10万人以上を指導した中学受験塾

SAPIXだから知っている頭のいい子が家でやっていること

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SAPIXだから知っている頭のいい子が家でやっていること
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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定価
1,760円(税込)
出版日
2023年02月17日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「人生は勉強だ」。これは要約者が子どもの頃に母親から繰り返し伝えられてきた言葉である。

社会人になり、この言葉のありがたさに気づくようになった。日常的に図書館や書店で本を手に取ること、ニュースの記事を読み、疑問点があれば調べること。そういった日々の小さな学びの積み重ねを、習慣化できたのは、家庭環境によるところが大きい。

自分が親になってからも習慣は変わらない。一方、自分の娘たちの勉強に取り組む姿勢や向学心となると心配の種は尽きず、「これで十分だ」と思えることはない。

そんな子育て世代にとって、一つの安心材料になるのが本書だ。SAPIX小学部は難関中学への入学実績で知られる受験塾。そこで子どもの学びに長年向き合ってきた国語・算数・社会・理科の専門家と「学びを好きになるにはどうしたらいいか?」といった学びの本質の謎を紐解いていく。

本書には、家で取り組めるSAPIX式の習慣がいくつも掲載されている。紹介されている一緒に料理をつくる習慣は、要約者もぜひ子どもと続けていこうと感じた。そうした、ぜひ試したくなる楽しい教育法が満載の一冊だ。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

佐藤 智(さとう とも)
両親ともに教員という家庭に育ち、教育の道を志す。横浜国立大学大学院教育学研究科修了。中学校・高校の教員免許を取得。出版社勤務を経て、ベネッセコーポレーション教育研究開発センターにて、学校情報を収集しながら教育情報誌の制作を行う。その後、独立し、ライティングや編集業務を担う株式会社レゾンクリエイト(http://raisoncreate.co.jp)を設立。全国約1000人の教員へのヒアリング経験をもとに、現在は教育現場の情報をわかりやすく伝える教育ライターとして活動中。著書に『公立中高一貫校選び 後悔しないための20のチェックポイント』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『先生のための小学校プログラミング教育がよくわかる本』(共著/翔泳社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    学びに関心をもち、学び続けられる子=頭のいい子。「学ぶことは楽しい」「勉強が得意」と思えるようになることが大切となる。土台になるのは①好奇心、②批判的に考える力、③自らを表現する力だ。
  • 要点
    2
    子どもが何度も親に質問できる環境を整える。子どもは忘れる生き物と捉え、大らかな気持ちで向き合う。
  • 要点
    3
    国語は「全教科の基礎」だからこそキライにさせない。子どもと同じ目線で話すこと、コミュニケーションの量を増やすことがポイントだ。
  • 要点
    4
    算数は料理、社会は買い物、理科は散歩や動植物の世話といった体験で、日常生活の中で楽しみながら学びにふれる。

要約

「頭のいい子」は学び続ける

「頭のいい子」とは

「頭のいい子」というと、どのようなイメージをもつだろうか。先行き不透明なこれからの時代。学校や塾で何かを学び、それで「おわり」ではない。大人になったら学ばなくていい、なんてことは絶対にない。これからは「学び続ける姿勢」が一層求められる。

学び続けるエンジンになるのは、好奇心、興味関心、探究心。「もっと知りたい」「これはどうなっているんだろう?」そんな意欲や疑問を原動力に、自ら学ぶ子が育っていく。

本書は、好奇心や興味関心、探究心を培い、頭のいい子を育てるためのメソッドを、大手中学受験進学塾のSAPIX小学部に聞いてまとめた。SAPIX小学部はこれまで10万人以上もの小学生に中学受験指導をしてきた、いわば小学生向けの学びのプロ集団だ。

現在の中学受験の勉強では、知識を詰め込むだけのようなことは行われていない。「学びに関心をもち、学び続けられる子=頭のいい子」を育てるための土壌を耕すべく、本書は綴られている。

学ぶことは楽しいもの
Hakase_/gettyimages

最初から学ぶことが好きな子はそうそういない。「『勉強しなさい』と言っても全然聞いてくれない」と悩む親は珍しくない。

では、なぜ子どもは学びに興味をもたないのだろうか。それは、楽しくなかったり苦手なイメージをもっていたりするからだ。子どもは楽しいことなら集中して何時間でも没頭できる。子どものこうした特性から考えると、すすんで学ぶ子になるために大事なことは、「学ぶことは楽しい」「勉強が得意」と思えるようになることだ。

「そんなこと簡単に言われても……」そう感じる人もいるかもしれない。お父さんやお母さんが学ぶことに対する思い込みや苦手意識をもっていると、子どもは勉強嫌いになりがちだ。

「子どもに〇〇しましょう」というメッセージだけでなく、周りの大人が習慣を少しだけ変えることの大切さも伝えていくことが肝要だ。保護者の皆さんに「学ぶことは楽しいものだ」と心から思ってもらえることが、頭のいい子に育てる大切なアプローチなのだ。

学び続けるために必要な3つの力

学び続けられる「頭のいい子」とは、具体的にどのような力のある子なのだろう。SAPIX YOZEMI GROUP共同代表の髙宮敏郎さんは、土台となる力を次の3つだと語る。

①「知りたい、わかりたい」という好奇心

②「そうなのかな?」と批判的に考える力

③自らを表現する力

3つとも、何が正解かわからない今の時代を生きる子どもたちにこそ必要になる力だ。

①に関し、大事なのは、子どもが元来もっている好奇心を失わせないことだ。忙しい日常生活のなかで、子どもに「なんでこうなるんだろう?」と聞かれたときに、5分だけでも時間をつくり、「おもしろい視点だね!」と伝え、親子で会話のキャッチボールをしてみてほしい。

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