「人たらし」のブラック心理術

初対面で100%好感を持たせる方法
未読
「人たらし」のブラック心理術
「人たらし」のブラック心理術
初対面で100%好感を持たせる方法
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「人たらし」のブラック心理術
出版社
出版日
2008年09月15日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

強烈なタイトルの一冊である。人たらしにはネガティブなイメージがつきまとう。だが、本書は人たらしを「人をうまく味方につけること」「多くの人々に好かれること」ととらえ、肯定的に評価する。人たらしになるためには、相手の喜ぶことを考え、それをあえてやってあげなければならない。それは何ら悪いことではない。むしろ、いいことなのだと評価することが、人たらしへの第一歩だ。

本書では、心理学をビジネスシーンなど実践の場に応用することに注力している著者が、多くの人々に好かれる「人たらし」の60の技術を解説する。タイトルのインパクト通り、本書の技術を実践すれば大きな効果をもたらしてくれそうであるが、内容は堅実だ。人の目を見る、挨拶をするなど、ブラックなワザというよりも、多くの人から好かれるために日頃から心がけておきたい心得も多い。だが、そうした小さなことを実践できるかどうかが、積み重なって大きな差になっているとも言えるだろう。各テクニックは、心理学の実験や研究の成果を交えて書かれていて、納得して取り組みやすいのも魅力的だ。

実践しやすさにも配慮され、読んだらすぐ実践できるテクニックが多い。日頃から意識し、習慣化することで、あなたの魅力をより一層引き出せるだろう。

ライター画像
木下隆志

著者

内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者。立正大学特任講師。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。有限会社アンギルド代表取締役として、コンサルティング業務を行う一方、執筆業にも力を入れる心理学系アクティビスト。趣味は昆虫採集、釣り、ガーデニング。
著書に『人は「暗示」で9割動く!』(すばる舎)、『人の心は9割読める』(あさ出版)、『交渉力養成ドリル』(ダイヤモンド社)、『「人たらし」のブラック交渉術』『図解「人たらし」のブラック心理術』(以上、大和書房)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    多くの人に好かれるには知性が必要である。人たらしをネガティブに捉えるのではなく、「人たらし=善」と捉えてみよう。
  • 要点
    2
    目を見つめ合うと、お互いへの好感が高まっていくことが実験により明らかになっている。相手の目を見るのが苦手な人でも、相手の「まばたき」を数えるようにすると、自然なアイコンタクトができる。
  • 要点
    3
    あなたが誰かに嫌われてしまったら、仲直りしようと努力するのではなく、その人との関係を諦めてしまったほうがいい。そして、新しい友達を1人でも2人でも増やせるようにしたほうが、現実的に意味がある。

要約

【必読ポイント!】人たらしになるための基本ルール

「人たらし=善」の図式で考えてみる
laflor/gettyimages

「人たらし」というと、欺きや欺瞞、偽善といったネガティブな意味がつきまとう。だが、本書では「人たらし」を肯定的な意味として使いたい。本書の基本スタンスは、“人をたらしこむのは絶対にいいことだ”ということである。なぜなら、人たらしな行為をするということは、相手が喜んでくれることをわざわざやってあげるからだ。人から好かれ、人間関係を円滑にするために、「人たらし」になるのはあたりまえのことである。

相手に喜ばれることを考えるには、洞察力が不可欠である。こうした洞察力は、知性にほかならない。心理学では、人に好かれるための知性のことを“社会的知性”と呼んでいる。人たらしになるということは、社会的知性を高めることだと言い換えてもいい。

多くの人には、「人たらしはよくないことだ」という信念がこびりついている。だから、著者が「戦略的にウソをつくのが、賢い人間なのです」とアドバイスをすると、生理的に抵抗を起こす人が多い。

だが、「ウソはよくない」といった信念を抱いたままでは、本書の「人たらし」の技術を身につけられない。まずは「人たらし=悪」ではなく、「人たらし=善」という図式で考えてみてほしい。

法律に触れるような反社会的なことを勧めようというのではない。本書はただ、自分の本音をちょっとだけ隠しなさい、お世辞をどんどん言いなさいといった、社会的知性を高めるための技術を紹介しているだけなのだ。これは社会人として必須のスキルであり、悪いことなど何もない。人から好かれるための心理学の法則を、本書を通じて身につけよう。

性悪説を信じて行動せよ

著者は“性悪説”の支持者である。「性善説」を信じたほうが人間関係がうまくいきそうだと思うかもしれないが、実際は真逆である。

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要約公開日 2023.03.22
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