伝わる仕組み

毎日の会話が変わる51のルール
未読
日本語
伝わる仕組み
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日本語
伝わる仕組み
出版社
定価
1,650円(税込)
出版日
2022年02月16日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

本書は日本テレビの藤井貴彦アナウンサーによる、前作『伝える準備』に続く2冊目の著書である。前作では人に思いを伝えるための「準備」として、「5行日記」や日々の心構えを中心に紹介した。本書では日常や仕事の場において、実際に言葉を伝える「実践」のための書とも言える。

非対面やオンラインでのコミュニケーションが増える中、言葉の重要性はかつてないほど高まっている。伝えたつもりが伝わっていなかったり、本意でない伝わり方をして関係がこじれてしまったりすることも少なくない。SNSなどによって簡単に言葉が拡散してしまう現代、伝え方には一層の配慮を要する。

藤井氏は「相手の立場で言葉を選び出す」重要性を強調する。そのために、言おうとする言葉をまず自身にあてがって「言葉の試着」をしてみる。もちろん、結果的にどう伝わるかは相手にしかわからない。しかし何度も言葉の試着を繰り返すことで、不用意な発言による後悔は減らせるという。

社内コミュニケーションに役立つ話題も満載だ。現在50代の藤井氏は、年の離れた後輩たちを指導する立場にもある。世代も感覚も違う後輩たちとの接し方は、部下との関係に悩むリーダーの参考になるだろう。その他にも「会話で相手に気持ちよく話してもらうコツ」や「沈黙回避の方法」など、ベテランアナウンサーならではの知見が豊富に盛り込まれている。

「伝わる言葉」は、ほんの少しのコツと準備によって紡ぎ出される。ぜひとも、本書でその仕組みを会得していただきたい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

藤井貴彦 (ふじい たかひこ)
1971年生まれ。神奈川県出身。慶応義塾大学環境情報学部卒。1994年日本テレビ入社。スポーツ実況アナウンサーとして、サッカー日本代表戦、高校サッカー選手権決勝、クラブワールドカップ決勝など、数々の試合を実況。2010年2月にはバンクーバー五輪の実況担当として現地に派遣された。同年4月からは夕方の報道番組「news‌every.」のメインキャスターを務め、東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨などの際には、自ら現地に入って被災地の現状を伝えてきた。新型コロナウイルス報道では、視聴者に寄り添った呼びかけを続けて注目された。著書に『伝える準備』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    人に何かを伝える時は「言葉の試着」をしよう。「その言葉を言われたらどう感じるか」を自分にあてがってみることで、相手の立場で言葉を選べるようになる。
  • 要点
    2
    相手に気持ちよく話してもらうには、事前に情報を調べて「相手を知ること」、頷きなどで「背中を押すこと」、話を理解していることを示すために「質問すること」の3つのステップを踏むといい。
  • 要点
    3
    人への励ましは自分本位であってはならない。結果が出ず悩んでいる人には「俯瞰」によるメッセージを贈ろう。

要約

【必読ポイント!】コミュニケーションに必要なこと

言葉を「試着」してみる
taa22/gettyimages

人に何かを伝える時、著者は必ず「言葉の試着」をしている。言葉を試着するとは、「誰かからその言葉を言われたらどんな思いになるか」を、自分にあてがってみることだ。

例えば「もう少し優しく接した方がいいんじゃない?」と、自分が言われたらどう感じるだろうか。おそらく、気の利かない、雑な人間だと言われているような気になってしまうだろう。言葉を試着してみるだけで、相手の立場で言葉を選べるようになる。

新型コロナウイルスの感染拡大によって余裕をなくしていった世の中では、スーパーのレジやタクシー運転手など、人と接触する機会の多い仕事の人たちが悲しい扱いを受けた。

「もう少し優しく接することはできないだろうか」。そう感じた著者は、言葉の試着を繰り返した末、「神対応」という言葉にたどり着いた。「お客様は神様ですから、店員さんにも神対応でお願いいたします」

アイドルがファンに対して、期待以上の対応をしてくれた時につかう「神対応」。「謙虚な気持ちで」「身内だと思って」など、いくつかの言葉を着せ替えてみたが、インパクトがあって誰も傷つけず、かつ「一言」で表現できるこの言葉を選択した。

とはいえ、中には「神のように上から目線で」と誤解する人もいた。他人がどう受け取るかは正確に予測できない。しかし、言葉がどう届くかを再度確かめることで、後悔のない言動につながっていく。

言葉は「うす味」を目指そう

メッセージは「うす味」がちょうどいい。うす味とは、「その言葉に味の調整をする余地を残しておくこと」である。

うす味を目指すのは、「言葉を必要としている人に伝える」ためである。著者が担当しているニュース番組では、困っている人や助けが必要な人に向けてのメッセージが多くなる。そんな人たちへは「安心してもらえる味付け」が求められる。

単なるうす味でなく、思いが伝わる「旨味」のある言葉を添えることも大切だ。旨味を生かすには、言葉の味付けはうす味の方がいい。

うす味の実現には「味の確認」が必要となる。言葉の着せ替えと同様に、狙い通りの味が出せたかを再確認する。言葉を発する側の感情は強めに出やすいため、この確認はとても重要だ。

例えば、なかなか成長しない後輩に発破をかけたいとする。「もっと勉強しろ」と言いたいところだが、味が濃すぎて相手は受け付けないだろう。その場合、少し薄めて「そろそろ勉強したら?」、さらには「勉強するには、いいタイミングなんじゃない?」と言い換えてみる。後者には「いいタイミング」という旨味の言葉を加えている。これでようやく、後輩は動き出してくれるかもしれない。

「指示から提案へ」変え、そして「ウィットとメリット」を添えると、同じメッセージでも伝わり方がまるで違ってくる。これが、伝わる仕組みである。

会話を「乗せる」3つのステップ

誰かと会話をする時、相手に気持ちよく話をしてもらうためには、次の3つのステップを踏むとよい。

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