メタバース

さよならアトムの時代
未読
日本語
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メタバース
出版社
定価
1,650円(税込)
出版日
2022年04月05日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

2021年、フェイスブックが社名を「メタ」に変更したことは、記憶に新しい。VRヘッドセットの最先端であるOculus社を買収、長期的な視点に立った巨額投資で知られている。言わずもがな、社名の「メタ」は「メタバース」から取られたものだ。GAFA(GAFAM)の一角であり、SNS業界におけるパイオニアとして名を馳せたフェイスブックが社運を賭けて注力するメタバースとは、一体何なのか? この質問にはっきりと答えられる人は、決して多くはないだろう。

本書は実際にVRプラットフォームベンチャーを立ち上げた創業者が語る、メタバースについての教科書的な入門書だ。メタバースという概念がいつ、どこから出発し、どのような紆余曲折を経て、そしてこれからどこへ向かうのかが、実際にその業界の先端でビジネスを営む当事者の目線から、そしてメタバースの世界に魅せられたひとりのギークの目線から、存分に語られている。

テクノロジーは、世界を変えてしまうこともあれば、期待されたほどでないこともある。メタバースという言葉は、バズワードとしてひとり歩きしてしまっている感もある。しかし本書を通じてメタバースという概念の歴史と現在を知ると、それが一過性のブームではなく、長い時間をかけて着実に進歩してきた、未来の方向性のひとつなのだということがよくわかる。

著者はメタバースを「人類の描いた夢の生活スタイル」と定義している。だとすれば、それがビジネスとして実を結ぶかは、単にタイミングの問題にすぎない。人類が夢を目指して進歩する以上、メタバースはいつか必ず実現するだろう。そう感じさせる一冊だ。

ライター画像
池田明季哉

著者

加藤直人(かとう なおと)
クラスター株式会社代表取締役CEO。
1988年生まれ。京都大学理学部で宇宙論と量子コンピュータを研究。同大学院中退後、3年間のひきこもり生活を過ごす。
2015年にVR技術を駆使したスタートアップを起業し、バーチャルSNS「cluster」を開発。
バーチャルイベント累計動員人数は1,000万人を超え、国内最大のメタバースプラットフォームとなる。
経済誌Forbes JAPANの「世界を変える30歳未満30人の日本人」に選出。
一般社団法人Metaverse Japanアドバイザー。

本書の要点

  • 要点
    1
    メタバースとは、デジタルで構成された空間で生活する社会のことである。
  • 要点
    2
    ビジネスとしてメタバースが注目されているのは、まさにそこが生活空間であることによる。常に人が集まり話題を呼んでいる場所では広告が有効なだけでなく、多様なクリエイターが集い、新たなサービスさえ生まれてくる。
  • 要点
    3
    メタバースは物理的な制約から解き放たれているからこそ、さまざまな可能性を持っている。

要約

メタバースとはなにか

フィクションから生まれた「メタバース」

メタバースという言葉がはじめて使われたのは、『スノウ・クラッシュ』というSF小説だ。

ニール・スティーヴンスンによって1992年に書かれたこの小説では、現実で6×9メートルの狭い部屋に暮らす主人公が、ゴーグルとイヤホンをつけてメタバースの世界に入り込むと、そこには大豪邸を持っている。そしてそこでは地球の円周よりも大きな大通りに、数千万人の人間が常時接続する。

こうした想像力が、現在のメタバースに大きな影響を与えている。VRゴーグルを開発したオキュラスのパルマー・ラッキーも、ペイパル創業者で投資家のピーター・ティールも、グーグル創業者のラリー・ペイジやセルゲイ・ブリンも影響を受けたと公言している、伝説的なSF小説なのだ。

他にも小説や映画、ゲームなど、さまざまなフィクションがメタバース(的な想像力)を描いている。こうした豊かなイメージを現実にしたいという欲望が、メタバースを推進する原動力のひとつであることは間違いないだろう。

物質から解き放たれる空間
Thinkhubstudio/gettyimages

一方、『フォートナイト』を擁するエピックゲームズやロブロックス、そしてフェイスブックから社名を変更したメタをはじめとしたさまざまな企業がメタバースの実現を目指すのは、当然ビジネスとして有望な要素があるからだ。

ひとつはメディアへの接触時間である。ネットビジネスはその大半が広告とEコマースだ。そのうち広告ビジネスは、人の注意をひきつけて長く滞在してもらい、多くの広告枠を確保する必要がある。

メタバースは、デジタルで構成された空間の中で生活する社会だ。メタバースの世界では、メディアへの接触時間は、実質的に朝起きて夜寝るまで、覚醒している時間すべてとなる。その点でメタバースは非常に有利だ。

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