世界初のビジネス書

15世紀イタリア商人ベネデット・コトルリ15の黄金則
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おすすめポイント

ベネデット・コトルリ――ほとんど知られていないイタリア商人の名前である。しかし、14世紀半ばにペスト(黒死病)がヨーロッパで猛威をふるい、ルネサンス、大航海時代へと続くイタリア・地中海世界にあって、彼こそ外交官、財務総監、造幣局長まで務めた「ビジネスパーソンの父」とも呼ぶべき人物である。

現代の私たちには想像が難しいが、中世のキリスト教社会では、聖職者・封建領主・軍人の地位と比べて商人の地位は圧倒的に低かった。だがコトルリは、商売こそが人間の生活にとって有益で必要不可欠なもので、人類の発展を支える唯一の手段でもあると主張する。同時に、商人にはリベラルアーツを学べと呼びかけるのだ。

そんなコトルリが書いた『商売術の書』は、複式簿記について世界で最初に記述した画期的な書物として近年脚光を浴びるようになった。そこから現代のビジネスパーソンにより響くポイントを選び抜いて編集したのが本書だ。会計やビジネススキルについての記述にとどまらず、「商売(ビジネス)とは何か?」「商人とはいかにあるべきか?」「儲けるとはどういうことか?」「どんな心をもつべきか?」など深い洞察に満ちた本になっている。

賢く、そして誠実に働けば、名誉と富を得られると説いたコトルリ。そんな彼のメッセージは、コロナ禍に生きる現代の私たちにこそ響くものがある。彼の15の黄金則を読みやすくまとめた本書から、ビジネスの本質を学んでみてはいかがだろうか。

ライター画像
たばたま

著者

ベネデット・コトルリ(Benedetto Cotrugli)
ラグーサ共和国(現在のクロアチア、ドゥブロヴニク)生まれ。15世紀イタリアで活躍した商人。海洋都市ラグーサの名門商人一族の三男に生まれ、ボローニャ大学で学ぶ。在学中、父の病変で退学し、家業を継いで商人となる。主にヴェネツィアやナポリ、フィレンツェなどで毛織物関連の商取引を行う。アラゴン王アルフォンソ5世、フェルディナンド1世に仕え、ナポリで領事、その後、造幣局長などを務める。晩年は書物を執筆。それまでの商人の覚書や手引とは一線を画し、商人の実務一般、道徳、教育、家政などを記した、世界初のビジネス書『商売術の書』を著す。100年以上後に、多くの改竄が加えられて刊行されたが、近年、よりオリジナルに近い写本が発見され、再び注目を集める。その他の著書『航海について』が三つの写本によって伝えられているが、『花々の本性について』と『妻について』は、写本が見つかっていない。

本書の要点

  • 要点
    1
    コトルリは『商売術の書』で、商売と商人のレゾンデートル(存在理由)を示し、あるべき理想と、そのための指針を15の黄金則として提示した。
  • 要点
    2
    大胆かつ賢明に努め、困難と苦悩に耐える。長く生き続けて、一度に少しだけ儲けることが肝要だ。
  • 要点
    3
    質を追求し、会計と金融を理解し活用すること、そして儲け過ぎず契約を守ることが大事だ。
  • 要点
    4
    平穏、堅固、誠実な性格であるべきだ。逆境においても振る舞いを自制するようにしたい。

要約

【必読ポイント!】 ビジネスマインドを鍛える

黄金則1:心構え

「正しい足で出発するために、可能なことは、すべて行え」

商売は世界を真に動かしているものであり、さまざまな技芸のなかで最も高貴なものである。このように考えていたコトルリがビジネスや人生で重要だと考えていた15の黄金則の一部を紹介していこう。

まず取引や商売を始めようと望む者は、適切な場所を選ばなければならない。とりわけ法律が確固としており、行政機関が迅速で実行力に富む場所で始めるべきだ。また「大きな湖では大きな魚をつかみうる」という格言もある。商売に従事している者が多く利益を得ているような場所に住みたいものだ。

そのうえで大事なのは、自分の得意なものを見極め、経験で体得することだ。商取引を探すにあたっては、用意周到でいると同時に新しい取引を検討して試みる必要がある。有能であるからこそ新しい事柄を見いだせるのだ。

黄金則2:知力と行動力
Crisfotolux/gettyimages

「自分自身だけを信頼せよ。常に大胆かつ賢明であるように努めよ。先を見通すことを学べ。そして運命に忠実であれ」

ローマの詩人ウェルギリウスは「運命は大胆な者を助け、臆病なものを退ける」と詠う。自分自身への信頼とは、まさにこの大胆さのことであり、実行力のことだ。臆病な商人が裕福になるはずはない。

一方で、商人に最もふさわしく、必要な美徳は「思慮深さ」である。何かが起こったときにやるべきことを明確にし、それに備えておくことが大切だ。そのためには、商人には先見の明がなければならない。どこに欺瞞と虚偽が隠れているかを吟味して、見せかけの善さと有益さに騙されないようにすべきだ。

黄金則4:事業の範囲

「あなたの技芸に専心せよ。すべてを為そうと欲すべからず。他の者たちにも儲けさせよ」

古代ローマの哲学者セネカはこう述べる。「多くのものを味見しようとするのは、まさに胃の悪徳である」。重要なのは、知性と取引をただ1つの活動に集中させることだ。すべてを欲する者はすべてを失ってしまうからだ。

各々の商人を喜ばせ、利益をあげさせるとよい。一般的に、焦って富を得ようとするのはきわめて危険である。もしあなたが富裕になりたいのならば、長く生き続けて、一度に少しだけ儲けるのがよい。

コトルリ式ビジネススキルとは?

黄金則5:品質

「常に質を追求せよ。名前とブランドがすべてである。欠陥品や模造品を売るなかれ」

商人は自らの技芸において評判を保持すべきである。

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