社会に出るあなたに伝えたい

なぜ、いま思考力が必要なのか?

未読
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なぜ、いま思考力が必要なのか?
著者
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なぜ、いま思考力が必要なのか?
著者
出版社
出版日
2022年02月16日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「ワクチンによって遺伝子が書き換えられる」「アメリカ大統領選の票が差し替えられた」など、さまざまなフェイクニュースやデマがあふれている。科学的に不正確な情報や、現実的にありえないと思われるようなことであっても、多くの人が踊らされてしまう。不安な状況でパニックになると、いとも簡単にデマに流されてしまうのだ。デマであってもあっという間に広まってしまう現代において、ものごとを冷静に見つめ、自分の頭で考える思考力は必要不可欠だといえるだろう。

本書はニュース解説でおなじみのジャーナリスト池上彰氏が、思考力について考え抜いた一冊だ。思考力を、困難にぶち当たっても諦めずに立ち上がる「乗り越える力」、固定観念に囚われたステレオタイプ思考から抜け出すための「問いを立てる力」に分けて解説する。対話を通して自分と異なる考えの他者を理解し、よりよい発想を生み出すとともに、思考力を鍛える方法についても紹介している。

本書は、仕事や環境に慣れていない若手社員の方に特におすすめの内容だ。新しい環境では、何が正解なのかがわからない状況が多々ある。そんなときでも不安に押しつぶされずに、乗り越えるための思考力を身につけたいものだ。よりよい自分に変わる力が欲しいと思ったら本書を読み通してみていただきたい。

ライター画像
木下隆志

著者

池上彰(いけがみ あきら)
ジャーナリスト。1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、1973年にNHK入局。報道記者としてさまざまな事件、災害、消費者問題、教育問題などを担当する。1989年、ニュース番組のキャスターに起用され、1994年からは11年にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。2005年よりフリーランスのジャーナリストとして、執筆活動を続けながら、テレビ番組などでニュースをわかりやすく解説し、幅広い人気を得ている。また、9つの大学で教鞭をとる。『社会に出るあなたに伝えたい なぜ、読解力が必要なのか?』(講談社+α新書)、『なんのために学ぶのか』(SB新書)、『知らないと恥をかく世界の大問題12 世界のリーダー、決断の行方 』(角川新書)など著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    不確実性が高い現代を生き抜いていくためには、知識を丸暗記したり、人の考えに流されたりして思考停止するのではなく、思考力を活用して、さまざまな局面を乗り切らなければならない。
  • 要点
    2
    人生に失敗はつきものだ。失敗から回復するときにも思考力が必要だ。思考力があれば、次に自分がすべきことを考え、諦めずに、失敗を乗り越えていける。
  • 要点
    3
    何が正しい答えかわからない状況において、「答えはあるのか」「問い自体が間違っていないのか」などと試行錯誤しながら問いを立てることこそが本当の思考力である。

要約

【必読ポイント!】自分の頭で考える授業

知識重視から思考重視へ

グローバル化が進み、経済から感染症まで、海外で起こったことが自分達の生活に直接的に影響するようになってきた。また、デジタル化が進んだことで、働き方もがらりと変わった。変化が激しく不確実性が高い現代を生き抜いていくためには、思考停止に陥らずに、自分の思考力を活用して、いかなる局面も乗り切っていかなければならない。

自身の頭で考える思考力の大切さは、教育現場や実社会でも長らく強調されてきた。いまでもその重要性が強調されているのは、自身の頭で考えることが苦手な人が多い証拠だ。

近年の学習指導要領では「生きる力」をつける、アクティブ・ラーニングで主体的・対話的で深い学びを行うといった方針を出している教科書や授業の内容が大きく変化するなか、高校の社会科科目の学習内容も2022年に28年ぶりに変化を遂げている。

おおまかに言うと、社会科はこれまで、「世界史」と「現代社会」が必修で、「日本史」と「地理」のいずれかが選択科目であった。22年からは「地理総合」、世界史と日本の近代史を中心とした「歴史総合」、現代社会が一新された「公共」の3つが必須科目となった。高校時代に社会科を学ばなかったことの弊害が徐々に浮き彫りになってきたからだ。暗記科目として認識されてきた社会科目は、思考力を鍛える科目へと生まれ変わろうとしている。

地理総合は思考力の基礎知識がつき、社会人も必読
Dilok Klaisataporn/gettyimages

では、近年話題のトピックを題材に、自分の頭で考える練習をしてみよう。戦後、日本はなぜアメリカに次ぐ世界第二位の経済大国となるまでの経済成長を遂げられたのだろうか。

ポイントは「教育水準」と「人口」にある。

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要約公開日 2022.07.16
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