暴露

スノーデンが私に託したファイル
未読
日本語
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暴露
出版社
新潮社
定価
1,870円(税込)
出版日
2014年05月14日
評点
総合
4.3
明瞭性
5.0
革新性
5.0
応用性
3.0
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おすすめポイント

2013年、米国の情報技術者、エドワード・スノーデンが、実名を公表し米国の最高機密文書を世界中に公開した出来事は、日本でも大々的に報道された。本書は、スノーデンから全幅の信頼を寄せられ、数万に及ぶ機密文書を託されたジャーナリストが、スノーデンと初めて接触してからの一部始終を記した渾身のルポタージュである。

「スノーデンのファイル」が世界にこれほど大きな衝撃を与えたのは、その機密文書が、アメリカ政府が無差別に、そして大量に、市民の通信を傍受していることを明らかにする内容だったからだ。スノーデンが公開した機密文書からは、「すべてを収集する」という戦略の下、通話、メール、オンラインチャットなど、国家がありとあらゆる通信データを収集する監視社会の実態が浮き彫りになる。

要約では、スノーデンとの接触から、「史上最大のリーク」が行われるまでのいきさつを記録した第1章、第2章を紹介する。スパイ小説さながらの手に汗握る展開で、ページをめくる手が止まらなくなること請け合いだ。

常に監視されていると思い込むことにより、「見られている」という恐怖から、人は自ら従うことを選択するようになるという。人々に自由を与えるツールとされてきたインターネットは、国家による監視・抑圧の道具と化してしまうのか。本書を紐解き、人生を賭けて世界中に議論を起こそうとしたスノーデンの声に、ぜひ耳を傾けてほしい。

ライター画像
髙橋三保子

著者

グレン・グリーンウォルド
1967年、ニューヨーク生まれ。ジョージ・ワシントン大学卒業、ニューヨーク大学法科大学院修了。 ジャーナリスト、弁護士。〈ガーディアン〉〈サロン〉などに寄稿するほか、著者多数。スノーデン文書のスクープを筆頭に、調査報道で数々の賞を受賞。2014年初頭、新たなメディア媒体 〈インターセプト〉を共同創刊。ブラジル在住。

本書の要点

  • 要点
    1
    「スノーデンのファイル」には、アメリカ政府が、世界中の通信データを無差別に、そして大量に収集している証拠となる重要機密文書が多数収められていた。
  • 要点
    2
    CIA、NSAで上級サイバー工作員としての訓練を受けたスノーデンは、この事実を世界中の人々に知らせなければならないという使命感から、内部告発を決意した。
  • 要点
    3
    スノーデンの「暴露」により、デジタル時代における個人のプライヴァシーのあり方について、世界規模の議論が巻き起こった。

要約

接触

「極秘文書をリークしたい」

2013年、著者とドキュメンタリー映画作家のローラ・ポイトラスは、ある匿名の人物から受け取ったメールについて話し合っていた。メールには、その人物が、合衆国政府が世界じゅうの人々に対しておこなっているスパイ活動についての文書にアクセスできる立場であることが説明され、「それらの極秘文書をリークしたい」と書かれていた。

数週間後、オンライン上で安全に会話できる暗号プログラムOTRを通じて、著者はスノーデンと直接会話をする。「プライヴァシーやインターネットの自由、国家による監視の持つ危険性について、世界じゅうで議論するようになってほしい」とスノーデンは目的を語った。「この情報を漏洩したのが私だということも明らかにしたいのです。どうしてこんなことをするのか、何を達成したいと考えているのか説明する義務があると信じるからです」。すぐに香港に来てほしい、そこでじっくりと話がしたいとスノーデンは言った。

NSAが〈グーグル〉〈フェイスブック〉等のサーバーからデータを収集
Sirikornt/iStock/Thinkstock

彼がどんなたぐいの漏洩をしようとしているか理解しておきたいので、文書をいくつか見せてほしいと要請すると、およそ25の文書を含むファイルが送られてきた。「それらはほんの一口、お味見ということで。大きな氷山のほんの一角です」とスノーデンは説明していた。

無作為に選んだ文書をクリックすると、パワーポイントで作成された最高機密文書が現れた。タイトルは「PRISM/US-984XNの概要」。どのページにもインターネット関連最大手9社のロゴが描かれている。〈グーグル〉〈フェイスブック〉〈スカイプ〉〈ヤフー〉〈AOL〉〈スカイプ〉〈ユーチューブ〉〈アップル〉など。最初のスライドに、「PRISM」と呼ばれるプログラムのことが説明されていた。NSA(国家安全保障局)はそのプログラムのもと、彼らの弁を借りれば、それらのサーヴィス・プロバイダーのサーバーから、「直接データを収集していた」というのだ。

60年以上にわたるNSAの歴史において、これほど重大な文書が漏洩したことはない。そんな文書が著者の手元に数十もあるのだ。それだけではない。スノーデンは、もっともっと多くの文書を渡すと言っているのだ。すぐに香港へ行かなければならない。

香港へ

totallyPic.com/iStock/Thinkstock

機上にあって、著者たちは数万の最高機密文書を手のうちに収めていた

ローラと共に香港へ向かう道中、彼女がバックパックからUSBメモリを取り出し、極度に張りつめた面持ちで「これ、なんだかわかる?」と言った。

「なんだい?」

「文書よ」と彼女は言った。「これに全部はいってる」。

それから機内での16時間、読むこと以外は何もしなかった。次から次へと文書を貪るように読み、無我夢中でメモをとった。強烈で、ショッキングなファイルばかりだった。

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