ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2

未 読
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2
ジャンル
著者
ブレイディみかこ
出版社
定価
1,430円(税込)
出版日
2021年09月16日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
3.5
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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2
著者
ブレイディみかこ
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定価
1,430円(税込)
出版日
2021年09月16日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
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おすすめポイント

本書は大ヒットとなった『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の続編である。前作に引き続き、英国で暮らす著者のブレイディみかこ氏とアイルランド人の配偶者、その息子の、3人の日常をつづるエッセイだ。13歳を迎えた著者の息子は、人種差別や社会格差などの渦の中で翻弄されていた印象の前作に比べ、自力でそれらを乗り切るすべを身につけ、たくましく成長したように見える。前作から読んでいると、他人の子供のことながら、息子の成長に著者と一緒になってうれしさと寂しさを感じてしまう。

続編ではあるが、それぞれのストーリーは関連しながらも独立しており、本作から読み始めても十分楽しめる。著者と家族の日常を通じて描かれるのは、様々な社会問題だ。人種・格差・移民問題のほか、LGBTQやポリティカル・コレクトネスといった、ニュースで耳にするようなトピックが、日常のものとして現れる。そしてこれは、英国だけの問題ではない。「遠い外国の物語」ではなく、今、この瞬間に、私たちを取り巻いている現実なのだ。

本書は一親子の物語を越えて、全世界に住む人にとって「わがこと」である。それぞれのエピソードにはヘヴィーなテーマが多いが、それを感じさせない著者の語り口が魅力的だ。本書からは、変化の激しいこれからの社会を柔軟に生き抜くたくましさが学べるだろう。激動の今を生きるビジネスパーソンにこそ、手に取ってほしい一冊だ。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

ブレイディみかこ
ライター・コラムニスト。1965年福岡市生まれ。1996年から英国ブライトン在住。2017年、『子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)で新潮ドキュメント賞を受賞。2019年、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞、Yahoo! ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞受賞などを受賞。他に、『ワイルドサイドをほっつき歩け――ハマータウンのおっさんたち』(筑摩書房)、『THIS IS JAPAN ――英国保育士が見た日本』(新潮文庫)、『女たちのテロル』(岩波書店)、『女たちのポリティクス――台頭する世界の女性政治家たち』(幻冬舎新書)、『他者の靴を履く――アナーキック・エンパシーのすすめ』(文藝春秋)など著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    社会の多様化が進んでいるのは移民の多い英国だけではない。日本にも外国人労働者は増えている。日本で働く外国人のいる風景は、特別なことではなく、日常になりつつある。
  • 要点
    2
    「第三の性」と言われる「ノンバイナリー」やLGBTQ、「PC(ポリティカル・コレクトネス)」の問題は、テレビや新聞の中だけの話題ではなく、日常とつながっている。
  • 要点
    3
    自分の決定に、後悔する日もしない日もある。日々起こる出来事は変化し、自分自身も変化している。その繰り返しが「ライフ」だ。

要約

ミクロとマクロのリサイクル

移民と鉄くずとベビー服

著者の一家は大規模な家の片付けを始めることになった。著者の配偶者は「DIYするする詐欺常習犯」であるため、不用品はゴミ袋に収まるような規模ではなく、建設機器レンタル会社から「スキップ」を借りることになった。スキップとは廃棄物入れのコンテナだ。英国では家の建て替えをする際など、これに廃棄物を入れて、クレーンで持ち上げ、トラックで運び去る。自宅前にスキップが運び込まれたが、配偶者は物を捨てるのが苦手な性分で作業がなかなか進まず、スキップの底に20%くらい廃棄物が溜まっている段階で止まっていた。

そんなある日の朝、家の前で大きな物音がした。著者は反射的に誰かがスキップにゴミを入れたのだと思ったが、そうではなかった。鉄くずを集めているルーマニア移民が、スキップの中の物を持っていこうとしていたのだ。配偶者は彼らに古い自転車を渡し、まだ不用品が出るからまた来るように伝えていた。

翌日からルーマニア移民たちは毎朝著者の家を訪れるようになった。配偶者は鉄のついたもののほか、安全ベストや、「思い出があるから」とずっと捨てられなかった息子のベビー服まで彼らに譲った。近々子供が生まれるのだという。ルーマニア移民たちの中には子供もいたので、配偶者は息子にも不要な服があればまとめるように言った。

著者が通りかかると、息子は不要な服をまとめる手を止め、考え込んでいた。

ごみをあげようとしているのかな?
Nalin Prutimongkol/gettyimages

「僕は自分のごみを誰かにあげようとしているのかな?」

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