1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365

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出版社
出版日
2018年04月27日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

1日1冊の要約を読み続けることで、世界が広がっていく。「読書の入り口」としての要約の利点を実感している要約読者の方も多いことだろう。自分の好みで本を選ぶといつも同じようなものばかり見てしまうが、最初の一歩さえ踏み出すことができたら、思っていたよりも簡単に、新しい世界に触れることができる。

本書『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』は、新しい世界への間口を広げてくれる「最初の一歩」にうってつけの一冊である。古今東西の幅広い知識教養が非常にコンパクトにまとまっており、しかも1トピック1ページという手軽さ。内容は歴史・文学・芸術・科学・音楽・哲学・宗教の7つの分野に整理され、1日1ページずつ読んでいけば1年で読み終わる算段だ。ページあたりの文章量は5分もあれば読了できる程度で、日々の「知的筋トレ」にこれほど適した本はないだろう。どの分野も大まかに時系列で掲載されており、読み進めるうちに点と点が繋がって線になることもある。脳内に新たな回路が形成され、知的好奇心が刺激されること請け合いだ。

要約では365のトピックより、昨今ニュースを賑わす時事問題や身近な事象に関連するものを中心に抜粋した。紹介できたものはほんの一部にすぎない。要約を読んだら、実際に本書を手元に置いて、広くて深い世界の教養に触れていただきたい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

デイヴィッド・S・キダー(David S. Kidder)
起業家として、いくつかの会社を創設。直近では、起業家精神を活用して大企業の再生・活性化を支援するバイオニック社を共同で設立し、現在は同社のCEOを務める。彼と、彼が設立した数々の企業は、これまでに『ニューヨーク・タイムズ』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『USAトゥデイ』など、多くの新聞・雑誌で記事に取り上げられている。

ノア・D・オッペンハイム(Noah D. Oppenheim)
ニュース制作会社NBCニュース社長。テレビのほか、新聞ジャーナリズムと映画製作でも広範な経験を持つ。

本書の要点

  • 要点
    1
    本書には毎日1ページずつ、知性を鍛え教養を活性化させるための読み物が365日分収められている。読み物は、歴史・文学・芸術・科学・音楽・哲学・宗教の7つの分野に分かれている。
  • 要点
    2
    中世ヨーロッパで流行したペスト(黒死病)は、多くの人命を奪っただけでなく、社会秩序や法も破壊した。その結果、ルネサンスへの道が開かれていった。
  • 要点
    3
    スペイン内戦時、民間人のみを狙った人類至上初の空爆に衝撃を受けたピカソは『ゲルニカ』を制作した。
  • 要点
    4
    起源を同じくするカトリック教会と東方正教会は、11世紀以降大きく異なった道を歩んでいる。

要約

【必読ポイント!】歴史

黒死病
vabadov/gettyimages

アジアで生まれたペスト(黒死病)は、1347年から1350年に大流行した、極めて伝染力の高い細菌性の病気であった。衛生状態の悪い中世ヨーロッパで猛烈に広がり、患者は感染してからわずか数日で死に至った。この期間だけでヨーロッパ人口の3分の1が命を落とし、1347年以前のレベルの人口に戻るには400年を要することとなった。

中世イタリアの作家であるジョヴァンニ・ボカッチョは、災厄に見舞われたフィレンツェで、人の法も神の法も権威を失い、あらゆる職務が放棄され、秩序が崩壊した様子を描いている。多くのキリスト教徒が「ペストはユダヤ人のせいだ」と激怒し、各地でユダヤ人の虐殺が起こった。また、神がこのような病を放置するはずがないことから、多くの人がカトリック教会の教えや既存の社会秩序に疑問を抱くようになった。ペストをきっかけにして中世の封建秩序は崩壊し、ルネサンスへの道が開かれていった。

イギリスの北アメリカ植民地

17世紀初頭、大きく分けて二種類のイギリス人グループが、北アメリカに入植した。第一のグループは、新大陸に富を求めて現ヴァージニア州ジェイムズタウンに入植した事業家たちだ。彼らは利益を上げることに熱心で、ヴァージニア植民地は商業的に大成功を収めた。

現マサチューセッツに入植したもう一つのグループは、イギリスでは認められていなかった信心の自由を求め、この地に全世界の見本となるような共同体を作ろうとする聖職者たちだった。聖書に基づく厳しい法律を施行し、社会道徳を強制することに熱心だった。

13植民地のうち、残る11の植民地でも、こうしたふたつの相反する特徴が見られた。多くの歴史学者は、この二種類のグループの存在が、今なおアメリカ人のアイデンティティに残る緊張状態の発端であると考えている。

異なる入植者グループの間に親近感はなかったが、本国イギリスの支配に憤慨していることでは一致し、それを通じて13の植民地は連帯していった。

ピョートル大帝

ロシア皇帝のピョートル大帝は、1682年から1725年の43年に渡りロシアを統治した。フランスのルイ14世に倣って絶対君主として君臨し、首都サンクトペテルブルクに豪華な宮殿を新たに建設した。

それまでロシアは完全にヨーロッパ的でも完全にアジア的でもなかったが、ピョートルはロシアを完全にヨーロッパの一員にした。ヨーロッパ諸国との関係を強め、服装にもヨーロッパの習慣を取り入れ、ロシアの軍と行政組織もヨーロッパの基準に合わせて再編した。

ピョートルの死後200年間にわたり、ロシア帝国はヨーロッパの大国であり続けた。しかし、専制政治と農奴制により、ロシアでは強力な中産階級が育たなかった。ピョートルの子孫たちのロシアの統治は、1917年のロシア革命まで続いた。

科学

ダーウィンと自然選択
recep-bg/gettyimages

生物がなぜ進化するのかという理論をはじめて提唱したチャールズ・ダーウィン(1809〜1882)は、イングランドの裕福な紳士階級の家に生まれた。

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要約公開日 2022.03.30
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