニーの共同出資で、「オンライン証券」のマネックス証券を立ち上げることになったのだ。

公募に通り、マネックス証券に行ってみると、そこには想像の何十倍も刺激的な毎日が待ちうけていた。インターネットを使って金融の常識を変える最前線の躍動に立ち会うことができたのだ。同時に、松本氏の高い要求に必死でついていくなかで、経営の知識が圧倒的に足りないことを思い知らされた。

そこでマネックスの第1号留学に手を挙げ、ペンシルバニア大学ウォートン校にMBA留学をするのだが、そこで感じたのは憤りに近い焦燥だ。日本人は優秀で真面目で、熱い思いを持っている。しかし社会には閉塞感が漂っている。将来に希望が持てず、ため息をつき、うつむいて、1歩を踏み出せない人が多すぎるのだ。「なんてもったいないのだろう」と悔しさを感じた。

対照的に、留学の際に訪れた上海は活気にあふれていた。市場に出ると、ランニングシャツに短パン姿のおっちゃんたちが、楽しそうにしゃべりながら笑っていた。その表情からは、「明日は今日よりももっと良くなる」と信じ切っているパワーが伝わってくる。「このパワーを日本にも取り戻したい」と切実に感じた。

挑戦できる人生を実現する

ある日、著者のメールボックスに「Toshio Taki」という見慣れない日本人からのメールが届いていた。その日本人こそ、後のマネーフォワード共同創業者となる瀧俊雄氏だ。瀧氏は野村証券の研究所に在籍し、家計行動や年金、金融機関のビジネスモデルを研究しており、著者と同時期にスタンフォード大学へMBA留学していた。

金融とインターネットを掛け合わせた事業アイデアについて、瀧氏とディスカッションを重ねるうちに、「日本をもっと元気にしたい。そのためにやるべきことは?」という問いへの答えが浮かび上がった。社会のパワーの源は、その社会を構成する1人ひとりのパワーだ。そして個人のパワーの源のなかでも重要なのが

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