リーダーは話し方が9割

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リーダーは話し方が9割
出版社
出版日
2022年12月12日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

2020年から2022年まで3年連続で「一番読まれたビジネス書」(日販調べ)に輝いた大ベストセラー『人は話し方が9割』。本シリーズの最新刊のテーマは「リーダーの話し方」だ。

本書における「リーダー」とは、企業の経営者やマネジャーだけではない。コミュニティの責任者やパートのチーム長、学校の先生、お子さんがいる人など、「1人でも導くべき人がいる人」を対象にしていると著者はいう。便宜上「部下」「下の立場の人」などと表現されているものの、子ども、メンバー、生徒、後輩などに読み換えられる仕立てだ。

リーダーの話し方ひとつで「部下」の仕事ぶりはガラリと変わる。本書の印象的なエピソードを紹介しよう。

著者が行きつけの飲食店に入店したところ、いつもとは様子が違うことに気づいた。カウンター席に座ってよく観察してみると、いつもなら場を仕切っている店長が後ろに下がり、別のスタッフがメインに立っている。スタッフの胸には「キッチンの新米リーダーの高橋です」の名札。緊張している様子の新米リーダーに、周りのスタッフたちは「はっきり指示出して!」と強い口調で呼びかけている。

そこで店長が放ったひと言が空気を変えた。「高橋! しっかりと指示を出せ! お前がリーダーだ。俺はお前の指示で動く!」。高橋さんはこのひと言で自信を取り戻し、場はうまく回り始めた。

「そんな気の利いたセリフ、自分には出てこないな」と思った人には、ぜひ本書を手に取ってほしい。「どうして伝わらないんだろう」「なぜあの人は動いてくれないのか」という悩みが解決に近づくこと間違いなしである。

著者

永松茂久(ながまつ しげひさ)
株式会社人財育成JAPAN 代表取締役。
センチュリー出版オフィス 主幹。
大分県中津市生まれ。
2001年、わずか3坪のたこ焼きの行商から商売を始め、2003年に開店したダイニング陽なた家は、口コミだけで毎年4万人(うち県外1万人)を集める大繁盛店になる。
自身の経験をもとに体系化した「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で多くの講演、セミナーを実施。「人の在り方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累計動員数は延べ60万人にのぼる。
2016年より、拠点を東京麻布に移し、現在は自身の執筆だけではなく、次世代の著者育成、出版コンサルティング、経営コンサルティング、出版支援オフィス、講演、セミナーなど、数々の事業を展開する実業家である。
著作業では2021年、『人は話し方が9割』(すばる舎)がすべての書籍を含む年間ランキングで総合1位(日販調べ)、ビジネス書部門で2年連続1位(日販調べ)、トーハンのビジネス書年間ランキング(トーハン調べ)で1位に輝く。2022年2月、同書が単冊で100万部を突破。2022年上半期も総合1位(日販調べ)、ビジネス書部門では日販、トーハン、オリコンすべてで1位となり3冠を獲得。2022年のビジネス書年間ランキング(日販調べ)では史上初の3年連続1位に輝く。
著書に『人は聞き方が9割』『喜ばれる人になりなさい』(すばる舎)、『君は誰と生きるか』(フォレスト出版)、『自分を整える』(マガジンハウス)、『人生を言いなりで生きるな』『40代をあきらめて生きるな』『30代を無駄に生きるな』『20代を無難に生きるな』『影響力』『言葉は現実化する』『心の壁の壊し方』『男の条件』『人生に迷ったら知覧に行け』(きずな出版)、『在り方』(サンマーク出版)、『感動の条件』(KKロングセラーズ)など多数あり、累計発行部数は330万部を突破している。

本書の要点

  • 要点
    1
    リーダーに必要なものは特別な能力や実績、カリスマ性ではない。「人をやる気にさせ、能力を引き出す話し方」だ。
  • 要点
    2
    自己肯定感を満たすだけでは部下は動かない。「自己重要感」を刺激し、高める必要がある。
  • 要点
    3
    部下に注意しなければならないとき、相手の緊張感をやわらげつつ、リーダー自身の心を軽くするコツは「話し終わった後の、部下の状態を先に伝えること」である。

要約

人を動かすリーダーの共通点

話し方で相手をやる気にさせ、能力を引き出す

「もっと部下が思った通りに動いてくれれば……」「どうすればチームがまとまるんだろう?」「指示を出さなくても、人が自然と動いてくれるリーダーになりたい」などと、伝え方に悩むリーダーは多いものだ。一方、ごく一握りだが、部下のやる気と能力を見事に引き出しているリーダーもいる。

悩むリーダーとうまくいくリーダーの違いは特別な能力や実績、カリスマ性ではない。「人をやる気にさせ、能力を引き出す話し方」をしているかどうかだ。

部下の自己重要感を刺激する
kazuma seki/gettyimages

「相手の自己肯定感を満たせばうまくいく」と思っている人もいるかもしれないが、自己肯定感を満たすだけでは部下は動かない。意識すべきは「自己重要感」だ。

自己肯定感と自己重要感はどう違うのか。自己肯定感は、その人自身が自分の存在を肯定する感覚のこと。自己肯定感の高い人は、社会的立場や実績とは関係なく、自身の存在を肯定できる。

一方、自己重要感は、社会での立ち位置や実績があってこそ満たされるものだ。「大きな仕事を任された」「ポジションが1つ上がった」「何かで一等賞を取った」「すごい人から目をかけられている」「組織で期待されている」などといった感覚に基づくものである。

ひと言で表現すると、自己肯定感は安心感、自己重要感は特別感だといえる。うまくいくリーダーや慕われるリーダーは、話し方を通して部下やメンバーたちの特別感を高めているのだ。

「フォーユートーク」を実践する

相手の自己重要感を高める話し方を、著者は「フォーユートーク」と呼ぶ。フォーユートークのポイントは7つある。

1つ目は、「あなたは~」と、相手を主役にして話すこと。誰しも自分自身に一番興味があるため、自分を主役にして話してくれる人に心をひらくものだ。

2つ目は、相手に疎外感を与えないこと。優秀なリーダーは、常に目の前にいる人と関係のある話をする。自分の話や、相手とかけ離れた立場にある人の話ばかりを続けていては、相手は疎外感を覚えて心の扉を閉じてしまうからだ。

3つ目は、相手を否定しないこと。ダメ出しされると、人は自分の存在を全否定された気分になる。相手と良好な関係を構築したいなら、まずは相手の考えや気持ちを受け入れよう。

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要約公開日 2023.01.16
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