なぜか好かれる人の「言葉」と「表現」の選び方

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なぜか好かれる人の「言葉」と「表現」の選び方
出版社
明日香出版社

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出版日
2022年02月17日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

世の中には「なぜか好かれる人」がいる。反対に、一緒にいるとストレスがたまる人や威圧感のある人も存在する。両者の違いは、その人が使っている「言葉」にあるのかもしれない。

本書は、「伝えること」のプロ、元NHKアナウンサーの牛窪万里子氏による、言葉や表現の選び方の指南書だ。オンラインでのコミュニケーションが増えた今、「言葉」はますます存在感を増している。文字や音声だけでのやりとりや、表情や声の調子が伝わりづらいテレビ電話でのコミュニケーションでは、使う言葉があなたの印象を決めると言っても過言ではない。

本書では、「お願いの言葉」や「注意の言葉」、「感謝の言葉」など、シーンごとに、なぜか好かれる人の伝え方がまとめられている。例えば資料送付を依頼する際は、「資料を送ってもらえますか?」よりも「資料を送っていただけますか?」の方が丁寧で、最も良い表現は「資料を送っていただけると助かります」だ、といった具合である。それぞれの根拠も添えられているので、納得しやすく、記憶に残りやすい。

人と人との物理的な距離が遠くなっている今だからこそ、本書を読んで、自分が普段使っている言葉を見つめ直してみてはどうだろうか。言葉を見直せば、人間関係が円滑になり、ビジネスにもいい影響があるはずだ。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

牛窪万里子(うしくぼ まりこ)
(株)メリディアンプロモーション代表取締役
成蹊大学卒業後、サントリーを経て、1995年からNHK横浜放送局、98年からNHK首都圏放送センターにてラジオ・テレビのキャスターやリポーターを務める。
02年に株式会社メリディアンプロモーションを設立。
NHK「おはよう日本」「首都圏ネットワーク」、CS朝日ニュースター「政治学原論」、テレビ東京「レディス4」、FM OSAKA「アンミカのレディオ・フィーカ」等にレギュラー出演。
現在はラジオ「身近なことからSDGs」(全国11局)パーソナリティーとして出演中。
その他、イベント司会や大手企業の講演会や研修の講師など幅広く活躍している。
全米NLP協会公認公式認定・日本NLP協会公認公式認定プラクティショナー・LABプロファイルマスタープラクティショナー・コミュニケーション検定上級の資格取得。

本書の要点

  • 要点
    1
    相手の記憶に残るようないい言葉を贈ろうとする配慮が、あなたの印象を決め、相手との強い信頼関係を築く力となる。
  • 要点
    2
    相手に自分の意図を正しく理解してもらうためには、できるだけ具体的に伝えることが大切だ。「この仕事、すぐにやってもらえる?」よりも「この仕事、○○時までにやってもらえる?」という表現の方が、誤解を生みにくい。
  • 要点
    3
    部下の指導においては、感情をぶつけるのではなく、相手に響く言葉で注意することが肝心だ。
  • 要点
    4
    感謝の気持ちを表したい場合は、難しい表現を使うよりも、飾らない言葉でストレートに伝えよう。

要約

【必読ポイント!】 言葉や表現を変えるだけでこんなに印象が変わる

ネガティブな事象もポジティブに表現する

起こった出来事は同じでも、それをどう解釈するか、どんな言葉で表現するかによって、捉え方やわき起こる感情は異なるものだ。

著者がNHKの新人アナウンサーだったとき、取材対象者との行き違いがあり、直前になって取材を断られてしまったことがあった。落ち込む著者に、当時の上司は「今回のことを教訓に、次につなげればいいよ」と声をかけてくれた。この言葉にどれだけ救われたことだろう。この上司が「失敗」を「教訓」と言い換えてくれたからこそ、仕事に対するモチベーションを下げることなく、失敗を次に生かすことができたのだ。厳しく叱責されていたら、アナウンサーの仕事を続けることはできなかったかもしれない。

言葉は、人の気持ちを左右する。相手の記憶に残るようないい言葉を贈ろうとする配慮が、あなたの印象を決め、相手との強い信頼関係を築く力となる。

怒られても応援されていると受け止められる愛情表現
JackF/gettyimages

部下がミスをしたとき、あなたはどんな言葉をかけるだろう。感情をあらわにして、怒鳴りつけたり、叱責したりしていないだろうか。

まずは、「怒り」の裏にある残念な気持ちや悲しみ、悔しさなどといった感情をコントロールしよう。その上で、具体的にどうしてほしいのかを相手に伝える。言いづらいことや相手が不快に思うかもしれないことならば、「あなたのために正直に伝えるね」などと前置きするのもいいだろう。相手に望むことを具体的に伝え、それが相手にとってプラスになるのだということを理解してもらえるように、思いやりをもって表現することが大切だ。

遠回しではなく、ストレートに言う

日本人は遠回しな表現を好む傾向がある。だが、ビジネスの場面では、あいまいな表現は避けるべきだ。

特に「Yes」「No」は、はっきり伝えなければならない。「できること」と「できないこと」を明確に伝えなければ、誤解を生み、トラブルに発展しかねないからだ。

「無理です」と言いにくいなら、「難しいです」くらいの表現でも構わない。あとになって「やっぱりできませんでした」となる方が、相手にとっては迷惑だ。

あいまいな表現は、相手の都合のいいように解釈されてしまいがちだ。ビジネスシーンでは自分の意思をストレートに伝えるよう心がけたい。

相手が快く動く「お願いの言葉」

「この仕事、〇〇時までにやってもらえる?」

「この仕事、すぐにやってもらえる?」と言われたとき、「すぐに」の感覚は人によって異なる。著者自身、出勤直後に上司から「この仕事、すぐにやってもらえる?」と言われ、「午前中いっぱいくらいかな」と勝手に解釈したところ、相手の真意は「今すぐに」だったようで、「遅い」と叱られてしまったことがあった。

人は言われた言葉を自分の思い込みで受け止めてしまうものだ。誤解を防ぎ、相手に自分の意図を正しく理解してもらうためには、内容をできるだけ具体的に、省略せずに伝えることが大切だ。

「この仕事、すぐにやってもらえる?」よりも、「この仕事、優先的にやってもらえる?」と言った方が、今やっている仕事の手を止めて先にやってほしいことが伝わる。さらに「この仕事、○○時までにやってもらえる?」と具体的に言えば、相手は指示を計画的に実行できるようになるだろう。

「資料を送っていただけると助かります」

相手に何かを依頼するとき、

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要約公開日 2022.05.11
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