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「SNSの熱狂がビジネスの成果を生む」ショート動画時代のマーケティング100の鉄則
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「SNSの熱狂がビジネスの成果を生む」ショート動画時代のマーケティング100の鉄則
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出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2023年03月31日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「もっとフォロワー数が増えたらいいのにな……」。あなたもこんな風に思ったことはないだろうか。

現代の若者の関心は、お金持ちであることよりもフォロワーをたくさん抱えることにシフトしている。SNSが私たちの生活に広く浸透した現代において、「多くのフォロワーを抱える」ことは重要な資産を持つことと同義だからだ。種々のSNSをチェックしてみれば、インフルエンサーはみな自らの持つフォロワーを起点に巨大なエコシステムを築き上げ、自身の資産へと転化している。

本書の著者は、前著『動画2.0』にて世界のあらゆるものが動画化することを説いた明石ガクト氏だ。2018年に前著を上梓してから5年、「TikTokなどに代表されるショート動画に対応した“動画3.0”を書きたい」という思いから、本書の企画は始まった。本作では動画のコアとなる「アテンション」に焦点を当て、その行く末を見通す。通読すれば、視聴者の心を鷲掴みにするための具体的な内容を知ることができるだろう。

YouTuberの増殖、TikTokの隆盛、ウェブでのLIVE配信の定着など、コロナショック後の世の中は一段と動画色が強まったと要約者も感じている。そんな時代に人々の「アテンション」を引き出す術を身に着ければ、大きな希望を描けることだろう。「何かを創造したい」と、もがいている人には本書がピッタリだ。少々荒っぽくもグイグイと引っ張ってくれる著者の言霊に乗っかり、その情熱をうまくアクションに変えていってほしい。

著者

明石ガクト(あかし がくと)
2014年6月に新しい動画表現を追求するべくONE MEDIAを創業。これまで1000人以上のクリエイターとともに、YouTubeやTikTokなどSNSプラットフォーム向けのコンテンツをプロデュースしている。2018年に、自身初となる著書『動画2.0 VISUAL STORYTELLING』を上梓。YouTube Works Awards Japan 2022においてはクリエイターコラボレーション部門代表審査員を務める。
Twitter:@gakuto_akashi

本書の要点

  • 要点
    1
    クリエイターエコノミーは、SNSを活用してアテンションを集めるクリエイターがコンテンツによって自らの経済圏を拡大していくメガトレンドを指す。
  • 要点
    2
    クリエイターエコノミー時代におけるマーケティングの基軸通貨はリーチからアテンションへと移行した。
  • 要点
    3
    「テキスト優位」の固定観念から抜け出し、動画の持つ可能性を活用すべきだ。
  • 要点
    4
    一億総クリエイター時代のトップクリエイターは高い「熱狂力」「試行力」「継続力」をもつ。企業もそのマーケティング戦略に学ばねばならない。

要約

【必読ポイント!】 動画がもたらしたビジネスの大転換

クリエイターエコノミーの隆盛
Kar-Tr/gettyimages

現代のクリエイターとは、「自らのプレゼンスを高めるために、SNSに渦巻く人びとのアテンション(注目)を集める人間」だ。かれらは個人にも企業にも持続的な影響を与え、インターネットを活用して自らの経済圏を拡大する、「クリエイターエコノミー」と呼ばれるメガトレンドを生み出している。

2022年8月に発表されたAdobeのレポート「Future of Creativity」では、クリエイターエコノミーの規模はこの2年で倍増し、既に全世界で3億人を超えるクリエイターが活躍しているという。クリエイターは、誰かに使われるのではなく、自分自身で経済活動を行い、経済を牽引するようになっているのだ。

クリエイターエコノミーを駆動させる動画は、コロナショックを境に著者の言う「動画2.0」から「動画3.0」へとシフトチェンジした。著者はこれについて10の変化を挙げているが、1つ紹介すると、動画でコンバージョン(成果、購入など)を測れるようになったことがある。

これまでのマーケティングでは、まず認知、興味・関心、比較・検討という段階を経て購入に至るのが定石で、それらのファネルを順番にクリアする必要があった。しかし、「TikTok売れ」という言葉に代表されるように、従来の動画広告の土俵であった「認知」と「比較・検討」をすっ飛ばし、ユーザーが動画視聴からすぐに購入に至る現象が起きている。

それをTikTokが成し遂げたのは、「誰が発信元なのかはわからないけれど、みんながそれをやっている、買っているという現象」=「シミュラークル(真似して楽しむ)」を生み出したからだ。こうして、動画をブランディングの位置付けから、直接購買をもたらすセールスプロモーションへと変化させていった。

「リーチ」から「アテンション」へ

クリエイターエコノミー時代におけるビジネスの新・四大要素は、ヒト・モノ・カネと、SNSが生み落とした「アテンション」だ。「インスタ映え」「TikTok売れ」という言葉は、アテンションがもたらす原因と結果を示している。

デジタル広告含めこれまでのマーケティングでは「リーチ(広告を見たユーザー数)」を軸に価格が決められてきた。しかし、デジタルが持っている本質的な価値は、「人の心に深く入り込み、行動へと促す作用」である。アテンションは、リーチのようにお金をかけなくても、「現象」を作ることができる。

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要約公開日 2023.03.30
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