社会契約論/ジュネーヴ草稿

未 読
社会契約論/ジュネーヴ草稿
ジャンル
著者
ルソー 中山元(訳)
出版社
定価
1,056円(税込)
出版日
2008年09月20日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
5.0
応用性
3.5
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社会契約論/ジュネーヴ草稿
社会契約論/ジュネーヴ草稿
著者
ルソー 中山元(訳)
未 読
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定価
1,056円(税込)
出版日
2008年09月20日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
5.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

ルソーの『社会契約論』は、教科書に必ず載っていて、学校の試験問題に出ることも多い。誰もが名前を知っていて、どのような内容であるかも知ったつもりになっている本である。

いわゆる「社会契約論」の理論として代表的な、ホッブズの『リヴァイアサン』とロックの『市民政府論』の論旨は比較的理解しやすい。本書は、著者の前著『人間不平等起源論』における議論が前提とされており、主要な概念である「一般意志」のイメージしにくさも相まって、少々難解に感じるかもしれない。しかし、本訳書では、難解な議論が平易な言い回しに置き換えられ、詳細な解説が付されているため、読解へのハードルがかなり低くなっている。実際に読んでみると、「社会契約」や「一般意志」を今までとは違った解像度で理解できるはずだ。知っているつもりにならず、直接読んで理解するために、本書は格好の訳書である。

代議士による間接民主制を批判し、人民の全員参加による直接民主制を志向しているなど、現代の多くの民主政の常識とは異なる点がある。フランス革命に影響を与えた本書の構想のうち、近代、現代の国家制度に実際に反映されている点は、案外多くはない。だが、本書で提示されている「共和主義」の思想は、現代の民主主義政治の問題への批判と、目指すべき理想の示唆として読むこともできる。わたしたちの社会を考えるうえで、読んでおきたい一冊だ。

ライター画像
大賀祐樹

著者

ジャン=ジャック・ルソー Jean-Jacques Rousseau
[1712-1778] フランスの思想家。スイスのジュネーヴで時計職人の息子として生まれる。16歳でカトリックに改宗。家庭教師等をしながら各地を放浪し、大使秘書を経て、37歳で応募したアカデミーの懸賞論文『学問芸術論』が栄冠を獲得。意欲的な著作活動を始める。『人間不平等起源論』と本書『社会契約論』で人民に主権があると主張し、その思想はのちのフランス革命を導くこととなった。主著に『新エロイーズ』『エミール』『告白』など。

本書の要点

  • 要点
    1
    家族が形成され、やがて私的所有が増えると、強者による圧制が生じ、人々の自由が失われる。その問題を乗り越えるため、全員がお互いにすべてを譲渡するという社会契約によって、人々は社会的自由を得る。
  • 要点
    2
    社会を存立させる一般意志は、私的利益としての個別意志が一致した全体意志とは異なり、公益だけを目的とするものである。
  • 要点
    3
    多数決において問われるのは、それを承認するか拒絶するかではなく、一般意志に合致しているかどうかである。

要約

社会契約について

最も古い社会としての家族

社会秩序とは神聖で、他のすべての権利の土台となる権利である。この権利は、自然から生まれたものではなく、合意に基づいて生まれたものだ。

人間は、自然の本性によって自由なものとして生まれ、理性を行使できる年齢になれば自分の生存にふさわしい手段をみずから判断し、自分自身の主人となる。もっとも古い社会は、家族だ。子供たちが生きていくためには父親の保護が必要になるため、親子の絆は自然に生じる。そして、成長して保護が不要になればその自然の絆は解消される。

保護が不要な段階でも親子の絆が保たれているとすれば、それは自然な結びつきではなく、両者が望んだ、家族そのものの合意による結びつきである。家族とは、政治社会の最初のモデルであり、父親は支配者、子供は人民の似姿として見ることができる。

社会契約の条項
artisteer/gettyimages

人が家族を形成するようになれば、家を建て、私有財産が生まれる。やがて、地域的な言語や社会が形成され、技術革新による生産拡大によって、家族的所有以外に不平等な所有が生じる。すると、わずかな強者の利益のために大多数の人が隷属状態に置かれ、人々の自然な自由が失われることとなる。

こうした障害を乗り越えるために、人々は力を結集させることを迫られた。圧制の軛を逃れ、自分たちの身の安全と自由を守るために、多数の人々が集まって一つに結合しようとしたのだ。そこでの課題は、どうすれば他のすべての人と結びつき、なおかつ自分だけにしか服従せず、以前と同じように自由であり続けることができるかということだった。これを実現させるのが、社会契約だ。

社会契約は、これまで明文化されたことは一度もなかったかもしれないが、誰もが暗黙のうちに受け入れ、認めていたに違いない。契約の条項は、たった一つに集約される。それは、社会のすべての構成員は、自分自身と自分のすべての権利を共同体の全体に譲渡するというものだ。

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