怒らない100の習慣
出版社
出版日
2023年02月19日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

些細なことで感情的に怒ってしまい、人間関係にヒビが入ってしまったことはないだろうか。相手が家族なら気まずい時間を過ごすことになり、職場の関係であれば生産性に直結する。たとえ一時的な怒りであっても、一旦こじれた感情を元に戻すのは難しい。「あんなこと言わなければよかった……」と後悔して、クヨクヨ悩む日が続くだろう。

本書によると「怒り」自体は自然な感情であり、怒ることも悪いことばかりではない。怒りはときに、行動を起こすモチベーションにもなり得る。しかし怒りは強い感情なだけに、コントロールすることが必要だ。怒りをコントロールし、うまくつき合っていくための心理トレーニングである「アンガーマネジメント」。本書ではアンガーマネジメントの考え方や手法をヒントにした、日常で簡単に実践できる「怒らない習慣」を紹介している。

本書が提案する「怒らない100の習慣」は、「怒りを覚えたら6秒待ってみる」「気持ちを切り替えるフレーズをもつ」など、イライラしたときに効くおまじないのようなものから、怒りにくい体質をつくるための生活習慣など、バラエティに富んでいる。また、ストレスの原因になりやすい人間関係の対処法についても、ページを多く割いている。

アンガーマネジメントは、日々の取り組み次第で誰にでもできるようになる。本書を一読し、怒りを適切にコントロールして、穏やかで満ち足りた人生を過ごしていただきたい。

ライター画像
香川大輔

著者

戸田久実(とだ くみ)
アドット・コミュニケーション株式会社代表取締役
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事
立教大学文学部卒業後、大手民間企業や官公庁にて「伝わるコミュニケーション」をテーマに研修・講演を実施。
研修講師歴30年、「アンガーマネジメント」「アサーティブコミュニケーション」「アドラー心理学」をベースにした指導には定評があり、これまでの指導数は約22万人にも及ぶ。
主な著書に『アサーティブ・コミュニケーション』『アンガーマネジメント』(共に日経文庫)、『怒りの扱い方大全』(日本経済新聞出版)、『働く女の品格』(毎日新聞出版)、『アンガーマネジメント 怒らない伝え方』(かんき出版)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    怒りを感じたら6秒待ってみよう。6秒経つと理性が働き、怒りの感情に振り回されずにすむ。
  • 要点
    2
    怒りは自然な感情だ。無理に抑えるのではなく、自分がどう感じたかを上手に伝える必要がある。
  • 要点
    3
    怒りの記録「アンガーログ」をつけることで、怒りをクールダウンさせ、自分の怒りの傾向をつかむことができる。
  • 要点
    4
    良好な人間関係を築くには、自分も人も信頼することが大切だ。
  • 要点
    5
    朝日を浴びると「しあわせホルモン」のセロトニンが増えて、幸福感が高まる。

要約

怒りを上手に扱う習慣

怒りがわいたら6秒待つ

怒りがわいたら6秒待ってみよう。6秒経つと理性が働き、怒りの感情に振り回されずにすむからだ。

怒りに任せて八つ当たりしたり暴言を吐いたりすると、人間関係は悪化する。怒りに振り回されない体質になるためにも、「6秒待つ習慣」を心がけたい。

だからといって、怒りの感情を否定する必要はない。怒りは自然な感情で、怒ること自体は決して悪いことではない。怒りを表現することで、本気度や真剣さが相手に伝わることや、我慢して後悔することを防ぐ効果もある。

怒りを無理に抑えるのではなく、自分がどう感じたか、どうしてほしかったかを相手にわかるように伝えよう。怒りを上手に表現すれば、相手との関係が悪くなることはない。

怒りをコントロールする
Eva-Katalin/gettyimages

怒りには強いエネルギーがある。怒りに振り回され、つい「言いすぎてしまった……」ということもあるだろう。

怒りをぶつけている最中は、なかなか冷静になれない。あとで気づいて悔やむ気持ちがわいたなら、タイミングが遅くなっても「ごめんなさい」と伝えてみよう。和解するきっかけになり、誠意も伝わるはずだ。しかし、できることなら「言って後悔」する機会は少ない方がいい。

怒りを感じる気持ちは、なかなか止められない。しかし、感じた怒りをコントロールすることはできる。アンガーマネジメントは、怒りとうまくつき合うための心理トレーニングだ。しかし、知識と情報を得ただけではできるようにならない。サッカーが上手くなるには日々の練習が必要なように、できることから取り組んでみることが大切だ。

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要約公開日 2023.05.24
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