ジャーニーシフト

デジタル社会を生き抜く前提条件
未読
日本語
ジャーニーシフト
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デジタル社会を生き抜く前提条件
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日本語
ジャーニーシフト
出版社
定価
2,420円(税込)
出版日
2022年12月15日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

本書を著した藤井保文氏は、「アフターデジタル」という概念の提唱者として知られている。アフターデジタルは、UX(ユーザーエクスペリエンス、ユーザー体験)を軸にして、あるべきDX(デジタルトランスフォーメーション)のかたちを提案した概念だ。

一般的にデジタルを活用しようとする施策は、リアルを拡張するようなかたちで捉えられがちである。しかし情報技術のますますの発展はユーザーのあらゆる行動データを利用可能にし、デジタルが関与しない部分、オフラインな部分はなくなっていく。そうなれば、デジタルがリアルを包含し、デジタルを起点にリアルという場を考えることが重要になる――というのが、アフターデジタルの世界観である。ベストセラーとなった前著『アフターデジタル』の要約も参考にされたい。

本書が扱う「ジャーニーシフト」は、その先にある概念として提案されている。「Journey」は英語で「旅」を意味する。近い意味を持つ単語には「Trip」や「Travel」などがあるが、「Journey」という単語の特徴は、旅の過程に焦点が当てられている点にある。まさにユーザー体験を一貫して支援しようとするこの概念に、ふさわしい名前であると言える。

世界を見渡せば、情報技術の社会実装は我々が考える以上に急激に進んでいる。日本はかなり立ち遅れている感が否めない。デジタル後進国である現状を巻き返すためには、ジャーニーシフトに果断に取り組んでいかなくてはならないだろう。

ライター画像
池田明季哉

著者

藤井保文(ふじいやすふみ)
株式会社ビービット
執行役員CCO(Chief Communication Officer) 兼 東アジア営業責任者
一般社団法人UXインテリジェンス協会 事務局長
東京大学大学院情報学環・学際情報学府修士課程修了。上海・台北・東京を拠点に活動。
国内外のUX思想を探究すると同時に、実践者として企業の経営者や政府へのアドバイザリーに取り組む。政府の有識者会議、FIN/SUM、G1経営者会議など「アフターデジタル」に関する講演多数。上海・台北での研究成果として、2018年に『平安保険グループの衝撃 - 顧客志向NPS経営のベストプラクティス』を監修。
累計22万部のベストセラーである『アフターデジタル』シリーズでは、これからの時代を生き抜くために、日本企業が取るべきアクションや、DXのあるべき姿を提示。「DXの目的は新たなUXの提供である」というコンセプトを世に広める。
アドバイザリーでは小売、金融、メーカー、インフラなどの様々な企業において、UX/DXから経営やビジネスモデル、顧客価値を抜本変革する取り組みに関わる。AI(人工知能)やスマートシティー、メディアや文化の専門家とも意見を交わし、人と社会の新しい在り方を模索し続けている。個人活動として、音楽の制作・演奏や海外アーティストのミュージックビデオ制作にも携わる。

本書の要点

  • 要点
    1
    ジャーニーシフトとは、顧客提供価値が「モノや情報が提供する道具」から、ありたい成功状態を実現させる「行動支援」へと変化したことを示す概念である。
  • 要点
    2
    UX設計や価値創造において「利便性」と「意味性」の特性の違いを捉えるべきだ。利便性は共有され、意味性は所有されるところに価値がある。
  • 要点
    3
    日本は現在デジタル後進国となってしまっている。圧倒的なプロセスハックの強みを活かすためには、新しいフレームが必要だ。ジャーニーシフトを新しいフレームにしていくことは、現在の立場から脱却していく助けになるだろう。

要約

体験中心の時代を生き抜くために

行動支援の「ジャーニーシフト」
出典:「ジャーニーシフト」

「ジャーニーシフト」とは、時代によって顧客提供価値が変質したことを示す言葉だ。顧客提供価値が、「モノや情報の提供」「瞬間的な道具」から、ありたい成功状態を実現させ、行動を可能にさせる「行動支援」に変わっている。要すればこれがジャーニーシフトである。

言い換えると、「ユーザーにとって何かしらの行動やアクションを可能にしていなければ、企業としてなんの価値もない時代になってきている」ということになる。顧客が自分の中でどれだけ多くのことを受け止め、理解や解釈をしていたとしても、世の中に対して発信や貢献をし、社会やコミュニティに干渉できないと意味がない。

かつて「提供する側」と「受け取る側」に分かれていたものが、今や誰でも発信しアクションすることができる。そのような社会では、「アクションしないこと」が怠慢に映り得る。「本当にそう思っているなら、なぜ行動しないの?」「本当にこのコミュニティが好きなら、なぜ貢献しないの?」と解釈されるケースも生まれてくる。

反対に「本当はもっといろんなかたちで貢献したかったが、その機会がなかった」というケースでは、企業やサービスがそのはけ口を与えてくれるなどして、今までできなかったことが実現可能な場合もあるだろう。

多くの企業は変革を推進するものの、こうした「提供価値のDX」を実現できておらず、新たな時代への対応ができていないのが実情ではなかろうか。

Web3がもたらす意味性の進化

「利便性」と「意味性」の違いの見極め

価値を感じるUXやサービスには、「利便性」と「意味性」のレイヤーがある。この2つの混用による落とし穴に気を付けねばならない。

「利便性」とはその名の通り不便を便利にすることである。解決に向かえば誰もが共有して「そのほうがよい」と思えるものが対象だ。

これはマイナスをプラスにすることなので、「改善の方向」が明白である。方向が決まっているため、改善や改良はしやすい。ただ、競争が激化する中で内容も似通いがちだ。

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