頭のよさは国語力で決まる

未読
頭のよさは国語力で決まる
頭のよさは国語力で決まる
著者
未読
頭のよさは国語力で決まる
著者
出版社
出版日
2021年12月15日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
要約全文を読むには会員登録ログインが必要です
ログイン
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

「あなたの国語力は大丈夫ですか?」

本書はこんな見出しから始まる。自信をもって「はい」と答えるのは難しい。リモートワークの普及に伴い、チャットツールが普及すると、これまで以上にビジネススキルとしての「テキストコミュニケーションスキル」が求められるようになった。対面でのコミュニケーションが激減した結果、会議やたまの出社では居心地の悪さを覚える。書くのにも話すのにも自信がないというのが本音だ。

国語力は日常的に必要とされるが、そもそも国語力とは何か、自分の国語力がどの程度かなど考えたことがないかもしれない。言葉の専門家である本書の著者である齋藤孝氏は、こうした曖昧な認識こそが問題だと指摘する。

ビジネスパーソンには、書いて伝える「文章力」、聞いて話して伝える「会話力」の両方が必要とされる。当然、コミュニケーションをとるうえで土台となる「読解力」も欠かせない。本書では、「読解力」「文章力」「会話力」を人生に欠かせない力として、これらの力を身につけるための実践的な技法を紹介している。「齋藤式」国語力アップのポイントが惜しげもなく公開される。これだけで、日本語の基礎力がどんどん上がってきそうだ。国語力向上の第一歩として、本書をおすすめしたい。

著者

齋藤孝(さいとう・たかし)
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラー作家、文化人として多くのメディアに登場。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導を務める。
『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(草思社)で毎日出版文化賞特別賞。『読書力』(岩波書店)、『語彙力こそが教養である』(KADOKAWA)、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)、『こども孫子の兵法』(日本図書センター)など著書多数。著書発行部数は1000万部を超える。

本書の要点

  • 要点
    1
    国語力アップのポイントは、相手の思いや文脈を読み解く「読解力」、書き言葉を使う「文章力」、TPOに応じて、自分の思いや考えを表現する言葉をアレンジする「表現力」を鍛えることだ。
  • 要点
    2
    読解力を鍛えるためには、年間100冊程度名作を読むといい。優れた文章に触れることで語彙力や表現力が向上し、言葉も人生も豊かになる。
  • 要点
    3
    まとまった文章を書くためには、まずキーワードを洗い出し、優先度をつけて並べ替え、文章の構成を決めてから書くとよい。論理的な文章を書く自信がなければ、「型」を利用しよう。

要約

あなたの国語力は大丈夫ですか?

国語力アップの3つのポイント

私たちは国語を教科として学んできているが、そもそも「国語力」とは自分にとって何か、自分にどれくらいの国語力があるかははっきりとしていない。現代社会では最高レベルの実用的な言語活動が求められているにもかかわらず、自分の国語力に自信がもてない人が多いのは重大な問題である。国語力は思考力を育み、他者と共感し合える知性の礎となる。国語力を鍛えなければ、真に人間性を培い、社会性を広範囲に発揮することは難しいのではないだろうか。

特にビジネスの現場では、的確に自分の考えを伝え、相手の考えを読み取ることができなければ、コミュニケーションが成立しない。そのためには、「生きた国語力」の基礎力が不可欠である。

生きた国語力の基礎をつくる
Nikada/gettyimages

本書はまず、「基礎を鍛える」ことから始める。ポイントは、「読解力」「文章力」「表現力」の3つである。

まず、国語力の土台は「読解力」だ。読解力には、会話や文章の意図を読み解く力だけでなく、その場の雰囲気などの「空気を読む力」も含まれる。言葉の正確な理解に基づいた対話ができれば、仕事も人間関係もうまくいく。読解力を鍛えることで、大量の情報から重要な情報を取り出してまとめ直す「要約力」、要約した内容を論理的に伝える「伝達力」、それらをベースに周囲の人たちと意見を交わす「コミュニケーション力」が身につく。これらが仕事においても重要な力であることは間違いない。

2つ目の「文章力」は、書き言葉を使う力だ。仕事上で話し言葉中心の文章を書いていては、相手に精神的に未熟な印象を与えてしまう。書き言葉を習得することで、ビジネスでも使える語彙を増やすことができる。

そして最後は「表現力」だ。自分の思いや考えを端的に表現する際、豊富な語彙を用いることができなければ、幼さの残る話し方になってしまう。

大人であれば身だしなみに気を配るようにTPOに応じて適切な言葉を運用する力を磨くことは、社会人として最低限のマナーである。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3667/4508文字
会員登録(7日間無料)

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2023.03.24
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
東大教授が教える独学勉強法
東大教授が教える独学勉強法
柳川範之
未読
「人たらし」のブラック心理術
「人たらし」のブラック心理術
内藤誼人
未読
対話力
対話力
阿川佐和子齋藤孝
未読
自分を知る練習
自分を知る練習
土谷愛
未読
「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術
「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術
高松智史
未読
努力が「報われる人」と「報われない人」の習慣
努力が「報われる人」と「報われない人」の習慣
塚本亮
未読
未来の年表 業界大変化
未来の年表 業界大変化
河合雅司
未読
時間を「うまく使う人」と「追われる人」の習慣
時間を「うまく使う人」と「追われる人」の習慣
滝井いづみ
未読
法人導入をお考えのお客様