占いを見るときのコツは、都合のいい内容だけを信じることだ。「今日のあなたの運勢は最高です!」という情報は信じても、「今日は不愉快な思いをするかもしれません」というネガティブな情報は無視する。占いに限らず、自信のある人は常にこの態度を貫いている。
ジョージア大学のマイケル・カーニスは、大学生を集めて、対象者たちのナルシシズムの度合いを測定した。それからインチキな心理テストを受けてもらい、ある人にはポジティブな結果を、ある人にはネガティブな結果を渡した。そのうえで、その心理テストの妥当性を判断してもらった。すると、ナルシスト度合いの高い大学生たちは、ポジティブな結果のときは「このテストの診断は大いに信頼できる」と答え、ネガティブな答えのときは「このテストは当てにならない」と答えた。ようするに、自分に都合のいいことだけ信じているのだ。
自信がある人は、気分が落ち込む情報にはそもそも接しないし、うっかり触れてしまったときには、完全に無視したり、無理やりにでもポジティブに解釈したりする。あなたも、触れる情報をコントロールしたり、情報の解釈の仕方を工夫したりしよう。
自分の欠点はいくつもあげられるものだ。それでも、自信を持ちたいなら「全体としてはOK!」と考えるようにしよう。
「たまに怒りっぽくなることはあるけど、全体として自分の性格はOK!」「たまに雑に仕事をしてしまうことはあるけど、全体として自分の仕事能力はOK!」「そんなに友人が多いわけではないけど、全体として自分の人間関係は十分にOK!」……といったイメージである。
ネイメーヘン大学のニコ・ファン・イーペレンは、プロのサッカー選手88名に、「あなたのヘディング能力は、他の選手に比べて高いと思いますか、それとも低いと思いますか?」と尋ねる一方で、「全体としてのあなたのサッカー能力は、他の選手より高いですか、低いですか?」と尋ねた。その結果、ヘディング能力については「他の人に比べると自分は下」と考える人が32.1%もいたのに、全体的な能力については、わずか9.4%のみが「自分は下」と回答した。多くの選手は「細かいテクニックについては他の選手に劣るかもしれないけれども、それでも自分のサッカー能力は高いと思う」と考えていたのだ。「全体としてはOK!」の思考によって、自信を持っていられるのだろう。
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