無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」

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無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」
出版社
定価
1,760円(税込)
出版日
2019年10月15日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

コンペは8年連続で無敗。営業コンサルとしてのべ3万人以上を指導してきた人物――。そう聞くと、どんな営業パーソンも「ぜひその人の営業手法を知りたい!」と胸が高鳴るだろう。ならば、まずは本書を手に取ってほしい。

冒頭で紹介した人物は、本書の著者、高橋浩一氏。まさに最強の営業パーソンだ。そう聞くと、よく話す、押しの強い人物を想像するかもしれない。だが著者によると「普段の私はぼそぼそ話す人間」で、家族からは「もしも~し。何て言ったか聞こえないからもう一回!」と頻繁に聞き返されるという。

そんな控えめな高橋氏が「無敗」なのはなぜか。著者自身は勝因を「ズレを解消して成果を上げることに対して、尋常ならざる熱意を注ぎ、ひたすら研究と実践をくり返してきたから」と分析する。その研究と実践の成果が詰まっているのが本書だ。

調査によると、お客さまが営業担当者に感じる不満の上位は「要件のヒアリングが不十分」「営業担当者としての魅力や価値を感じない」「顧客の意図に沿わない提案を出してくる」「営業担当者としての動きが悪い」の4つだそうだ。思わずドキリとさせられるデータではないだろうか。

でも、安心してほしい。本書を読んで「3つの質問」と「4つの力」を自分のものにすれば、お客さまに不満を抱かせることはなくなるはずだ。

この本に出会えた営業パーソンは幸運だ。「無敗営業」のノウハウを余すことなく堪能し、あなたの営業人生をより輝かしいものにしてほしい。

著者

高橋 浩一(たかはし こういち)
TORiX株式会社 代表取締役
東京大学経済学部卒業。外資系戦略コンサルティング会社を経て25歳で起業、企業研修のアルー株式会社へ創業参画(取締役副社長)。1日100件のテレアポ新規開拓や数十人の営業組織をゼロから作り、同社上場に向けた足がかりを作る。2011年にTORiX株式会社を設立し、代表に就任(現職)。これまでの経験をベースとして、上場企業を中心に50業種3万人以上の営業強化を支援。行動変容を促す構造的アプローチに基づき、年間200本の研修、800件のコンサルティングを実施。日経ビジネス課長塾“THE 営業力”でもメイン講師を務める。8年間、自らがプレゼンしたコンペの勝率は100%を誇る。

本書の要点

  • 要点
    1
    商談・案件には、楽勝・接戦・惨敗の3種類がある。注力すべきは接戦案件だ。お客さまが何と何で迷っているのかを具体的に把握し、自社が選ばれる理由を作っていく。
  • 要点
    2
    接戦における受注率を上げるには、接戦状況を問う質問、決定の場面を問う質問、裏にある背景を問う質問が有効だ。
  • 要点
    3
    お客さまは営業担当者の「ズレ」に不満を感じる。不満を解消し、受注につなげるために、質問力、価値訴求力、提案ロジック構築力、提案行動力を磨こう。

要約

接戦を制する「3つの質問」

案件や商談を「楽勝」「接戦」「惨敗」で分ける

商談や案件は、難易度によって「楽勝」「接戦」「惨敗」の3つに分けられる。

受注が易しいのは「楽勝案件」だ。予算を確保したお客さまが自社だけに声をかけてくれているケースや、長年の付き合いがあるお客さまに提案するケースなど、誰が対応しても受注できる案件である。

「接戦案件」は、コンペや相見積もり提案、稟議が通るかわからないものなど、受注も失注もあり得るものだ。営業としての手腕が問われる案件だといえる。

「惨敗案件」は、誰が担当しても受注が難しい案件だ。競合が圧倒的有利で、相見積もりを取るための「当て馬」になってしまうケースも少なくない。

これら3つのうち、リソース次第で受注率が大きく変わるのは接戦案件だ。お客さまが何と何で迷っているのかを具体的に把握し、自社が選ばれる理由を作って、接戦を勝ち抜こう。

接戦の勝ちパターンを広げる
boggy22/gettyimages

接戦状況になると、お客さまは「この提案を採用したい」「でも、決めるのは怖い」などと迷うものだ。そして決断しかねて、「もう少し考えてお返事します」「社内で検討します」と判断を後回しにする。

一方で、営業は「すぐに決めてもらいたい」と考えがちだ。多くの場合、値引きによってお客さまの判断を後押ししようとする。

だが「お客さまは価格で決める」と思い込んでしまうと、接戦を勝ち抜く力が身につかない。接戦で強くなるには、迷っているお客さまに対して「どんな情報を追加すると決めていただけるのか」の勝ちパターンを増やしていく必要がある。

そこで登場するのが「接戦を制する3つの質問」だ。

接戦を制する質問(1)接戦状況を問う質問

「接戦を制する3つの質問」の1つ目は「接戦状況を問う質問」だ。この質問を通して、接戦の内容や状況を把握する。

案件が発生したら、お客さまに「今回は、弊社が提案をお出ししたら、社内ですぐ、ご判断されるような感じでしょうか」と聞いてみよう。あっさり決まりそうだと言われたら、楽勝か惨敗の可能性が高い。

難しいのは、質問への答えがYesでない、接戦の場合だ。そのときは「何がネックになっているのか」を聞こう。「競合を選ぶか迷っている」「保留にするか迷っている」「内製するか迷っている」の3つのパターンがある。

どのパターンかをつかんだら、最後にBANTCHをヒアリングし、自社の提案が稟議に通るための条件を確認する。BANTCHとは、予算(Budget)、決裁者(Authority)、ニーズの抜け漏れや優先順位(Needs)、検討や導入のスケジュール(Timing)、競合(Competitor)、お客さま側の人員体制(Human Resources)の6つの要素のことだ。

接戦を制する質問(2)決定の場面を問う質問

「接戦を制する3つの質問」の2つ目は、接戦の結果が決まったあとに、どの瞬間に答えが出たのかを確認する「決定の場面を問う質問」だ。この質問への答えは、今後の営業活動のヒントになる。

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