子どものデジタル脳完全回復プログラム

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子どものデジタル脳完全回復プログラム
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子どものデジタル脳完全回復プログラム
出版社
定価
1,980円(税込)
出版日
2022年05月02日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

デジタル機器はわたしたちの生活を大きく変えた。その影響は小さな子どもにまで及び、幼い頃からデジタル機器に触れる子どもが増えている。子どもの楽しみのため、今のうちからデジタル機器に慣れさせておくためと、内容を選んで適度な使用ならばいいだろうと考える保護者も多いことだろう。しかし、本書はそれに異を唱え、スクリーンタイムの厳格な制限を推奨する。

米国の精神科医である著者は、「スクリーン」が子どもの問題行動の原因となっていることがあると指摘する。子どもが楽しんでいるように見えるゲームや映像作品は、刺激が強すぎて本質的には「ストレス」になっているのだという。スクリーンを使用すればするほど、未発達な子どもの脳はストレスにさらされ、耐えきれなくなれば問題を引き起こす。スティーブ・ジョブズのようなハイテク企業の幹部の多くは、自分の子どもがデジタル機器に触れることを制限する教育を施すという。それは、デジタル機器が子どもに与える悪影響を危惧し、ローテクな教育が集中力や人間関係を構築する能力、創造力を育むと知っているからだ。

本書は、様々な研究結果を引用しながら、デジタル機器が脳に及ぼす影響を紹介するとともに、実際にスクリーンタイムの制限を行なった子どもたちの事例も多数掲載している。こうした情報に触れると、子どもだけでなく、大人も、デジタル機器との向き合い方を考え直さざるを得なくなるだろう。「自分は適度に使えている」と思っている人にこそ、本書を読んでみていただきたい。

ライター画像
大賀祐樹

著者

ヴィクトリア・L・ダンクリー(Victoria L. Dunckley)
米国の精神科医・医学博士。
特に小児対象の統合的な精神医学の実践で定評があり、過去10 年間で、通常の治療法で効果が見られなかった子どもたち数百人を救っている。デジタルスクリーン、環境要因、食事療法、投薬が行動に及ぼす影響の研究で受賞歴多数。特にデジタルスクリーンについては、米国ベストセラーとなった本書で、子どもの気分・睡眠・認知・行動の問題を引き起こし、小児性肥満症の要因にもなっていると述べている。メンタルヘルス専門家として、NBC『トゥデイ』『ナイトリー・ニュース』などにも出演。

本書の要点

  • 要点
    1
    近年、双極性障害やADHDと同様の症状を発症する子どもが増えたのは、スマホやタブレット、ゲームなどのデジタル機器のスクリーンタイムが大幅に増えたことの影響があると考えられる。
  • 要点
    2
    デジタル機器は脳内で覚醒剤と同様の反応を起こし、子どもの集中力低下や問題行動などの引き金となり、心身ともに長期的な悪影響の原因となる。
  • 要点
    3
    子どもの症状改善のためには、すべてのスクリーン活動を制限するデジタルデトックスの実践が必要だ。それにより、子どもは集中力と社会性を取り戻し、幸せな人生を歩めるようになるだろう。

要約

【必読ポイント!】 スクリーンメディアで子どもの脳の発達が「止まる」

急増する子どもの「発達障害」診断

1994年から2003年までの10年間で、子どもの双極性障害の診断数が40倍に増加し、2002年から2005年のわずか3年の間にADHDの薬の処方が40%増加した。このような問題の増加は、子どもたちが日常生活でデジタルスクリーンにさらされる機会が増加していることと密接に関係している。

様々なスクリーンメディアがもたらす影響は、まだ完全には解明されていない。だが、時間の無駄遣いや座りっぱなしで健康を損なうということだけでなく、スクリーンそのものが本質的に有害であると示唆する証拠が増えている。親は、適度な使用なら問題なく、悪いゲームを避ければ良いと考えがちだ。しかし、慢性的なイライラ、集中力の低下、感情を抑制できない、反抗的行動などの問題を抱える子どもが近年増加しているのは、インターネットやスマホ、ゲームなどで電子機器のスクリーンを見続けるという、環境の大きな変化に起因している可能性がある。

著者はデジタルスクリーンのメディアにさらされることで生じる症状を「デジタルスクリーン症候群」と名づけ、そうした症状が現れた子どもに対して「デジタルデトックス」と呼ぶ介入を行ってきた。この結果、精神疾患と診断された子どもの約80%に顕著な改善が見られた。本書では、デジタルスクリーンの影響と、回復プログラムを紹介する。

デジタル機器は「ドラッグ」そのもの
metamorworks/gettyimages

スマホやPCのような双方向のデジタル機器の強い刺激は、神経系を「戦うか逃げるか」というモードに移行させ、さまざまな調整不全を引き起こし、精神疾患にそっくりな症状を起こす。デジタル機器は、カフェイン、アンフェタミン、コカインなどの「ドラッグ(覚醒剤)」と同様のものと見なせるのだ。スクリーン機器を使うと、身体が高揚して集中力が高まるが、その後に神経系への過剰な刺激による「クラッシュ」が生じ、覚醒剤と同様に、身体に様々な影響を及ぼす。体内から薬物が消えた後も影響が残り続けるように、デジタル機器の使用は、長く中枢神経に影響を与えることがある。コカインやメタンフェタミンなどの覚醒剤の乱用や依存症は、実際に、デジタルスクリーン症候群の症状とよく似た特徴がある。

研究結果から、パソコン、テレビ、ゲーム、スマホ、タブレット、電子書籍などのすべてのスクリーン活動が神経系に刺激を与え、

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