メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術

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メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術
著者
出版社
ダイヤモンド社

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出版日
2022年01月11日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

2014年、ある一人の幹部自衛官が職場で倒れた。歴代成績優秀者にも選ばれるほどのエリートだった。ところが、上司のパワハラと早朝から深夜に及ぶ激務が重なり、勤務中に倒れ、うつ病と診断される。その後、彼は通院しながら徐々に心の状態を回復させていった。メンタルダウンが彼自身の生き方や人生観を大きく変えた――。

上記は、本書の著者が経験した出来事である。これほど過酷な状況を乗り越えた著者が、自らの経験をもとに「この世を生き抜く最強の技術」を惜しみなく紹介してくれるのが本書だ。具体的には、自分らしく楽しく生きるための人生戦略の考え方、メンタルの整え方、人間関係の課題を解決する方法などである。

著者は、自衛官の職務と一度地獄を見た経験から、人生においても危機管理が必要で、自分の心身を守ることが何よりも大切だと気づいたという。本書を読めば、危機を察知して回避し、心穏やかに生きるための方法を学べるだろう。

著者は、メンタルダウンを起こした頃、「他人」をものすごく意識していたと振り返る。現在過酷な状況に身を置き、心身ともに疲労を感じている方はもちろん、過度に他人を意識して、自分らしい生き方を忘れているという方にもぜひ本書をお読みいただきたい。きっと光が差し込み、視界が開けてくるのではないだろうか。

著者

わび
航空業界で働く危機管理屋。某国立大学卒業後、陸上自衛隊幹部候補生学校に入隊。高射特科大隊で小隊長になり、その後、師団司令部や方面総監部に勤務。入隊後10年間は順風満帆だったが、早朝から深夜までの激務と上司によるパワハラが重なり、メンタルダウン。第一線からの異動を経て、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、市役所に転職。激務だった自衛隊時代に比べると天国のような場所だったが、自らの成長の機会を得るため、転職後1年半で航空業界にキャリアチェンジ。給料は市役所時代の倍に跳ね上がった。自衛隊などの社会人経験で身につけたメンタルコントロール術、仕事や人間関係に対する向き合い方などを中心にツイッターで発信を開始。普通の会社員にもかかわらず、開始して2年でフォロワー数が8万人を突破。ツイートはネットニュースなどにも取り上げられ、人気を博している。

本書の要点

  • 要点
    1
    パワハラ上司によってメンタルダウンを味わった著者は、定年間近の自衛官との出会いを機に、戦略的な考え方や自分のことを自分で守る技術を学んでいった。
  • 要点
    2
    自分に合う場所は必ずある。今だけの評価で自分を値踏みしてはいけない。
  • 要点
    3
    パワハラをする人は反抗しない人に狙いを定める。「一線を越えてきたら撃ちますよ」の気概を持つとよい。
  • 要点
    4
    世の中の一般論に惑わされず、自分だけの人生を楽しもう。

要約

エリート街道から地獄へ。そして奇跡の大復活

自衛隊幹部のエリートコースから一転、パワハラの標的に
KatarzynaBialasiewicz/gettyimages

著者の自衛隊人生は順風満帆だった。陸上自衛隊の一般幹部候補生に合格し、幹部候補生学校から社会人としての生活をスタートさせた。そこでは、どんなにつらくても、「剛健(心身が強くたくましいこと)」の一言で一蹴されてしまう風土があった。

周囲の環境に影響されやすい著者は、見事に剛健色に染まり、「意識高い系」の幹部自衛官としての道を歩み始めていく。激務ながらも環境や人間関係に恵まれ、短期間で圧倒的な経験値を手にして「幹部上級課程」に入校。首席で修了し、歴代成績優秀者に名を連ねた。

一方、プライベートでは上級課程入校前に妻の妊娠が判明。無事に男女双子の子供を授かった。初めての子供で、しかも双子ということもあり、著者は妻の実家に近い駐屯地への転属希望を出した。希望通りの転属が叶ったものの、これが転落のきっかけとなる。

転属先で著者が担当したのは情報業務だ。ほとんどが機密情報のため神経を使ううえに、調整業務も複雑だった。このような業務では人間関係が生命線だ。しかし、不運なことにこの部署の上司がいわゆる「パワハラ上司」であった。

業務の報連相を19時過ぎまで後回しにされ、そこから長時間の指導と人格否定などの精神攻撃が始まる。著者の帰宅時間は毎日深夜に及び、翌朝は5~6時の早朝に出勤することを強いられた。さらには部署の全員の前で精神攻撃を受けるなど、パワハラはエスカレートしていく。最終的に著者は、「自分が飲む缶コーヒーの種類で怒られるのではないか」と本気で思うほどの精神状態に追い込まれた。

メンタルダウンと回復の兆し

仕事で身体、パワハラで心を消耗した著者は、ついには全く眠れなくなった。妻も初めての育児で体力的・精神的に疲弊していた。藁にもすがる思いで上司に相談するも、一蹴されてしまう。そして2週間後、著者は叫びながら職場のデスクの下に潜ってそのまま病院に運ばれた。著者にはこの時の記憶がない。診断結果は「過労」「うつ病」「不安神経症」で、3カ月以上の休養が必要と伝えられた。

職場に報告するとすぐに3カ月の休職を認められ、自宅での療養を開始。パジャマで部屋にこもり、風呂も入らず、薬を飲んで眠るという日々を繰り返す。著者は医師から実家療養を勧められて帰省したが、道中にふと「死のう」と思いつく。

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要約公開日 2022.03.01
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