がんばらない戦略

99%のムダな努力を捨てて、大切な1%に集中する方法
未読
がんばらない戦略
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99%のムダな努力を捨てて、大切な1%に集中する方法
未読
がんばらない戦略
出版社
出版日
2021年02月22日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

がんばればダイエットに成功できる、がんばれば貯金できる、がんばれば出世できる――私たちは「がんばれ、がんばれ、がんばれ」コールの中で日々を過ごしている。だが、がんばってダイエットしても継続できなくてリバウンドしてしまうこともある。そしてリバウンドしたときには「やる気が続かなかった。また、がんばってダイエットしよう」と懲りずに思ってしまうものだ。

本書では、ある不思議な国の物語が紹介される。物語の主人公・ミサキは、がんばることが何より大切だとされる「ガンバール国」の出身だ。がんばり続けることに飽きたミサキはある日、国民ががんばらないのに成果を出すことで知られる「ガンバラン王国」に行く。ガンバラン王国の国民は個性的だ。いつも黒いセーターとデニムのパンツを履いている人、飛び込み営業で断られるたびに喜んでいる人、「明日5時に起きますから」と突然、話しかけてくる人……そうした人たちから、がんばらなくても成果を出す方法を学んでいく。

ダイエットや貯金、英語の勉強など、継続したいことがあるのにうまくいかず、自分を責めている人も多いだろう。そんな人は、ぜひ本書を読み、がんばらなくても結果を出すための10ステップを知ってほしい。そうすれば、楽に成果を出せるようになり、続けたいことが自然と習慣化していくはずだ。がんばらないで次々に目標を達成したい人に、強くおすすめしたい一冊である。

ライター画像
木下隆志

著者

川下和彦(かわした かずひこ)
クリエイティブディレクター、習慣化エバンジェリスト。
2000年、慶應義塾大学大学院修士課程終了後、大手総合広告会社に入社。
マーケティング、PR、広告制作など、多岐にわたるクリエイティブ業務を経験。
2017年春より、新しい事業を創造し、成長させることを標榜するスタートアップ・スタジオに兼務出向。広告クリエイティブに留まらず、イノベーション創出に取り組んでいる。
やる気だけは一人前で、幼い頃から多くのことにチャレンジしてきたが、ことごとく挫折。しかし、独自の習慣化メソッドを開発して以来、貯金、ダイエット、身だしなみの改善に成功。同じ方法を適用することで、ビジネスでも快進撃を続けている。仕事で心がけていることは「Make the world a happier place(世の中をより幸せな場所にする)」。各界のオピニオン・リーダーとも親交があり、幅広いネットワークと連携しながら、その実現に向けて挑戦を続けている。
東洋経済オンラインなどで連載を持つほか、著書に『勤トレ 勤力を鍛えるトレーニング』『コネ持ち父さん コネなし父さん』(共にディスカヴァー・トゥエンティワン)、『家計簿つけたら、ヤセました!!』(あさ出版)がある。

たむらようこ
放送作家。ベイビー*プラネット代表取締役。福岡市出身。早稲田大学卒業後、内定先と間違えて電話してしまったのがきっかけで、テレビ番組制作会社に入社。ADの経験を経て放送作家に。2001年に、子連れ出勤もできる女性だけの放送作家オフィス“ベイビー*プラネット”を設立。
本書は数年ぶりに会った共著者・川下氏の変貌ぶりに驚いたことをきっかけに、習慣の大切さを物語化。大人はもちろん子どもたちにも“楽しく成果を得るヒントを届けたい"という思いで書き上げた。
これまで手がけた番組は『サザエさん』『サタ☆スマ」『めざましテレビ』(フジテレビ)、『サラメシ』『おじゃる丸」(NHK)、『世界バリバリ★バリュー』『世界の日本人妻は見た!』『教えてもらう前と後』(TBS)など多数。大ブームを巻き起こした“慎吾ママ”の生みの親でもある。

本書の要点

  • 要点
    1
    意志の力は有限だ。細かい決断をしなくていいように、毎朝の筋トレメニューやいつも着る服の組み合わせを決めておくとよい。
  • 要点
    2
    なにかを続けたいときに大切なのは、習慣をシンプルにすることと、きっかけを見つけることである。きっかけと行動をセットにして繰り返せば、やがて条件反射的に動けるようになる。
  • 要点
    3
    同じ時間に同じことをすると決めて繰り返せば、それがルーチンとなる。

要約

ガンバール国とガンバラン王国の物語

ある日、ミニ同窓会にて

本書はある日曜日の昼下がり、大学のゼミ仲間だったアリサ、ヒカル、マサトが恩師とともにミニ同窓会をしているシーンから始まる。ひとしきり昔話に花を咲かせた後、それぞれの近況へと話題が移った。

ラグビー部出身のマサトは、ダイエットが課題だという。学生時代、部活を終えた後に追加で個人トレーニングをしていたマサトの告白に、みんな驚きを隠せない。マサトは「俺って本当に意志が弱いんだよなぁー」とこぼした。

課題を抱えているのは、ヒカルとアリサも同様だった。ヒカルは英語の勉強をし直したい、アリサは今年こそ貯金したいと決心していたものの、うまくいっていない。3人ともそれぞれ目標があり、努力もしているが、途中で挫折してしまっているのだった。

そのとき、3人の話に耳を傾けていた恩師が口を開いた。彼の教え子たちの中で、成功や幸せをつかんだ子たちには共通点があるという。それは、ある物語から「ただがむしゃらにがんばるんじゃなくて、努力の仕方によってはがんばらなくても結果が出せる」と学んだことだ。恩師は3人に、その物語を話して聞かせてくれた。

物語のあらすじ
HiddenCatch/gettyimages

物語の主人公、ミサキは、両親とともにガンバール国という国に住んでいる。ガンバール国は、誰もが忙しくがんばっている国だ。ミサキは両親から「がんばりなさい」と繰り返し言われることに嫌気がさし、家を飛び出した。

向かった先は、ガンバラン国だ。ガンバラン国は“がんばらない”がルールの国なのに、スポーツが強く、豊かで、幸福度は1位という不思議な国である。

ミサキがガンバラン国に到着すると、そこには驚きの光景が広がっていた。人々がおしゃべりをしながら、あるいは一人でも楽しそうに行き交っている。誰もがスマホを覗き込みながら歩いているガンバール国とは大違いだ。

ミサキはガンバラン王国で、10人の個性的なキャラクターに出会うことになる。同じ服ばかり着ている人、ゲームばかりしている人、宣言する人……それぞれのキャラクターたちから「がんばらなくても結果が出せる方法」を学び、ミサキはガンバール国へと戻っていった。

アリサ、マサト、ヒカルの3人は恩師の話に聞き入り、およそ1週間後、再び原宿に集まることを約束して解散した。次項からは、その会で恩師がレクチャーしてくれた「変わるための10のステップ」のうち、6つを紹介する。

【必読ポイント!】変わるための6つのステップ

意志の力を使わない仕組みをつくる

ミサキがガンバラン王国で最初に出会ったのは、いつも黒いセーターとデニムのパンツを履いている男だ。彼は、本当になにかを決める集中力は1日に10回分しかないと考え、服装や食事のメニューを自動化している。

彼が教えてくれたのは、「意志の力には限りがある」ということだ。私たちは、今日がダメでも、明日から強い意志をもってがんばれば成果を出せると考えがちである。だが人間の意志は、無限にどんどんと湧き出てくるものではなく、使うたびに減っていくものだ。簡単なことをやるだけだと少ししか消費しないが、難しいことをやろうとすれば、一気に消費してしまう。

だから私たちがすべきことは、意志の力をなるべく使わないような仕組みを作ることである。細かい決断をしなくていいように、あらかじめ毎回やることを決めておこう。たとえば毎朝の筋トレメニューやいつも着る服の組み合わせ、自宅で勉強する内容などだ。このように簡単なルールを作って繰り返すことで、毎回考えるだけで疲れてしまうということがなくなる。

「義務」を「娯楽」に変える
kazuma seki/gettyimages

同じことを繰り返し実行するだけだとつまらなくて長続きしないのではないか――そう思うかもしれない。そんなときは発想を転換して「義務」を「娯楽」に変えてみよう。

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要約公開日 2021.10.15
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