NFTの教科書
ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来

未 読
NFTの教科書
ジャンル
編著者
天羽健介 増田雅史
出版社
朝日新聞出版 出版社ページへ
定価
1,980円(税込)
出版日
2021年10月30日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
3.5
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ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来
著者
天羽健介 増田雅史
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出版社
朝日新聞出版 出版社ページへ
定価
1,980円(税込)
出版日
2021年10月30日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
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レビュー

2021年、Twitter創業者、ジャック・ドーシー氏による最初のツイートが、NFTの形でオークションにかけられ、3億円超で落札された。このニュースを耳にした人も多いだろう。NFTという言葉を耳にする機会は、日に日に増えている。

さて、NFTとは一体何なのか。

NFTはNon-Fungible Token(ノンファンジブル・トークン)の略だ。本書で言うところの「世界にひとつだけのデジタル資産」である。ビットコインなどの暗号資産もNFTも、両方ともブロックチェーン技術を利用している点は共通している。ただ暗号資産は代替可能で、NFTは代替不可能な点で異なる。

NFTはひとつひとつが代替不可能なデジタル資産であり、この特性こそ、NFTが従来型ビジネスのゲームチェンジャーになり得る最大の要素だ。

これまでデジタルデータはコピーできるがゆえに、希少性はなかった。しかしこれらのデータをNFT化することにより、ひとつひとつが代替え不可能なデジタル資産となり、価値を持つようになる。

たとえばゲームなどバーチャル世界の中の土地や家、服、アバターなどはコピー可能なデジタルデータではなく、代替不可能な資産として取引されるようになる。そうなると、バーチャル世界にひとつの新たな経済圏が生まれる可能性も出てくる。

本書はNFTの特性など基本的な解説にはじまり、NFTの具体的な利用事例、NFTの可能性、NFTが抱える問題点まで、幅広く解説している。本書を読み終えた後、掴みどころがないように思えていたNFTへの理解は、格段に深まっているはずだ。

(なお、本書は28人の著者がおり、天羽、増田両氏が編著者となっている)

若旦那

著者

天羽健介(あもう けんすけ)
大学卒業後、商社を経て2007年株式会社リクルート入社。新規事業開発を経験後、2018年コインチェック株式会社入社。主に新規事業開発や暗号資産の上場関連業務、業界団体などとの渉外を担当する部門の責任者を務め国内暗号資産取扱数No.1を牽引。2020年5月より執行役員に就任。現在はNFTやIEOなど新規事業の開発や暗号資産の上場関連業務などを行う新規事業開発部門に加え、顧客対応部門を担当。2021年2月コインチェックテクノロジーズ株式会社の代表取締役に就任。日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)NFT部会長。

増田雅史(ますだ まさふみ)
弁護士・ニューヨーク州弁護士(森・濱田松本法律事務所)。スタンフォード大学ロースクール卒。理系から転じて弁護士となり、IT・デジタル関連のあらゆる法的問題を一貫して手掛け、業種を問わず数多くの案件に関与。特にゲーム及びウェブサービスへの豊富なアドバイスの経験を有する。経済産業省メディア・コンテンツ課での勤務経験、金融庁におけるブロックチェーン関連法制の立案経験をもとに、コンテンツ分野・ブロックチェーン分野の双方に通じる。The Best Lawyers in Japan 2022にFintech Practice、Information Technology Lawの2分野で選出。NFTについては、ブロックチェーンゲーム草創期である2017年末からアドバイスを開始。ブログ記事「NFTの法的論点」(https://masudalaw.wordpress.com/2021/04/06/nft/)は、法実務に関する論考としては異例の公開日3000PⅤを記録。ブロックチェーン推進協会(BCCC)アドバイザー、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)NFT部会 法律顧問。

本書の要点

  • 要点
    1
    NFTはわかりやすく言えば、「世界にひとつだけのデジタル資産」と意訳できる。
  • 要点
    2
    デジタルアートや、著作権が発生するあらゆるコンテンツビジネスは、NFTと相性が良い。
  • 要点
    3
    バーチャルの世界の中にある土地や家具、アバターなどが、価値のあるNFTとして取引されるようになると、そこにひとつの経済圏が生まれる。

要約

NFTの現状

2021年、急拡大のNFT市場

2021年3月、2つのオークションが世界的に話題となった。ひとつは、デジタルアート作家「Beeple(ビープル)」ことマイク・ウィンケルマン氏のNFT作品「Everydays - The First 5000 Days」が約75億3000万円で落札されたことである。もうひとつは、Twitterの共同創業者で同社CEOのジャック・ドーシーの初ツイートのNFTが約3億1600万円で落札されたことだ。

NFTとはNon-Fungible Token=ノンファンジブル・トークンの略である。ファンジブルは「代替可能」という意味で、ノンファンジブルは「代替不可能」を意味する。トークンは代用貨幣や引換券を指す。

NFTは、ひとつひとつが固有で唯一無二なものであり、わかりやすく言えば「世界にひとつだけのデジタル資産」と意訳することができる。

FTとNFT
peterschreiber.media/gettyimages

現在、最も広く流通しているデジタル資産はビットコイン(bitcoin)やイーサリアム(Ethereum)などの暗号資産(仮想通貨)だろう。これらはFT(Fungible Token)、すなわちファンジブル=代替可能なものである。

暗号資産もNFTも、両方ともブロックチェーンという共通の技術が使われている。暗号資産はひとつひとつに個性がなく、同じトークンが多数存在しており代替可能だ。一方のNFTは暗号資産と異なり、ブロックチェーンの中に個別の識別サイン、「唯一無二の固有のデータ」が記録されている。それにより、ひとつひとつが代替え不可能なデジタル資産となっているのだ。

NFTと親和性の高いビジネスは、キャラクターや版権に関するIP(Intellectual Property)、すなわち知的財産のビジネスである。

前述のデジタルアートや著作権が発生するあらゆるコンテンツビジネスは、NFTと相性が良い。

将来的にオリジナルデータの売買、再販や権利取引などが、NFTを用いた仕組みに置き換わると仮定する。すると、リアルの小売業がネット通販に置き換わっていったのと同じように、NFTビジネスは莫大な潜在的可能性を秘めていると言える。

NFTビジネスの事例

NFT×アート

NFTで最も話題になっているのがアート作品である。NFTアートブームのきっかけとなったのは、「CryptoPunks(クリプトパンクス)」というNFTアートプロジェクトだ。

Larva Labs(ラルバラボズ)社が2017年6月からはじめたこのプロジェクトは、世界初のNFTアートとされる。24×24ピクセルのアートでゾンビを基調とし、AIによってつくられた1万体のゾンビのアートだ。コンピューターによる機械的かつ無作為に生成された「ジェネレイティブアート」であることが特徴だ。

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