私の財産告白

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出版社
実業之日本社

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定価
660円(税込)
出版日
2013年05月25日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

『私の財産告白』は蓄財のノウハウが書かれた本だ。著者の本多静六氏は、日比谷公園の設計や明治神宮の造林などで知られる人物である。本多氏は仕事に専念し、倹約に努め、投資して財を成した。給料の4分の1を天引き貯金することに加え、副業もして「雪達磨の芯(投資のもととなる資金)」を作ったのが勝因のひとつだったようだ。

本書の魅力は、資産形成のノウハウを教えてくれることだけではない。蓄財法の背後にある、著者のお金と働き方に対する哲学が魅力的なのだ。

本多氏は、人生最大の幸福は職業の道楽化であるという。仕事に打ち込み、道楽化するまで努力することが、凡人が大成する唯一の方法だと語る。そして、職業上の成功は、働く人自身だけでなく、周囲の人々にも幸福をもたらすと書いている。そうした想いから導き出された結論は「人生即努力、努力即幸福」だ。

本書を読んでいると、著者は「お金を貯めること」よりもむしろ「仕事に打ち込み、財産を作っていくこと」を楽しんでいたのではないかとも思える。子孫に必要以上に財産を残さなかったことや、蓄えた財産を社会貢献のために手放したことを考えると、著者にとって節倹や仕事は人生の楽しみだったと言えるのではないだろうか。

本書は私たちにお金を稼ぐことや働くことの意味を問いかけてくれる。お金とは何か、働くこととは何か、幸福とは何か――。自分の価値観を見つめ直すのに最適な一冊だ。

ライター画像
中崎倫子

著者

本多静六(ほんだ せいろく)
1866(慶応2)年、埼玉県生まれ。苦学の末、1884(明治17)年に東京山林学校に入学。一度は落第するも猛勉強して首席で卒業。その後、ドイツに私費留学してミュンヘン大学で国家経済学博士号を得る。1892(明治25)年、帝国大学農科大学(現在の東大農学部)の助教授となり、「月給4分の1天引き貯金」と1日1頁の原稿執筆を開始。研究生活のかたわら植林・造園・産業振興など多方面で活躍、日比谷公園の設計や明治神宮の造林など大きな業績を残すだけでなく、独自の蓄財投資法と生活哲学を実践して莫大な財産を築く。1927(昭和2)年の停年退官を期に、全財産を匿名で寄付。その後も「人生即努力、努力即幸福」のモットーのもと、戦中戦後を通じて働学併進の簡素生活を続け、370冊余りの著作を残した。 1952(昭和27)年1月、85歳で逝去。

本書の要点

  • 要点
    1
    著者は貧乏生活を抜け出すために、月給の4分の1を天引きして貯金した。これがのちの資産形成の第一歩となっている。
  • 要点
    2
    蓄財で大切なのは、貯金や副業によって投資のもととなる「雪達磨の芯」を作ることだ。
  • 要点
    3
    職業の道楽化こそ人生最大の幸福だ。職業上の成功は、働く人自身だけでなく、周囲の人々にも人生最大の幸福をもたらす。「人生即努力、努力即幸福」である。

要約

貧乏生活から抜け出すために

働学併進の簡素生活

著者は慶応2年(1866)、埼玉県に生まれた。11歳のときに父を失った後は、百姓や米つきをしながら苦学することとなる。

19の春に東京山林学校に入学するも、第一期試験に落第、悲観して古井戸に投身したが死に切れなかった。思い直して必死で勉強をしたところ、みごと最優等を獲得。「落第するほど才能がなくても努力次第で成功できる」という自信を得た。

25歳で日本とドイツの大学を卒業し、東京帝大の助教授になる。人生計画を「40までは勤倹貯蓄、生活安定の基礎を築き、60までは専心究学、70まではお礼奉公、70からは山紫水明の温泉郷で晴耕雨読の楽居」と決め、毎日1ページ以上の執筆と、月給4分の1天引き貯金を始めた。

40歳で貯金の利息が基本給を上回り、念願かなって西洋旅行を19回繰り返す。仕事でも成功し、著書は370冊以上にのぼった。そして60歳で定年すると、財産のほとんどすべてを匿名で寄付し、再び働学併進の簡素生活に戻ったのだった。

本多式「4分の1天引き貯金法」
west/gettyimages

25歳で東京大学の農学部助教授に就任し、固定収入が得られるようになったタイミングで、家族9名を養うこととなった。普通に生活していては貧乏生活を抜けられないと考え、「4分の1天引き貯金法」を実行することにした。収入があったとき、容赦なくその4分の1を天引きして貯金するのだ。

生活は苦しくなり、家族には苦労をかけた。だがこの天引きが、のちの資産形成の第一歩となった。

この貯金法は大変なものに見えるが、決して無理ではない。給料40円なら、最初から30円しかもらわなかったと思って10円天引きすればいいだけだ。ほんの一回、最初だけ、生活ランクを4分の1下げればいい。そうするのが一番楽で効果的だ。

貧乏を経験せよ

一生のうち一度は貧乏生活を経験すべきだ。苦労してこそ、ものの見方が変わり、人生がより味わい深いものになる。貧乏になったことがなければ、本当の人生の値打ちはわからないし、堅実に生活を改善していく努力もできないだろう。

お金の貯め方・殖やし方

雪達磨の芯を作る

金が欲しいなら稼げばいい。重要なのは、適切な方法で稼ぐことだ。あくまで自力で、筋の通った正しい方法で稼ぎ、積み立てなければならない。

蓄財においては、雪達磨の芯を作ることがポイントだ。まず1000円貯める。するとたちまち5000円貯まる。5000円貯まると、まもなく1万円になる。金が金を生む。金があるといい智慧が出てきて、面白い投資口も考えられる。こうなれば、あっという間に金が殖えていく。

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