自分を鍛える!

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自分を鍛える!
出版社
出版日
2016年11月05日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書はもともと1834年に出版された本だ。ところが、よくよく読まない限り、200年近く前に出版された本だと気づく人はいないだろう。まったく古びることのない、現代にも使える知恵が詰まっているからだ。

1800年代の本だという知識をもって読んでみると、確かにやや古めかしく、心ときめくような表現が散りばめられていることに気づくだろう。「われわれの頭脳は大理石の石柱みたいなものだ」「自分の感情をコントロールするには少なからざる努力が必要だが、それができる人こそ、本物の英雄なのである」「食物が血管を循環する血液の糧であるように、読書は精神の糧である」――などなど、美しく、読者のモチベーションを高めてくれるフレーズばかりである。

アドバイスが具体的で、実践しやすいのもありがたい。好ましい習慣を身につけるためには、毎日決まった時間にその行動を繰り返しなさい。勉強の息抜きとして、別の勉強をしなさい。午前の時間を大切に使いなさい……著者の教えはどれも、今を生きるわたしたちの目を開かせてくれる。

本書はロンドンで15万部を売り上げた、大ベストセラーだ。これはサミュエル・スマイルズの『自助論』の最初の30数年分の出版部数にも匹敵するという。確かにそれだけのオーラをまとった一冊である。

仕事も勉強も人間関係も、自分の心がけ次第で良くも悪くもなるものだ。日々をどう過ごし、人生をどう生きるか、本書を読んであらためて考えてみてほしい。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

ジョン・トッド(John Todd)
アメリカに生まれる。実践的かつ深い哲学的示唆に満ちた「人生案内」で知られる牧師・著作家。その卓越した発想は、自己実現を目指すすべての人々に知的活力・力強い励ましを与え続けている。本書『自分を鍛える!』は、アメリカで若い人や一般社会人のための自己啓発書として大ベストセラーとなった。

本書の要点

  • 要点
    1
    ひたすら努力することなしに、人より抜きん出ることはできない。
  • 要点
    2
    人は習慣でつくられる。正しい習慣を身につけたいなら、毎日同じ時間に、例外なく同じ行動を繰り返せばいい。
  • 要点
    3
    ものごとをいい加減にやるのが癖になると、必ず屈辱感を味わうことになる。勉強も同じだ。やるときは徹底的にやろう。

要約

努力の重要性

自分という大理石に“のみ”を入れる

どんなに頭がよく、勤勉な人であっても、過去を振り返ると「これまでなんと多くの時間を無駄にしてしまったことか」と嘆かずにはいられないだろう。

思い通りにものごとを進められる人などまずいない。その理由の一つは、必要な経験を身につけるには膨大な時間がかかるからだ。できることならば、今までの経験をもとに、もう一度人生をやりなおしてみたいと思うくらいである。

過去の偉人たちは、われわれに「知識」という宝物を残してくれた。しかし、その中でも最も貴重な知識を手に入れるには、金塊同様、自らの手で掘り出す必要がある。

われわれの頭脳は大理石の石柱のようなものだ。そこから美しい彫像を掘り出すには、“のみ”を入れなければならない。あなたにはすばらしい能力があるだろうが、それでも、努力なしに人より抜きん出ることはできないのだ。

【必読ポイント!】 いい習慣

好ましい習慣を身につける
PeopleImages/gettyimages

人は、その人が身につけている数々の習慣でつくられている。時間の使い方や仕事の仕方、考え方、感情に特定のパターンが生じると、やがてそれはその人の一部になっていくのだ。だからこそ、できるだけ若いうちによい習慣を身につけてほしい。刻一刻、一日一日がより快適に、より意義深くなるような「正しい」習慣を身につけよう。

もし職人が、これから選ぶ斧を一生使うのだと言われると、手頃で丈夫な斧を慎重に選びだすだろう。もし一生同じ服を着なければならないと言われれば、材質や型をあれこれ見比べ、丁寧に選択するはずだ。だがこうしたいかにも重要そうな選択でさえ、精神活動の習慣を選ぶのに比べれば、たいしたことではない。

好ましい習慣は意外と簡単に身につけられる。同じことを、毎日同じ時間に繰り返せばいいだけだ。どんなに面倒でも、ただひたすら毎日、例外なく規則的に繰り返していれば、やがて楽しくなってくる。すべて習慣とは、このようにして形成されていくものである。

自分の進む道を慎重に選ぶ

勤勉な人ほど、かえって時間に余裕を持っている。それぞれの時間にやることをきっちり決め、確実に実行に移すので、仕事が片づくと暇な時間ができるのだ。怠惰な人間の生活に活気がないのとは対照的である。

ルターが旅をしながら聖書の完訳を成し遂げたのは、当時のヨーロッパの人々にとって驚異的なことだった。それはルターが断固たる決意のもと、毎日自らの計画を実行した成果にほかならない。ルター自身、「1節も訳さない日は、一日もない」と言っている。こうした勤勉さがあったからこそ、たった数年で聖書を完訳できたのだ。

何事にせよ頭角をあらわす人物は、入念に計画を立てる。そして一度決意すると、断固たる忍耐心を持って目標達成へと突き進む。ひよわな精神力の持ち主ならくじけてしまうような難問にも、まったく動揺しない。

時間の使い方について、決して優柔不断になってしまってはならない。自分の進む道は慎重に、しかもきっぱりと選ぶこと。そしていったん選んだら、何が何でもそれに食らいついて離れないことだ。前もって立てた計画通りに過ごした一日は、無計画に過ごした1週間にも相当する。

あらゆる物事から学ぶ
alphaspirit/gettyimages

あらゆる物事から学び取る習慣を身につけているか否かによって、40歳になるはるか以前から、人格に顕著な違いが出てくる。年老いてからでは遅い。若いうちから、常に目を開き、耳を傾けていることだ。

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要約公開日 2023.01.26
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