メタバースとWeb3

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メタバースとWeb3
出版社
エムディエヌコーポレーション

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出版日
2022年04月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

今後20年で世界で起きる大きな変化は「バーチャルファースト」への移行である。そう言われても、多くのビジネスパーソンは実感が持てないのではないか。要約者もその一人だった。

しかし、2000年後半から10年でスマートフォンが私たちの生活を一変させたように、次はバーチャルが私たちの生活を大きく変化させることはまちがいない。遠くない未来にリアルのGDPをバーチャルが超え、いよいよバーチャルが主でリアルが従になる世界が生まれる。本書を読み進めるとそのような期待感が高まるだろう。

これからの時代を読み解くカギは、メタバースとWeb3だ。次世代のWebであるWeb3により、ユーザーが自身のデータ、アイデンティティー、運命をコントロールする、「分散型でかつ公正なインターネット」を実現できるようになる。AR、VR、XR、DeFi(分散型金融)、NFT(非代替性トークン)、DAO(自律分散型組織)、クリプト、ブロックチェーン。著者はこうしたメディアを賑わす用語の意味と関連性を、シンプルかつわかりやすく解説してくれる。

著者はビジネスを成功させるには時代の波に乗ることが肝要だと説き、まさに今がそのときなのだと強調する。私たちはどこに向かっていくのか? 本書は世界で起きている変化の全体像を正しく捉えるための信頼できるガイドになってくれるだろう。新しいゲームルールを知り、未来のチャンスを掴みたいのなら迷わず本書を読んでいただきたい。

著者

國光宏尚(くにみつ ひろなお)
株式会社Thirdverse、株式会社フィナンシェ代表取締役CEO/Founder。1974年生まれ。米国 Santa Monica College卒業。2004年5月株式会社アットムービーに入社。同年に取締役に就任し、映画・テレビドラマのプロデュースおよび新規事業の立ち上げを担当する。2007年6月、株式会社gumiを設立し、代表取締役社長に就任。2021年7月に同社を退任。2021年8月より株式会社 Thirdverse 代表取締役CEO、およびフィナンシェ代表取締役CEOに就任。2021年9月よりgumi cryptos capital Managing Partnerに就任。

本書の要点

  • 要点
    1
    今後は「バーチャルファースト」の時代が到来する。そのカギを握る概念がメタバースとWeb3である。
  • 要点
    2
    メタバースはVR、AR、MR、XR、ミラー・ワールドのリブランディングであり、VRを起点に今後の発展が見込まれる。
  • 要点
    3
    Web3は「トラストレス×自律的×非中央集権」といった特徴を持つ。
  • 要点
    4
    メタバースとWeb3による新たなパラダイムは、より自由で多様性に富んだ社会をつくる可能性を秘めている。

要約

Webが行き着く先とは?

Web2.0の覇者テックジャイアントが誕生した理由

2021年8月、マイクロソフト社を除いたGAFAと日本株全体の時価総額が逆転するという衝撃的なニュースが報じられた。ポイントは、これらのテックジャイアントが急成長したのはこの十数年の短い間であるという点だ。

特にその後の十数年を牽引するパラダイムが生まれたのが、アップル社が初代iPhoneを発表した2007年である。そこからTwitterやFacebookなどのソーシャルネットワークが伸び、アマゾンのAWSの出現がグローバリゼーションと合わさることでWeb2.0の革命につながった。

GAFAMに共通するのは、デジタルやデータを活用したサービス・商品を提供している点、小売と広告の革新を行った点、そしてプラットフォーマーとして市場を支配している点だ。一方で、一部の巨大プラットフォーマーだけが利益の大部分を吸い上げるという構造によって貧富の格差が広がっている。

バーチャルファーストの時代
Thinkhubstudio/gettyimages

2007年に始まったWeb2.0は成熟化し、今や業界全体に閉塞感が生まれている。そこで生まれたのが新しいパラダイム「メタバース」と「Web3(Web3.0)」だ。2021年から22年にかけて、これらの言葉は世界的なバズワードになり、インターネットの世界が次のステップに移行する大きなムーブメントが生まれている。

メタバースとWeb3の行き着く重要なゴールは「バーチャルファーストな世界」である。それは映画「レディ・プレイヤー1」のVRワールド「オアシス」のような完全な仮想世界だ。その中で学校に行ったり仕事をしたりすることができ、NFT化された経済圏も存在する。これまではリアルが主でバーチャルが従だったが、いよいよバーチャルが主でリアルが従となる世界ができていく。

デバイスはスマホからVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、XR(複合現実)へと変わっていく。データはソーシャルからブロックチェーンへ、そしてデータの活用方法はクラウドからAIへと変化する。次の10年のパラダイムはXR(メタバース)、ブロックチェーン(Web3)、AIがカギを握るのだ。

メタバースとは何か?

メタバース浸透の3ステップ

そもそもメタバースとは、「超越した」という意味を持つ「メタ(Meta)」と、「世界」という意味を持つ「ユニバース(universe)」を組み合わせた造語「Metaverse」である。著者はメタバースがVR、AR、MR、XR、ミラー・ワールドのリブランディングだと捉えている。

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要約公開日 2022.06.05
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