自分で始めた人たち
社会を変える新しい民主主義

未 読
自分で始めた人たち
ジャンル
著者
宇野重規
出版社
定価
1,870円(税込)
出版日
2022年03月01日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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社会を変える新しい民主主義
著者
宇野重規
未 読
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定価
1,870円(税込)
出版日
2022年03月01日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「民主主義」というと、自分とは遠い存在、「上の人たちがやっていること」という感じがしてしまう。政治参加の方法といえば、選挙やデモ。日常に政治が結びついているという手触りも、自分が社会を変えていけるという実感もしづらいものだ。

そんな民主主義の姿を残念に思い、今こそ民主主義を自分たちのものにする必要があると呼びかけるのは、政治思想史の研究者である本書の著者、宇野重規教授だ。本書は、「チャレンジ!!オープンガバナンス(COG)」という企画を通じて著者が出会った人々との対話から生まれた。COGでは、自治体と市民・学生が協働し、地域の課題の解決を目指してコンテスト形式のプレゼンを行う。多くの人の熱意に触れるうち、著者は「これこそ民主主義だ」と思うようになったのだという。人々が自分たちの社会のことを自分たちで解決していくことにこそ、民主主義の強みがあるのだ。かくいう要約者も、地域コミュニティの活動に参加しているが、それが民主主義という視点から捉えられることに気づいていなかった。

著者のねらいは、新しい民主主義論を読者と共に生み出すことだ。わたしたちと同じような立場の人が、自らのアイデアや熱意で実際に社会を変えている様子を目の当たりにすると、自分にも何かできるのではないかと勇気が湧いてくることだろう。やわらかな語り口でありながら、著者の指摘は鋭く、本質的だ。民主主義を遠くに感じている方にこそ、ぜひ本書を手に取っていただきたい。

ライター画像
しいたに

著者

宇野重規(うの しげき)
1967年東京都生まれ。政治学者。東京大学社会科学研究所教授。
東京大学法学部卒業。同大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。専攻は政治思想史、政治哲学。
『政治哲学へ――現代フランスとの対話』(東京大学出版会)で2005年度、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞を、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社学術文庫)で2007年度サントリー学芸賞(思想・歴史部門)をそれぞれ受賞。
その他、『民主主義とは何か』(講談社現代新書)、『保守主義とは何か――反フランス革命から現代日本まで』(中公新書)、『未来をはじめる―― 「人と一緒にいること」の政治学』(東京大学出版会)、『民主主義を信じる』(青土社)など著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    現在のデジタル化の進展が、民主主義の新たな展開をもたらす可能性をもっている。技術の変化は、政治や経済、社会のあり方を変えてこそ意味がある。
  • 要点
    2
    民主主義とは、選挙に限るものではない。人々が自分たちの社会の問題を自分たちの力で解決していくことこそが民主主義である。
  • 要点
    3
    今後の民主主義の鍵を握るのは人の力である。それは平場で発揮される強いリーダーシップであり、重要なのは「人間力」そして「言葉」の力である。
  • 要点
    4
    自らが身体を動かして何かを変えていくという経験を積む先に、日本の民主主義の未来がある。

要約

【必読ポイント!】社会を自分たちの手で変える、オープンガバナンス

今こそ、民主主義を自分たちの手に

本書は「チャレンジ‼オープンガバナンス(Challenge Open Governance: COG)」という企画を通して生まれた対話を集めたものだ。COGは、自治体とタッグを組んだ市民や学生チームが、地域の課題解決のアイデアを応募する、コンテスト形式のプレゼン大会だ。2016年の初回以来、著者はこのCOGの審査委員を務め、運営事務局や参加者の方の熱意や創意工夫に心打たれ、「これこそが民主主義だ」と思うようになった。

本書の目指すところは、この感動を多くの人に知ってもらい、市民と行政が協働で地域の課題解決に取り組む「オープンガバナンス」に、多くの人に加わってもらうこと、さらには日本に真の意味での政治参加の文化を定着させることである。

日本社会にふさわしい民主主義を目指して
smartboy10/gettyimages

本書の主なポイントは三点ある。

第一のポイントは「デジタル化時代の民主主義」だ。かつて郵便と印刷術が人々の平等化につながったように、現在のデジタル化の進展も民主主義の新たな可能性を開くかもしれない。いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)も、単なる技術的変化ではなく、政治や経済、社会のあり方を変えてこそ意味がある。

第二は、「日常に根差した民主主義」である。選挙だけが民主主義ではない。地域の社会的課題を市民自ら解決していくことこそが民主主義だ。「政府」や「役所」もそのための手段にすぎない。わたしたちは民主主義を自分たちのものにする必要があるのだ。

第三のポイントは「社会を変える人の力」である。著者がCOGなどの場で出会った平場で発揮される強いリーダーシップを持っている人たちは、自らの情熱と行動、そして魅力的な「言葉」で人を動かしていた。そこにはその人の人格に根ざす「人間力」のようなものが重要な働きをしているように感じられた。

本書を手に取った皆さんには、新たな民主的な政治参加の文化の確立に加わり、日本社会にふさわしい新たな民主主義論を共に生み出してもらいたい。

ボランティアから始めた人

SDGsの達成のために、自分たちができること

SDGs(持続可能な開発目標)に掲げられたさまざまな問題を解決していくことは、私たちの最大の課題だ。自分たちが実際に何をすればいいかを考えるにあたって、著者は学生団体VONS(Volunteer by Okinawa Next generation and Students)の創設者である平敷雅(へしきみやび)さんと、NHKの報道番組「クローズアップ現代」で23年間キャスターを務めた国谷裕子さんと議論を交わした。

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