BtoBマーケティングの定石

なぜ営業とマーケは衝突するのか?
未読
日本語
BtoBマーケティングの定石
BtoBマーケティングの定石
なぜ営業とマーケは衝突するのか?
未読
日本語
BtoBマーケティングの定石
出版社
日本実業出版社

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定価
2,420円(税込)
出版日
2022年12月01日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」まで残り2年。企業・自治体のDXとその過程で生じる軋轢や摩擦に伴い、経済損失が年間兆円単位で生じると危惧される。2年後、DXはどれほど進んでいるだろうか。

「20年前から今日に至るまでBtoB企業は同じ過ちを繰り返し、その度に私は同じような改善提案を繰り返してきた。しかし、そんな活動にうんざりしている」。本書の冒頭でそう嘆く著者は、DXソリューションやコンサルティングを手掛ける株式会社WACULの代表取締役、垣内勇威氏だ。前著『デジタルマーケティングの定石』では、デジタルマーケティングでの正解をつぶさに紹介し、多くの読者から好評を博した。

ただ、「定石を使ってビジネスを大きくした」という声はあまり聞かなかったという。そうした問題意識から、本書は「正解」を示すことにとどまらず、「実行」フェーズまで踏み込んだ提言を行い、読者が実行への足掛かりを得るところまで導いてくれる。

その真髄となるのが「組織の定石」だ。多くの組織が関係する部署の同意を得られずに失敗を繰り返してしまう。関係部署の信頼なしに、改革は進められないのである。社内に確固たるマーケティング組織を築き、強化していくには、地道且つ大掛かりな努力を擁する。それは「世直し革命」とさえ呼べる大事業だと著者は強調する。

本書は、BtoBに携わる営業・マーケティング部門はもちろん、販促・広報・開発部門など幅広い職種を読者として想定する。そのため、全社的で幅広い、組織横断の共通理解が欠かせない。本書の存在は、組織と組織をつなぐ潤滑剤となってくれるだろう。

著者

垣内勇威(かきうち ゆうい)
株式会社WACUL代表取締役。東京大学卒。株式会社ビービットから、2013年に株式会社WACUL入社。改善施策の提案から施策効果の検証までデジタルマーケティングのPDCAをサポートする自動分析・改善提案ツール「AIアナリスト」を立ち上げ。2019年に産学連携型の研究所「WACUL Technology & Marketing Lab.」を創設し、所長に就任。現在、 研究所所長および代表取締役として、事業のコアであるナレッジ創出を牽引。新規事業や新機能の企画・開発および大企業とのPoCなど長期目線での事業推進の責任者を務める。2022年5月、代表取締役に就任。著書に『デジタルマーケティングの定石』(日本実業出版社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    革命チームがまずはじめにすることは「クイックウィン」による信頼関係の構築と「行動観察ショー」による共通言語作りだ。これら抜きに実効性のある改革は始められない。
  • 要点
    2
    チームがとる戦略は「ターゲット企業の数」「顧客が既存か新規か」「顧客が商品知識を持ち合わせているかどうか」の3つの分類軸で捉える。
  • 要点
    3
    トップ営業が生み出す顧客体験を再現性のある施策として落とし込むことが、BtoBマーケティングにおける常道である。

要約

なぜBtoBマーケティングの大半は失敗に終わるのか?

BtoBマーケが失敗を繰り返す理由

日本に古くからあるBtoB企業は、20年前から「マーケティング」を導入しようとしては失敗を繰り返している。この原因は非常にシンプルだ。「売上」を狙ってきた営業部門が「マーケティング」手法に懐疑的であり、連携がスムーズにいかない組織課題にある。

もともと日本のBtoB企業の営業活動は、つかみどころのないマーケティングよりも人海戦術の方に重きを置いてきた。今でもトップ営業と呼ばれる人ほど足繁く顧客を訪問し、聞いた話は自らの手帳にのみメモする。ここで得られたデータは属人的なものでしかなく、社内の誰にも共有されることはない。

一方、マーケティング側が陥りやすい悪例は、自分たちの部署だけで完結する「やった感のある自己満足の仕事」だ。典型例として「ツール導入」「データ統合」「デザイン刷新」の「自己満三兄弟」の施策が挙げられる。

マーケティングツールを導入する例や、社内に散らばったデータを統合したものの運用されないまま放置される例、あるいはサイトデザイン変更やロゴのリブランディングをしたものの売上に貢献しないといった具合だ。

しかし、そもそもBtoB企業が理想とするマーケティングの導入とはどのような状態なのだろうか。マーケティングの理想形は「顧客視点で顧客に価値を提供できている」状態を指す。その実現には、組織の壁を超え、ピュアな姿勢で価値を生み出し、連続した顧客体験を設計することが必要となる。

顧客視点で組織を変える「世直し革命」
erhui1979/gettyimages

マーケティングに本気で取り組むということは、「世直し革命」を起こすようなものだ。広報部、マーケティング部、営業部、カスタマーサポート部、開発部、生産部など縦割りになった組織で顧客視点を貫くことは極めて困難で、途方もなく面倒な社内調整が発生する。そのような「革命」を進めるには、圧倒的な熱量を持った先導者が、少しずつ社内の協力者を巻き込んでいかなければならない。

それには2つのアプローチがある。一つ目は各部門の権限を超越した「トップダウン」による方法だ。CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)という部門間の権限を超越した役職を立て、部門間の面倒な調整を果断に進めていく。ただ、圧倒的な才に恵まれ、柔と剛を使いこなして組織を動かせるような傑出した人材の確保は、極めて難しい。

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